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風もなく、よく晴れて暖かかったので、ベランダに布団を干していた。 すると、硬貨ほどの…
川向こうには工場がある。昼間は眠ったように静かだが、深夜を過ぎると、まるで人が呼吸でも…
南極とはいえ、おもちゃ工場の中は暑いくらいだ。せっせと袋詰めに精を出していれば、なおさ…
洗い物を終わらせて戻ってくると、スマホに着信があった。桑田孝夫からのメールだ。 「また…
東京発、沖縄行きの汽車に乗っている。 向かい合わせで座っているおばあさんに尋ねた。 「…
暮れも押し詰まり、ばたばた忙しくなる前に忘年会をしよう、という話が出た。 「いまからだ…
近頃姿を見せない木田仁だったが、聞いた話では、アニメにどっぷりはまっているという。 凝り性だから、きっと寝食忘れて、テレビにかじりついていること間違いない。目を悪くしなければいいが、とわたしは心配した。 その本人から、電話が来る。 「やあ、むぅにぃ。おいらさ、いま、アニメに夢中でさ」元気そうな声だった。やけに、メリハリのある話し方をする。アニメのキャラ、そっくりの口調だ。 「そうらしいね。どんなアニメ観てるの?」わたしは聞いた。 「そりゃあ、いろいろさ。ロボットものだろ
よく行くそば屋で、かけそばを食べた。 会計の際、店のおばさんがすまなそうに言う。 「か…
外から戻ってきて、手袋が片っぽないことに気づいた。暖かくなったので、オーバーのポケット…
よく晴れた暖かい午後、志茂田ともると中央公園を散歩している。 「陽が出てると暖かいね」…
夕べは、借りてきたDVDを観ているうちに、そのままコタツで眠ってしまったようだ。目を醒ま…
アオンモールのサンマクルカフェで、グリルチキンパン・セットを食べていると、いきなり爆発…
都心に建つ、ごくありふれたオフィス・ビル。その地下深くには、知る人ぞ知る、秘湯があった…
冷えると思ったら、窓の外は一面の雪景色。 「夜のうちに降ったんだっ」寝間着の上からオーバーをはおって外に出てみる。玄関のそばにまで雪が積もっていた。「うわっ、冷たい!」 どこもかしこも、砂糖をまぶしたように真っ白。塀の上の雪山を目測すると、10センチは降ったようだ。 誰かがわたしのオーバーの裾を引っ張る。見下ろすと、ダッフル・コートを着た小さな男の子が立っていた。年少さんくらいだろうか、ボタンのように真っ黒い、つぶらな瞳でわたしを見上げている。 わたしはしゃがみ込んで