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coldmountainstudy~ピックアップ2023.3.

今月は他の出費もあり、文庫・新書中心に買い控える予定でしたが・・・旅先での出逢いなどもあり結局いろいろと。

旅先。ああ旅先での出逢い。

こればかりはやめられないでしょうね。反省しません。

ということで早速。

牛、馬、猪、鹿、鴨、鳩、鯨、羊、すっぽん、内臓……
「人はなぜ肉を食べるのか」
問いを掲げた平松さんは、日本全国十か所をめぐり、十種の「肉」と
人とのかかわりを徹底取材。ひとつの文化として肉をめぐる諸相をとらえ、
動物とその肉について、見て、聞いて、食べて、深くその根源を考えた
前代未聞のルポルタージュ。

胸骨の端にそっと指を入れて横隔膜といっしょに引き上げると、紫色に光る
かたまりがぽろんと現れた。 (中略)ぷりっぷりのレバーの一片をそっと口の
なかに入れた。(本文 4章「鳩」より)

「生きもの」が「食べもの」になるまでの間には実に様々な工夫や技術が介在し、「うまい肉はつくられる」ことがわかる。

信念を貫き、魅力的な多くの日本人の「仕事」の歴史にも光を当てたエキサイティングな傑作ノンフィクション。

解説 角幡唯介

個人的に肉が好き・・・というだけなんですけど、日本で食肉を書くって本当に難しいんですよ。
店頭に並べていても圧倒的人気の平松作品、どのように書くか?


マスク、ネット、スマホ、仕事、友人、家族……との決別から見えたものは!?
バカばかりがあふれる老衰国・日本のいろいろよサラバ。
人生にも仕事にも効くポストコロナ時代の「捨てる技術」開陳。

広告代理店、ニュースサイト編集者、ベストセラーの著者として常に時代の先端を走ってきた著者が、突如セミリタイアして、東京から地方に移住。その行動はネット、スマホ、仕事、友人、家族との決別であり、バカばかりがあふれる老衰国・日本を捨て、去り、切るという意味をもつ。
本書では、そこから見えてきた、新しい日常、ビジネス、人間関係のセンスを伝授。著者の半自伝にして、日本論、そして人生にも仕事にも効くポストコロナ時代の「捨てる技術」を開陳。


目次より
第1章 世界から離されてしまった悲しき老衰国・日本
第2章 マスクとの決別
第3章 ケチになり過ぎた惨めな日本人、コスパ・無料信仰との決別が必要
第4章 日本のバカ空気と競争との決別
第5章 人が1人いることにより人生が変わるということ
第6章 様々な決別 人間との決別 または、日本が終わった3日間

あ、写真に写っていなかった。

これは読了済みなのですが、ちょっとカンが外れてしまいました。ボクが必要とする本ではなかったです。ということですでにストア在庫に入っています。

続いて2冊続けて水野一晴さん。

世界の人々の生活文化を解き明かす、身近なところから始める地理学入門。

バナナはなぜ安いのか、村はどのようにできるのか、民族は何を基準に区分されるのか……農作物と農業、人種、民族、言語、宗教、村落と都市、人口、環境問題といった、世界の人々の営みについて豊富な写真や図版とともに解説。著者自身が世界各国で体験したエピソードをふんだんに盛り込み、人間の暮らしが地理的環境とどう結びついているのかを具体的に紹介する。さまざまな環境で生きる人々の姿が鮮やかに見えだす、やさしい地理学入門。

キリマンジャロ登山、ペルーの悪徳警官、ドイツ留学生活、ケニア山氷河の後退、天国の島ザンジバル……地理学も学べる冒険調査旅行記。解説 都留泰作
キリマンジャロ登山、ペルーの悪徳警官、天国の島ザンジバル、
ケニア山氷河の後退、エチオピア一宿一飯の恩、ドイツ留学生活…
調査旅行は冒険に満ちている!

地理学も楽しく学べる旅エッセイ

1人っきりのキリマンジャロ最高峰、ペルー悪徳警官の罠、エチオピアの極寒の山で出会った人の温かさ、ドイツ留学生活……地理学者である著者が、アフリカ、南米、ヨーロッパなど世界各地の自然・文化を解説し、さまざまなトラブルや人々との印象的な出会いを綴る悪戦苦闘の調査旅行記。紀行文の新地平を密かに開いた『ひとりぼっちの海外調査』を改題、増補改訂。

解説 都留泰作

過去作がよかった、上にある旅を絡めた新刊が出るというのでまとめて地理学も。


しょうゆ、みそ、酒など、日本の伝統調味料づくりに欠かせない巨大な木おけ。日本固有のこの巨大おけを、つくれる職人がいなくなる! 「しょうゆ屋が、おけつくったら、おもろいやん!」――立ち上がったのは小豆島のしょうゆ蔵。最後の職人に弟子入りし、次々に降りかかる困難を乗り越えて、おけづくりの輪を全国に広げた奇跡の奮闘記。

