麦のパパ

南海放送『夏井いつきの一句一遊』にて金曜日(優秀句)に発表された佳句を聞き書きしており…

麦のパパ

南海放送『夏井いつきの一句一遊』にて金曜日(優秀句)に発表された佳句を聞き書きしております。 佳句を鑑賞し、一緒に俳筋力を鍛えましょう! ※各作者へ掲載の承認を得ておりません。ご不快に感じられた方は、大変お手数ですがこちらへご連絡ください。直ちに掲載を取り止めさせていただきます。

最近の記事

『白露』(二十四節気)

『白露』 R6.9.13 行き合ひの風の綴ぢしろ白露なり           佐藤ゆま ゴム底に白露の石を喰はせけり           大山柾汚 くたくたの田靴よ白露の忌中札           稲穂 牛乳の瓶に擦れ傷ある白露           かま猫 防災の袋へ句集白露の夜           杏乃みずな セロハンの黄ばむ白露の文庫本           伊藤映雪 望郷を綴る白露のペンの黒           沢唯果 反りし筆白露の墨へ沈めけり           藍創

    • 漢字シリーズ『松』

      R6.8.30 新松子むしりたがりしかたかりし           人日子 百歳の松の松ぼつくり怖い           広島じょーかーず 薪棚の上に松毬(まついが)冬支度           藍月 冬ざれや黒松いたく拗けたり           竹田むべ 臥龍松はだへも雪をこぼさざる           彼方ひらく 色変へぬ松の正しき曲りかな           きさらぎ恋衣 松の根を蟻かくかくとあざなへり           ろまねす子 千年の愉楽の気分松手入      

      • 『俳句甲子園』

        『俳句甲子園』 R6.8.16 俳句甲子園机の下の拳かな          麦仙人 マイクが拾ふ俳句甲子園の焦り          高橋寅次 俳句甲子園マイク目配せして渡す          鈴白菜実 熱弁の助詞「を」の理由俳句甲子園          岸来夢 俳句甲子園助詞の飛距離を測りをり          音羽凛 俳句甲子園歴史揺るがす助詞一つ          木ぼこやしき 俳句甲子園詩を整へるひとこきふ          きのえのき 討論といふ研磨剤俳句甲子園   

        • 『納豆造る』

          『納豆造る』 R6.8.2 納豆造る塩とがらせてまろませて           古賀 納豆造るやまとの友として麹           Rⅹ 納豆造る桶の黒きを貴びて           彼方ひらく 納豆造る木桶の蓋の深縹           駒村タクト 納豆造るぐわと塩浮く桶の縁           澤村DAZZA 寺じゆうに納豆造る塩にほふ           ベス 納豆造る塩水は目に痛い           おこそとの お経より納豆造るのが巧い           けーい

        『白露』(二十四節気)

          『ハンモック』

          『ハンモック』 R6.7.19 椰子の樹は海へ傾きハンモック           山内彩月 雲図鑑に載つてない雲ハンモック           古賀 ハンモックの下を子の抜け犬の抜け           梅鶏 父さんをこちょこちょの刑ハンモック           植木彩由 ハンモック母を半日棚上げし           西川由野 子らは海賊にハンモックは船に           一久恵 ハンモック答えは自分で探すんだ           おなみちゃん 馬鹿だった日々も星屑ハ

          『ハンモック』

          一句一遊23周年記念 『二十三』

          『二十三』 R6.7.5 青芝や二十三人目に主審           亀田荒太 面接の二十三人目が甚平           樫の木 二十三までは数えたはず目高           にゃん 一族の二十三人目や麦茶           日永田陽光 23㎝のバービー123㎝のあっぱっぱ           駒水一生 冷蔵庫ぶおおん二十三時の蚊           はぐれ杤餅 二十三時の悪人面の蜘蛛とゐる           森野みつき おでんたぷたぷ二十三時のベッドタウン     

          一句一遊23周年記念 『二十三』

          『清水』

          『清水』 R6.6.21 波紋のまん真ん中清水の根元見ゆ           梅鶏 みづにみづ磨かれ清水てふ楽器           千夏乃ありあり 山清水飲む喉ぼとけ喉ぼとけ           高尾里甫 肘へ来て肘より落つる清水かな           二重格子 痺るるほど清水あうらに痛き石           津島野イリス しじら織りめきて清水は朝孵る           鈴白菜実 石清水両手で持つくらいの石           なお 走り根に右足預け清水汲む     

          『まじ』

          『まじ』 R6.6.7 磯のものしきり匂はし瀬戸のまじ           いそこ 真風吹かば釜屋に塩の匂ひ立つ           近江菫花 まじの夜を釘の頭の迫り出して           ろまねす子 船着場の台車の錆やまじ強し           でんでん琴女 まじ吹くや祖父の船なきもやい石           井上れんげ まじ止みて千代丸の帆の皺に潮           木ぼこやしき 山羊潰し終へたる島の昼をまじ           アロイジオ 夜をまじコインシャワー

