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【旅日記】絶景と評判の別府ロープウェイで鶴見岳へ

前回のあらすじ:別府地獄めぐり楽しかった!

旅の最終日の朝は、天気予報とにらめっこしていた。

別府湾を望む絶景が見られるという別府ロープウェイに乗りたいのに、窓の外は曇っているのである。結局、わずかな晴れ予報に賭けて予定通り行くことにした。

地獄めぐり最寄りの「鉄輪」のバス停から、別府〜湯布院間を結ぶ観光路線バス「ゆふりん」に乗り込む。別府ロープウェイまでは約20分ほどで到着。

「ニャータ駅長」がお出迎え

切符売り場の人に「本日霧のため視界不良ですがよろしいですか?」という意味のことを聞かれる。「はい!」と答えたが、内心「大丈夫です、晴らしますから」と思っていた。天は味方してくれるはず、と謎の自信があったのだ。

行ってきま〜す!

中は今まで乗ったどのロープウェイよりも広い。九州最大級101人乗りらしい。添乗員の人がマイクで案内を喋ってくれる。曇っていることもあり、お客さんは少ない。しかもほとんどが外国の方だ。

え…………高くね……………………?

動き出した瞬間、我々は別府ロープウェイを舐めていたことを実感した。…高い。高すぎるのだ、あまりにも。

出発後すぐに開ける視界。目の前には雄大な山々の他に遮蔽物が何も無い。窓から下を見て、ぞくり、とする。高所恐怖症と言うほどでは無いが、普通にビビる高さである。

でも、美しい……

怖いけれど、それ以上に山々と海の美しさに目を奪われる。こんなに高い場所を行く見晴らしのいいロープウェイがあるなんて!

中間地点ですれ違う

降りてきたロープウェイとすれ違ったということは、ここが中間地点だということだ。こんなに高いのに、まだ半分なのか!?とびっくりする。

そして、予想していたことだが、視界が雲で遮られるようになり、鶴見岳山上に到着した時には真っ白になってしまった。晴れていたらさぞ絶景だったろう、と肩を落としてもよかったのだが、ロープウェイからの景色だけでも十分に魅力的で……来てよかった、と思った。

ここから山頂へ向かう

駅から出ると、そこは神秘的な世界だった。
少し先は霧に包まれ、遠景は霞んでいて見えない。暑かった地上とは別世界のようにひんやりとした空気に包まれる。寒いくらいだ。ここから遊歩道を歩いて展望台や山頂へ向かう。

まるで物語の中みたいだ

あんなに天気予報とにらめっこして晴れを望んでいたというのに、今はこの幻想的な世界に来れたことを感謝していた。

しばらく歩くと、展望台があるというので、神秘的な風景の写真撮影に夢中な家族を置いて、走って向かってみた(身体を温めたくて……)。金属製の階段を登った先に展望台はあった。別府湾方面を見渡せるらしいが、ものすごい風が吹いていて寒く、視界は完全に真っ白だ。

わたしは念じた。(晴れろ、晴れろ、晴れろ……!)
すると。

風に乗って雲が流れていく
あ!晴れてきた!
あまりの美しさに息を飲む

ほんの十数秒くらいだった。視界を遮っていた雲が流れ、別府湾をのぞむ広大な眺めが目の前に突然現れたのだ。柵から身を乗り出す勢いで、食い入るように目に焼き付けた。遠くには本州が見える。風は吹き続け、刻一刻と見えている景色は変わる。鳥になったみたいだ。

そしてまた視界は白に包まれた。身体は冷えきっていたけれど、自分の中で何かが切り替わったような感覚がしていた。たとえそれが錯覚だとしても、こんな気分になれるから旅行って好きだ。

山頂目指してまた歩く

わたしの訪れた5月半ばは、ちょうどミヤマキリシマという高原に咲くツツジが咲き始めていた。記事を公開した5月下旬現在はちょうど見頃だと思う。

目が覚めるようなピンクだ

山頂まではそれほどかからない。360度霧に包まれた標識と一緒に記念撮影をする。数年前に行った長野県の車山高原でもこんな感じで真っ白だった。たまには絶景の広がる山頂も見てみたいものだ……。

標高1375m!

マウンテンパーカーだけでは防ぎきれない寒さが、朝から温泉に入ってポカポカだったはずのわたしの身体をここで蝕み始めた。寒い。一刻も早く下山したい。

早く早くと急かすのだが、家族は「どこにスマホを向けても良い感じに撮れる!最高!」と夢中で撮りまくるので全然進まない。た、たすけえくれぇ〜

七福神めぐりもできる

帰りにもう一度さっきと同じ展望台に寄ってみる。すると、やはり最初は曇っているのだが、また晴れ間が現れ、今度はよりはっきりと景色が見えた。寒くて震えているのに、いつまでも見ていたいと思った。

こんなの神様の視界だ

震えながらロープウェイの駅に戻る。小さな土産物売り場の横に、いくつか椅子があって休むことが出来る。自販機でホットのカフェオレを買い、手を温めつつ一口飲んで生き返った。ああ、幸せ……。

微糖が好き

ぬくぬくしているわたしを置いて家族は「もう一度見てくる!」と展望台に戻ってしまった。しばらく待っていると、外が急に明るくなり、青空が見え始めた。きっと午後に来る人は、暖かい光の下でゆっくり絶景を見られるのだろう。それでも真っ白な視界がにわかに開けていくあの光景を見れてよかったなと思う。

山側の景色も美しい

名残惜しいが帰りのソニックの時間は決まっている。また絶対に来よう、と心に決めて下山した。来てよかったよね、いい所だったね、と言い合いながら。

猫きた!!
かわいい〜♡

行きにも会った「ニャータ駅長」が来てくれる。

さっきまであの上にいたんだな…

山頂のほうをみると、もうすっかり雲が晴れているようだ。下山した途端に晴れ出すので、タイミングが悪かったのだと思うのだが、けっこう満足していた。

別府ロープウェイ、めちゃくちゃおすすめしたいスポットになった。注意点としてはバスの本数が少ないことだろうか。できれば車で来た方がいいかもしれない。

次回はこの旅の最終回。ソニックまでのわずかな時間でお土産を買い、別府駅前を観光します!


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