読書感想文#1 「かがみの孤城」
他の方の感想をちょこちょこ覗いていると、あらすじからしっかり書かれていたのですが、私はめんどくさがり屋なので堂々とあらすじを省きます!(だから成長しないのか…?)
また、ネタバレを全然気にせずに書きますのでご了承下さい。
念のためもう一度。
それはもうなんの躊躇も配慮もなく話の内容入りますので、まだ未読の方はUターンでお願いします。
それでは感想をつらつらと……
最初の印象として、主人公のこころちゃん、孤城でみんなに出会う前のこころちゃんは、私によく似ていました。
正直今の私も似ています。
性格だけでなく、学生の頃の境遇も完全にではないですが似ていたので、すごく彼女の気持ちがわかりました。
わけもなくお腹が痛くなる気持ち。
私もお腹が痛いと言って学校に行かなかった時期があります。
そして両親に話せない、言葉を押し込めてしまう気持ち。
どうしてこんなにも辻村深月先生は、気持ちをわかってくれるのでしょう?
痛々しい感情まで、嘘がなく突きつけてくる。
そんなこころちゃんの物語が始まって、どうなっていくのだろうとページをめくる手が止まらずに読み進め、あっという間にラストまで読んでいました。
訂正:読むの遅いのであっという間ではなかったです。
いや〜〜、すごい。すごいな…!
というのが率直な感想。
それがしばらく私の頭の中で続きました。
パラレルワールドか、と思いきや、みんなの生きている時間が違っていた!
ちなみに私はスバルのウォークマン、カセットあたりで、あ、これはそういうことなんだろうな……と理解しました。(ほとんどラスト)
あんまり展開を予想しながら読まないので、という言い訳をしてもいいでしょうか?笑
結局私って、何に対しても気づくの遅めなんだな……
ただひとつだけ突っ込ませてほしいことが。
よくぞ1年間もの間、気づかなかったな君たち…!と。笑
だってさすがにジェネレーションギャップ生じない?
ゲーム以前に、昭和の服装はさすがにわかりそうだよ…?と、なぜか服装を一番に考えてしまいましたが、流行は回ると言うしな……
みんな違和感のない服を毎日着ていたんでしょうかね!
自分の年齢に一番近かったのはこころちゃんとリオン君なので、わぁ、今同じくらいの歳なのか〜…と思ったらなんだかほっこりしちゃいました!
かがみの孤城は、主にこころちゃんの話として物語が進んでいくけれど、個人的にアキちゃん、そしてリオン君、オオカミさまの物語でもあるなと感じました。
これを言えば、他の登場人物にとってもそれぞれの物語だ!と指摘されること間違いなしですが。
喜多嶋先生は不登校のこころ、マサムネ、フウカ、ウレシノを救っていく。
けれど彼女は孤城にいたアキであり、オオカミに食べられた彼女のことをみんなで救ったことで、喜多嶋先生になれたのだという繋がり。
(この繋がりもとても綺麗で大変感服致しました)
これはもう主人公と言っても過言ではないです。
そしてかがみの孤城自体がリオンのためにオオカミさまである姉のミオが作ったという世界ならば、これはリオンの物語じゃないかと思うこともできるのです。
オオカミさまの「善処する」には、こちらも「あぁっ」と、やられてしまいました。
ありがとう!ありがとうオオカミさま!
オオカミさまだいすきっ!
リオン君の記憶を消さなかったおかげで、こころちゃんの夢見た奇跡が叶うわけです。
まさかリオン君がやってきて、伏線を回収していくとは……やられた、やられてしまった〜〜っ!
この展開猛烈に好きすぎて吐血しました(盛りました)
こころちゃんはリオン君と現実世界で出会ったその後、どうなったでしょう?
そんなことを想像して、こちらも幸せになれる物語って本当にすごいですね。
読み進めていくうちに、ぐっと胸に刺さった言葉があります。
喜多嶋先生の言葉です。
これを真正面から言ってくれる大人がそばにいたなら、そして、他にも居場所を作れることを教えてくれる大人がいたなら、昔の私はどれだけ救われただろう、と思ってしまいました。
今理不尽な目にあって苦しんでる人がいるとして、この本を読むのは苦しく耐え難いかもしれません。
過去に同じような経験があって思い出したくない人も。
この本を読んでしまえば、嫌でも、嫌だと思う自分と向き合わなければいけなくなるから。
ただ、私が過去の自分が言ってほしかった言葉を本を通して言ってもらえたように、今の闘い続ける子たちのそばに、この言葉を言ってくれる、居場所を見つけてくれる大人がそばにいますように。
そう願わずにはいられません。
最後に。
この作品を読み終わっての全体的な感想は……
今出会うべくして出会った作品だった、ということです。
あぁ、こういうことだな、と思ったのです。
何がかというと、この本で救われた人。
そしてこれから救われる人が、きっとこの世界に大勢いるということ。
私もその中のひとりに入るわけなのですが、本で、物語で、言葉で、人の心を軽くすることができると身を持って証明してもらえたような。
実際に鏡が光って孤城に行ける、なんてことは起きないとしても。
本という物語を通して、誰かの心に光を与えられる。
そのことが何よりも私の一番の収穫かもしれません。
なぜなら、私の夢が、人の心を救うような……。
いえ。救う、なんてそんな大それたことはできなくていいです。
ただ、誰かの心に寄り添える物語を紡ぎたい、それが私の夢だからです。
今日綴ったこの夢が、かがみの孤城のように見事に伏線回収されますように……
みんなと出会えて、本当によかった。
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