          漢字シリーズ『西』

          R6.5.24 大西日誰のものでもない教室           幸の実 青春や西日が折れる音がした           めろめろ 友愛やねじれの位置に射す西日           えむさい こめかみに西日配達先は留守           しるこう へばりつくガムの如くに大西日           大黒とむとむ 迫害と西日うつくし喫煙所           もりさわ ラーメンへ西日五グラム加えけり           樹海ソース 咳込みしはらあめんのせい大西日         

          漢字シリーズ『西』

          『夏の鴨』

          『夏の鴨』 R6.5.10 樹々の気に膨らむ川や夏の鴨           樫の木 葦原を大きな風よ夏の鴨           富山の露玉 川と川混ざらぬ水や夏の鴨           さおきち 樋門へと水吸はれゆく夏の鴨           吉野川 橋脚の完成間近夏の鴨           たかみたかみ 橋桁の格子の影や鴨涼し           穂積天玲 大橋の日がな点滅夏の鴨           あいむ李景 金なくて憩ふは夏の鴨の川           みかどなな クビ

          『夏の鴨』

          『アスパラガス』

          R6.4.26 土を嗅ぎアスパラガスはひかり嗅ぐ           城内幸江 アスパラガスみづ溌溂と爆ぜにけり           長谷川水素 みづの選びしアスパラガスといふ形           穂積天玲 紫の鉤爪がちりアスパラガス           津島野イリス 人間に尾骨アスパラガスに筋           眩む凡 白日へ白アスパラガス 痛い           島田雪灯 鬱屈な太陽おらんだきじかくし           ぞんぬ 雨の糸枝垂るるオランダ雉隠し    

          『アスパラガス』

          『啄木忌』

          R6.4.12 鉛筆の削れぬ丈や啄木忌           もも 小指側芯に汚れて啄木忌           富山の露玉 ペン胼胝の熱のゆゆしき啄木忌           巴里乃嬬 砂時計の中に砂山啄木忌           野地垂木 砂は城つくらず豊か啄木忌           七瀬ゆきこ 砂色の余白のありし啄木忌           でんでん琴女 借りたまま遺品となりぬ啄木忌           北欧小町 砂握る手と花買ふ手啄木忌           西鯖男 ぐしゃぐしゃ

          『啄木忌』

          カタカナシリーズ『ラ』

          R6.3.29 ラジオ局告ぐる花見の混雑度           三休 朝粥にラー油数滴花曇り           国代鶏侍 たらたらと夕焼ちやうだいしてラー油           黒子 ラーメンと時給同額春遅し           木ぼこやしき 春闘勝利ラーメンに何乗せやう           文六 麦湯一飲みデモクラシーをいざ説かむ           吉行直人 炎天に咽ぶラッキーストライク           ペトロア 迎火へ焚べるラークのつよいやつ           

          カタカナシリーズ『ラ』

          『苗床』

          『苗床』 R6.3.15 苗床に篩さらさら土注ぐ           どいつ薔芭 苗床に素直な土を入れにけり           那須のお漬物 苗床のよろこび触るる指の腹           郡山の白圭 湯気のぼる苗床あまき土にほふ           はぐれ杤餅 苗床の土は甘いと父の言ふ           紗羅ささら 苗床へ汲み置きの水甘からん           松田てぃ 苗床へ甘味のやうな水をやる           岩のじ 清潔な苗床水を甘やかす          

          『獣交む』

          『獣交む』 R6.3.1 獣交む微かに唸る電気柵           山田はち 獣交む種芋五キロ注文す           花豆 獣交みてタクシーは来なくて           北村崇雄 獣交むなんてまあるい雲だらう           門前の一草 雲の凹凸や獣の交みけり           音羽凛 獣交む墓仕舞ふ日の日の匂ひ           南亭骨太 獣交む太陽も死ぬんだって           三隅涙 朱を帯し生ぬるき月獣交む           田村こあら 獣交む咬

          『獣交む』

          『早春』

          『早春』 R6.2.16 さりさりと風早春の耳洗ふ           常幸龍BCAD 早春や砂は白濁に膨らみて           雪代雨子 早春の優しき層となる砂礫           穂積天玲 板チョコのぱきつと尖つてゐる早春           黒子 早春や彫刻刀のよな朝日           染井つぐみ パレットに絵具の丘や春淡し           眩む凡 ささやくやうね早春の水彩画           幸田柝の音 早春は色鉛筆の白の香よ           宮井