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王道バトル漫画で育った大人たちにこそ読んでほしい。『怪獣8号』ブックレビュー

こんにちは、はんぺんです。久々のブックレビューです。今回は先日「次に来るマンガ大賞」にもノミネートされ、今や社会現象にもなっている『怪獣8号』です。松本直也先生著。現在「少年ジャンプ+」で連載中。既刊3巻です。

かなりの話題作なので読まれている方もたくさんいるかと思います。作品説明やあらすじは最小限に今回もネタバレや作中画像は無しで作品の魅力を語っていきたいと思います。

まだ読まれてない方


ぜひこちらからどうぞ。アプリ版「ジャンプ+」なら最初の一回は無料で読むことができます。ぜひ、読まれた後に記事も読んでくださると嬉しいです。

以下は1巻あらすじです。

怪獣発生率が世界屈指の日本。この国は、容赦なく日常を怪獣が侵していた。かつて防衛隊員を目指していたが、今は怪獣専門清掃業で働く日比野カフカ。ある日カフカは、謎の生物によって身体が怪獣化、怪獣討伐を担う日本防衛隊からコードネーム「怪獣8号」と呼ばれる存在になる。
一巻あらすじより引用。


詰め込まれた王道からなる新しい王道バトル!

この漫画は「少年ジャンプ」で育ってきた大人ならニヤリとしてしまうような王道展開がたくさん織り込まれています。「主人公の異形化」「スーツによる肉体強化からのバトル」「夢をあきらめない熱い主人公」「チームの連帯感」子供の頃にアニメやコミックを追うのが止まらなくなったアツさがそこにはあります。

…しかしこの作品はただ王道の要素を重ねただけでは決してありません。

面白いポイント!


①夢をあきらめない“大人”の姿。
これが1番です。主人公の年齢は32歳。若い人たちから“おじさん”なんて言われてしまう世代です。肉体の差を感じながら、若い隊員としのぎを削ったり社会経験の差でカバーしながら夢を追う姿にはグッと来るものがあります。何より一度諦めた子供の頃からの夢に今一度再起する姿。とても熱いです。どうしても怪獣になって戦う部分が注目されがちですが大人が頑張る姿、見ていてとても素敵です。


②予定調和とドキドキ
今までたくさん漫画を読まれた方ならなんとなく展開がよめる話の筋だとは思います。しかし、もしその形にならなかったらというドキドキの魅せ方がとてもうまい作品です。あえて予定調和のあるシーンを差し込むことで逆に白熱させたり先が気になる形にしてるところが熱いです。


③練られた設定と伏線。
バトルの仕組みや世界観、怪獣たちの戦い方などへの伏線の貼り方などが王道漫画のそれらの要素をありきたりに感じさせない程によく作り込まれています。この先でこれはどういう風になるのか、と考えながら読むことができるところがバトルにさらに深みを増している印象です。


④底無しの明るさ
こういった話はシリアスパートとそうでない部分の明暗が目立つ作品ですがこの作品は常に熱く明るいです。誰かを思うまっすぐな気持ちやそれぞれの夢への熱い姿、周囲との掛け合いの中の笑い。どれもがバランスよくとても明るい雰囲気を出しています。内容的にダークな部分も、ただ憎しみや怒りのみでなく背景をしっかり描いているところが良いです。

まだ3巻…!

上記のように良いところを挙げれば盛り沢山なこの作品、しかしまだ3巻までしか出ていません。ここからどうなるのか、まだまだ始まったばかり。しかも「ジャンプ+」アプリ版では上記にもあるように最初の一回は全て無料!読むなら今です。


終わりに

今回は『怪獣8号』のレビューをしました。まさにこれからのジャンプを背負う作品だと思います。私も今後の展開がとても楽しみです。ちなみに松本直也先生といえば同漫画アプリで『ポチクロ』という作品も連載されていました。こちらも雰囲気はかなり違いますが面白い作品なのでぜひ読んでみてください。

今回も読んでくださりありがとうございました。
はんぺん

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