これは小倉ヒラクさんの著作からインスパイアされて、ですね。日本の発酵食品は本当にスバラシイ。
ウヰスキー好きとしても桶・樽は外せないですね。

「もしも」を使った選りすぐりの名詩をエッセイで味わいながら……古今東西の詩人たちに学ぶ「思考の離れワザ」
【内容】
「もしも」が果たす役割は大きい。
「もしも」をバネにして、イマジネーションは動き出す。
時代の流れをがらりと変えるのも、先見の明を持った「もしも」だ。
日常生活においても、「もしも」が、思考停止状態から解き放つカギになる。

もちろん、詩作りにおいても、「もしも」は絶対に欠かせない。
アメリカの詩人たちは、これまでどういった力強い「if」を発明したのか?
南米の、ラテンの詩人たちは、どんな奇想天外な、もしくは色っぽい「if」の使い手なのか?
平安時代の歌人は、なんという巧妙な「もしも」を使って、「老い」から逃れようとしたのか?
どんな難問にでも耳を傾け、相談役になってくれる……
そんな「もしも」の数々を、詩人のアーサー・ビナードが、選りすぐりの名詩を味わいながら紹介。
言葉の、詩の魅力を存分に伝える、珠玉のエッセイ。

先日観た映画「君の根は」・・・To which We belong・・・のタイトル訳がビナードさんだと知って。

いったいどんな感じの世界なのかな?と。

そして佐久のいわゆる”まちの本屋さん”で出逢ってしまった偶然の名作。

その力は、どんな道路よりも、どんなテクノロジーよりも、どんな政治指導者よりも、私たちの文明を形づくってきた――。

河川がまったくなければ、世界は私たちにとって認識しがたい姿となっていただろう
……私たちの定住パターンはまったく違う形で進化し、農地や村がオアシスや海岸線にしがみつくような形になっていただろう。
戦争も違った形で進行し、国の境界線も今とは違うものとなっただろう。
今あるもっとも有名な都市はいずれも存在しなかっただろう。
今日の人類のあり方を決定づけている、世界的な人の移動や貿易も、生まれることはなかったかもしれない。
(本書より)
人類の暮らしを規定してきた河川の「見えない力」を浮き彫りにする刺激的な文明論!

偶然手にしてパラパラやって、あっという間に引きこまれ・・・という理想的な出会いを晴らした、理想的な内容の一冊。
全ての川好きにささげる、とか言いたくなるような。

久々の永久保存クラス。

残り3冊は全て先日の静岡で出逢った本達。

ひばりブックスさんで求めた1冊。旅の最中・・・というのであまり冊数は嵩まないように留意していたのですが、(青空文庫さんの辻まことコレクションは本当に欲しかった。いや、今でも欲しい。)こういう見た目に美しい本には飛びついてしまいますね。現物があると尚更。

ひばりブックスさんでは購入しなかったものの、未知の興味深い本を何冊も手に取って見ることができました。

たとえばこんな。

web検索ではちょっと出逢えなかったかも・・・な本。

残りは焼津の「みんなの図書館さんかく」関連本。

ブックフェスタしずおか 本がひととまちをつなぐ31日間 私たちは本の可能性を信じたい。
静岡の本に関わるプレイヤーが連携! 31日間で静岡県内80箇所、3万人以上が参加した本のお祭りの記録。
書籍にはブックフェスタしずおかコアイベント、ぶっ通しトークショーのアーカイブ動画の視聴QRコードもつきます。
[目次]
第1章 「ブックフェスタしずおか」のはじまり   私がつくる公の社会実験   コミュニティの居場所づくりを目指して   書店と図書館をめぐる現状

第2章 静岡県で活躍するリーダーたち 「しずおか一箱古本市」の歩き方 / しずおか一箱古本市実行委員会 伊藤清美   牧之原「いこっと」の紹介 / 牧之原市立図書館   酒屋と本と / あひる図書館・中島あきこ   磐田で生まれた「あっちこっち文庫」の密かな野望 / はじまりのオフィス 西藤正江   静岡県全域に広がる図書館サービス / 静岡県立中央図書館館長 柴雅房

第3章 ブックフェスタしずおかの広がり   ブックフェスタしずおかの概要   参加施設一覧

第4章 集まり、並べ、ブックフェスタしずおか   町に本屋がある風景〜これから〜 高久書店 高木久直   まち育てのライブラリーをつくる 京都橘大学 教授 嶋田学    各地のイベントレポート   参加者の声

第5章 10/20、本と人が大集合!   「本」と「人」の交流空間   本の磁力はなにを繋げ、なにを変えていくのか 礒井純充・吉成伸夫・平賀研也   本のある場所が社会的処方の拠点になる。ケアする図書館の可能性 直井薫子・守本陽一・平賀研也・中島あきこ   これからの公共図書館どうしますか徹底談義 岡本真・影山知明・宮本恭嗣・吉成伸夫   本に未来はありますか?消費から表現の社会の転換期 藤原隆充・熊谷サラ

