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ダレカB

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君の知らない僕-ベル/BUMP OF CHICKEN(B)

君の知らない僕-ベル/BUMP OF CHICKEN(B)

 アコースティックギターを基調とした穏やかなテンポでゆったりと進んでいくメロディーに、疲れきった1日の終わりをゆるゆると歌う優しい曲だ。
 歌詞には色々話したくてもぐるぐる考えてしまい結局言葉を飲み込む……そんな鬱々とした状態の「僕」と、そんなことなど知りもしないで「元気?」と電話で聞いてくる「君」が登場する。
 多くを話さなくても、たった一言で心が救われる事がある。
 どんなに自分がダメダメでど

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旅立ちの唄-ダイヤモンド/BUMP OF CHICKEN(B)

旅立ちの唄-ダイヤモンド/BUMP OF CHICKEN(B)

 BUMP OF CHICKENのメジャーデビュー曲。
 2000年に発売され、デビュー当時ならではの荒削りな演奏とボーカル藤原の少し荒い歌声がこれ以上なく歌詞と曲にガッチリと合っており、2022年になった現在も聴く度に色褪せぬ感動を与えてくれる。

 傷だらけになって進んで来た道を立ち止まり振り返って引き返す。
 一般的にネガティブな行動とも取れる「後ろを向く」事が、置いてきた自分と向き合うため

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タイムカプセル-Ending/BUMP OF CHICKEN(B)

タイムカプセル-Ending/BUMP OF CHICKEN(B)

『THE LIVING DEAD』の終わりを告げる曲。

 相手が物語を読み終えた事を見届けたラフ・メイカーは、何かを言いかけたが思い止まり次の場所へと向かう……。

「Opening」と同じく1分と少しの短く特殊な楽曲だが、のちに2曲を合わせた1曲「プレゼント」がシングル・カップリング集『present from you』に収録される事になる。
 いや、そもそもひと繋ぎの曲であったこの楽曲を『T

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理想と現実-グロリアスレボリューション/BUMP OF CHICKEN(B)

理想と現実-グロリアスレボリューション/BUMP OF CHICKEN(B)

若さ溢れる歌い方と聴き手の背中をグイグイと押す様なパンクサウンドが特徴的な楽曲。
 言葉とサウンドで「大丈夫だ」「大した事ない」と、少々強引にとにかく前へ進めとと押してくる。

 誰もが持つであろう「自信の無さ」を「自前の手錠」と揶揄しながら「自分で外せるのに、まだ着けてるのか、そんなもの早く捨ててしまえ」と前に進めぬ人の背中を押す。

 しかし現実に目を向けると「行け行GO!GO!」と威勢良く唄

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認めない-Ever lasting lie/BUMP OF CHICKEN(B)

認めない-Ever lasting lie/BUMP OF CHICKEN(B)

 BUMP OF CHICKEN史上最長の8分を超えるこの楽曲では、どうにもならない運命に抗いただただお互いを信じ続けた男女二人の物語を唄っている。
 しかし、この恋人達を繋ぐものは「嘘」という「信頼」とは正反対の言葉だ。
 お互いが信じ続ける事で「嘘」は「真実」であり続ける。

 BUMP OF CHICKENの楽曲には、この「自分が認めさえしなければ絶望はやってこない」という「根拠なき自信」が

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転機-リリィ/BUMP OF CHICKEN(B)

転機-リリィ/BUMP OF CHICKEN(B)

「バンドマンを彼氏に持つもんじゃないね」そんな言葉を吐きたくなるほど、この歌に出てくる主人公は面倒くさい。
強がりや嘘で格好付けた自分に押し潰されそうで、そんな弱音や愚痴を聞かされるなんて誰だって嫌だろう。

でもリリィは笑う。
「かわいい」と彼の全てを肯定する。
そんな彼女の存在はどれほど彼にとって救いであり衝撃的だっただろう。

Cメロで切ない別れを感じさせるが、そこでも笑顔を見せる事でその別

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吟遊詩人-K/BUMP OF CHICKEN(B)

吟遊詩人-K/BUMP OF CHICKEN(B)

かつて「自分は童謡を書きたいのだ」とインタヴューで答えていた藤原基央だが、この曲は童謡を通り越してまるでディズニー映画を観ている様な気持ちにさせられる。

ストーリーとしてはバッドエンドなのだが、嫌忌の対象である黒猫に「聖なる夜」と名付け、彼の絵のみを描き続ける絵描きの純粋さと、その親友の絵描きのために命を賭して彼の恋人へ手紙を届ける黒猫「ホーリーナイト」の姿に種を超えた熱い友情を感じ胸が熱くなる

