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就活、いったん疲れた

新着メールの送り主が見えて、一瞬ためらってからフォルダを開く。


株式会社まるまる。

誠に、まで見えたら、残念ではございますが。


きゅうっと胸のあたりが縮んで、どーんと何かを突きつけられた気持ちになる。


こうして、その後の長文は企業の誠意か精一杯の好感度なのか、社会の中できめられた型でいわゆるお祈りをされる。

もちろん、もう今年度の選考は受けないでね、って書いてある。




こんなやり取りを想定して、予め予防線を張っておくことはできるけれど、それでも何かしら自分に残った重い気持ちが消えるには時間がかかりそうです。

一つ一つの企業に消耗していられないけれど、自分が何で判断されたのかがわからないまま否定されるということは、少しさびしくて少し傷ついて、少しだけ怒りたくなることだったりします。


最近、怖い夢ばかり見ます。


ある夜は、私は殺人鬼でした。

いえ、死体も殺害現場もその時の感覚もない、それなのに殺人犯呼ばわりされていました。

防犯カメラの夜道を歩く私の映像と、わたしのポケットから出てきた血のついた真っ赤なバンダナ。

記憶がないのに殺したのだろうかという自分への疑いと、迫ってくるものの恐怖に、じっとりとした汗とともに目が覚めました。


その翌日は、私が殺されそうになりました。

暴れる細身の女の子を必死で止めようとすると、その子に信じられない力で首を絞められかけました。

その手首の白さと細さが鮮明にこびりつきました。



怖い夢が怖くて、夜眠る前にだらだらとYoutubeを見る時間が増えました。

このままだと、誰でもいいと誰かにすがってしまうのではないかと自分が不安になりました。


どうしたらいいのかじゃなくて、どうして不安なのかを考えようと思ったけれど、一日一日何かしらの通知が来たり、来なかったり。

通知が来たと思ったら、すぐに予定を入れなきゃいけなかったり、祈られたり。


この、私の思いはどこに行くんだろう。

私という人物はどうやって存在を定義づけられているんだろう。


私でありたい私が、少しずつ削り取られていっています。

強く生きたいと思っても、難しいときもある。





明日からも頑張るしかないなら、今日までの気持ちは今日消化したい。

これも、若い今しか感じられない感情かもしれないし。

今日も頑張ろう。




***


私は今、新社会人として働き始めた真っ最中です。

ですがつい半年前までは、こんな事を考え、苦しくて、赤裸々すぎて書いたまま投稿もできないでいました。

ちゃんと苦しいって時があったことを覚えていられる文章があってよかった。

あのとき1人で焦りに駆られていた自分に、今は新しい環境を楽しんでいるよって言ってあげられるから。

今あの時のわたしと同じ思いを抱えている人はきっとたくさんいて、でも、最後まで自分を好きでいてあげてほしいと伝えたいです。


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