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『短編小説』変な化け物

僕は変だとよく言われる。
人は口を揃えて、化け物、化け物と言う。
そこまで言われると僕は嬉しくなってきてしまい、名前を変えた。

変哲烏丸。

言われ始めたのはひょんなことだった。
僕は所謂、笑い上戸で、特に人の失敗したところを見ると、ニヤリとする。
失敗した当人は、僕にムカリ。

またある日、ニヤリとした思い出を振り返り、誰もいない部屋で、独りでニヤリ。

またある日、いつも通り、ニヤニヤしている場面「お前は化け物か」と言われ、ニヤリ。

そんなこんなを繰り返しているうちに、私の名前はまた変わった。

「変化」とね。

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