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希望の唄-続・くだらない唄/BUMP OF CHICKEN(B)

希望の唄-続・くだらない唄/BUMP OF CHICKEN(B)

『FLAME VEIN』に収録された「くだらない唄」の続編となる曲。
 久しぶりに故郷に戻り思い出の場所に立つと、あの頃から自分だけが変わってしまったかの様に感じる。そこで大人になってしまった事で落として来たものの重さに呆然とし、自死すら頭を過ぎるほど絶望してしまう……
 曲の後半で、そんなショッキングでセンシティブな内容の歌詞が出てくるので、ザワザワしてしまう人も多いのではないだろうか。

 け

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週刊少年〇〇-グングニル/BUMP OF CHICKEN(B)

週刊少年〇〇-グングニル/BUMP OF CHICKEN(B)

 イントロからアウトロまで一気に駆け抜ける、ガツガツした疾走感溢れるナンバー。

 歌詞には少年漫画の主人公ばりのアツい行動力を持つ”彼”が登場し、周りに馬鹿にされつつも己の信念を貫く様を見せつける。初めはせせら笑いや嫉妬を浴びていた”彼”が、最終的には周りを味方に付けるどころか周りも”彼”の様に各々が立ち上がろうとするかの様な描写があり、まさに王道少年漫画的ストーリーを感じさせる。

 タイトル

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テーマソング-バトルクライ/BUMP OF CHICKEN(B)

テーマソング-バトルクライ/BUMP OF CHICKEN(B)

「自分に対してウソをつく。」

 本来であればあまり誉められた言葉ではないけれど、この場合のウソは自分を鼓舞するための必要なウソだ。「もう頑張れない」と心の片隅で思っていても「まだ頑張れる」と口に出し続ければ、人間の脳は簡単に騙されて不思議と頑張れる気になってくる。そんな風に騙し騙しきた。

 この曲を初めて聴いた時、まさに自分の唄だと思った。
 なぜなら、今までの人生を私はこれで乗り越えてきたか

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独り–ランプ/BUMP OF CHICKEN(B)

独り–ランプ/BUMP OF CHICKEN(B)

 彼らの歌を聴く度に「自分は独りである」と思わされる。

 周りに誰もいない完全なる「孤独」とは少し違う「独り」。

 この楽曲ではランプを自分自身の心の比喩として登場させている。夢と希望をパンパンに膨らませて歩いてきたつもりが、ふとした拍子に気がつくとポロポロとこぼれ落ちてしまっている事に気がついて絶望する。

 そんな真っ暗な状況で、もう一度立ち上がるのかどうかを決める時、周りの声ではなく自分

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「勇気の出る唄」–ナイフ/BUMP OF CHICKEN(B)

「勇気の出る唄」–ナイフ/BUMP OF CHICKEN(B)

 主人公の「僕」(若者と推測される)と「ナイフ」双方が共に鋭く危ういという共通のイメージを持つ。そんなこの曲のタイトルである「ナイフ」の表記が片仮名の「ナイフ」とアルファベットの「KNIFE」と二種類の使い分けがされいているのがとても興味深い。
 「ナイフ」と「KNIFE」の違いはなんなのか?わざわざ分けて書くからには意味があるのだと思うが……ちなみに筆者は「ナイフ」が成長したものが「KNIFE」

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期待と存在価値–ノーヒットノーラン/BUMP OF CHICKEN(B)

期待と存在価値–ノーヒットノーラン/BUMP OF CHICKEN(B)

 ゆるめのメロディと大人しい歌い出しで始まるため、ここ一番の勝負の大舞台に立たされ汗ばむ様な緊張感が漂う描写の歌詞とは対照的なのが印象的だ。
 野球のワンシーンに例えられてはいるが、好きな事(つまりバンド)を自分のペースでやってきたつもりが周囲の期待が膨らみすぎて戸惑っている藤原基央自身の心の声にも聴こえる。そう考えると、期待に応えることが自分の存在価値だと思っているなかなかにシンドい状況だ。
 

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ヒーロー-リトルブレイバー/BUMP OF CHICKEN(B)

ヒーロー-リトルブレイバー/BUMP OF CHICKEN(B)

人は皆大小少なからず自分にとって守りたい存在を持っている。

家族やパートナーや友人などの大切な人達だったり、人ではなく自分自身の夢やプライドかもしれない。

そんな大事な存在が何ものかに脅かされようとする時、守りぬくために勇気を振り絞り立ち向かう。まさにヒーローになる時だ。

「守るためなら何でも出来る」そんな事も言えてしまうほどに守りたい存在。自分を"無敵状態"にしてくれる存在があるからこ

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