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30代の頃。

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而立。 社会人。
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記事一覧

嫉妬の咀嚼、消化吸収、そして排泄と。

前職にいた時のこと。 長い梅雨の続く寒い7月に、後輩と西日本の方へ出張した。 僕と彼は元々…

超健康サンダルのじんわりとした痛み。

前職の時、東京から少し離れた地方へひとり出張する機会があった。 初めて訪れたその客先は、…

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途中下車の日々。

会社を辞める5年くらい前のこと。 その日は朝から身体が辛くて平日に休んでしまった。 昨晩か…

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セイコウ体験が導くもの。

前職で毎年1人か2人、入社してすぐの若手で自信満々の男がいた。 20代前半で入社したばか…

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ビンゴが苦手なリーチマン。

僕は昔からビンゴゲームがかなり苦手だ。 会社の忘年会、結婚式の2次会、誕生日会などなどで…

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微笑みの国に響いた、怒号の声と苦笑い。

10年ほど前、タイに出張に行った時だった。 僕は、会社で一番仲の悪い先輩と行動することに…

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テーブル越しの再会と、相槌のイカす三連星。

5年以上前のことと、更に10年以上前のことを書く。 5年以上前、それは風が強く吹く寒い冬で、確か12月初旬だったと思う。 平日の夜だけれど、当時から数少ない友人2人と新宿で待ち合わせて飯を食べた。 飯を食べるという表現だけれど、いつもどおり歌舞伎町にある安い居酒屋で酒を飲みつつ近況を語らったのだ。 メンバーは皆同い年の30代後半で、僕と男性と女性の3人。 女性のほうは来年春に結婚式を挙げたら、旦那の職場である関西へ引っ越してしまう。 あと何回集まれるか分からない中、惜しみつ

燃えるような夕焼けが全てを覆い尽くしていた。

数年前の11月のとある日の午前中、現場にて作業をしていた時のこと。 昼休みまで1時間を切…

孝行息子と放蕩息子。

数年前の年末に両親がはるばる3時間以上かけ、15年ぶりに僕の住む街に来た。 それは何度か…

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ゲイズ・アット・ザ・スターズ。

前職にいた頃、もう5年以上前のこと。 その日は金曜日で、朝から電話が鳴り響いていた。 それ…

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世界は繋っていける。

もう10年以上も前、前職でいつもと同じような仕事をしていた。 クリーンルームと呼ばれる、…

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ギターを弾くのか目を惹くのか?足して引くと見えるもの。

前職にいた頃、当時の上司と出張をする機会があった。 それは打ち合わせなどの類ではなく、1…

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ニガヨモギの川。

穏やかな昼下がり、部屋に座ってぼおっとテレビを見ている彼女がいた。見慣れた、少し縦長の丸…

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去るもの、残るもの、現れるもの。

大丈夫だよ、残る人は残るものだよ。 そう言われたことがあった。時として人間関係が上手くいかなくなることがあった。そしてその言葉どおり、残る人は残った。去っていくというよりは、自分のほうから立ち去った。これ以上関係を続けていても虚しさのほうが大きいと思ったからだ。 あぁ、一人ぼっちになってしまったと思った。また一から色々とやり直すのかと思った。そして不条理な世の中を責めた。お酒を飲んで紛らわしたこともあった。無駄遣いをして誤魔化したこともあった。でも何も解決しなかった。向こう