第6章 「ブックフェスタしずおか」の向かう先   ブックフェスタしずおかが生み出したもの。そして、これから  

打ち上げ報告書 :何を目指すか   著者プロフィール+推薦図書

朝日新聞「天声人語」やNHK総合などでも取り上げられ、3年間で全国約50館に広がった民営図書館「みんとしょ」の発起人、そして話題の小商い建築「ARUNŌ」の設計・運営を手掛ける若手建築家による自分流コミュニティスペースづくりのガイドブック。

イメージづくりからオープン準備、運営までの困りごとにQ&Aで答えるほか、民営図書館「みんなの図書館さんかく」、地域の文化複合拠点「ARUNŌ」の完成までのストーリー、全国のコミュニテイスペース運営者の体験談、企画や予算、契約、宣伝、取材対応、事業の継続性までのハウツウなど盛りだくさんの内容です。
場づくり・運営のかなり具体的な実践手法を紹介しておりますので、地域に溶け込むような場づくりに興味を持っていらっしゃる方にぜひ手に取っていただきた1冊です。

【【山崎亮氏(studio-L代表/コミュニティデザイナー)推薦の言葉】
「民間のカフェ」に不思議はない。「行政の図書館」にも不思議はない。最近、不思議だなと思うのは「民間の図書館や公民館」が各地に登場していることだ。私的に運営される公的空間である。
「公共というのは行政だけが担う領域ではない」という言葉を耳にすることがある。そのとおりなのだろうけど、本書に登場する「私設公共」という言葉を目にすると、「なんでそんなことやってるの?」「どうやって続けるの?」「やってて辛いことはないの?」など、次から次へと疑問が湧いてくる。こうした疑問に一つずつ答えてくれるのが本書である。著者はいずれも「私設公共」の運営者だから説得力がある。
書名からして不思議である。「わたしのコミュニティスペース」という言葉がすでに不思議なのに、その「つくりかた」と銘打っているのだ。「民間の私的空間」や「行政の公的空間」だけでは何かが足りないと感じている人がいたら、本書を読んで「私設公共」の運営に挑戦してみてほしい。地域社会との新しい関係性が生まれるはずだ。

【目次】

Ⅰ 悩み相談
・なんかやってみたいなあ
01 場づくりをしたいと思っています。まずは何から始めたらよいですか? |02 手持ちの物件をどんなふうに使えますか?|03アイデアはありますが、うまくいくでしょうか…。不安です。|04家族から反対されているのが悩みです。|05自分で運営するか、それとも誰かに任せるか?

・よし! やってみよう
06どうしたら仲間が集まりますか?|07チームで運営するときに気をつけないといけないことは?|08公共性と事業性のバランスはどうやって取ればよいですか?|09用途に応じて、それぞれどんなことに気をつけなければならないですか?|10コンセプトをデザインにどう表現すればいい?

・これ、困ったなあ
11不測の事態に陥ったらどうしたらいい?|12中学・高校生に来てもらいたいと思っています。どうしたらいいですか?|13ご近所さんとの付き合いがうまくできません。地元からの理解も得られていないようです。|14仲間内だけで盛り上がっているように感じます。内輪ノリにしないためには?|15利用者や外部からの提案をどこまで実現すべきですか?|16場を開いたけど人が来ません。どんな宣伝をしたらよいですか?|17行政からの支援はどうしたら得られますか? 行政との付き合い方を教えてください。|18困ったひとが入り浸っています。どうしたらよいでしょう?|19やっている意味がわからなくなりました。疲弊してしまったようです…。|20やりたいことと求められること、どちらを優先すべきですか?

・アドバイス体験談
場所はあるけれど、忙しすぎて。どうしたらいいのか、わからなくなってしまいました。
「暮らり」をつくる@広島県三原市 橋本康太/「暮らり」主宰

知名度の高い場所か、事務所に併設するか。オープンするならどちらがいい?
「みんなの図書館 本と一筆」をつくる@鹿児島県錦江町 馬場みなみ/NPO法人たがやす

短期間で場をつくるにはどうしたらいい?
「みんなの図書館 ぶくぶく」をつくる@新潟県燕市 白鳥みのり/「みんなの図書館 ぶくぶく」館長

中学・高校生に来てもらうにはどうしたらいい?
「放課後スペースINBase」をつくる@岡山県備前市 守谷克文/備前若者ミライプロジェクト

Ⅱ プロセス
・民営図書館「みんなの図書館さんかく」をつくる
・地域の文化複合施設「ARUNŌ」をつくる

・場をつくる15ステップ
01事例収集を始めよう |02物件を探そう|03予算を準備しよう|04事業計画をつくろう|05コンセプトを考えよう|06 ターゲットを定めよう|07スケジュールを組もう|08不動産契約を結ぼう|09場のハードをつくろう|10名称を考えよう|11宣伝しよう| 12取材対応について考えよう|13イベントの企画を考えよう|14運営しよう|15事業の継続性を考えよう

こういった”本の取り組み”の例文集はいくら読んでも飽きることがないどころか、その欲は決してつきませんね。さんかく、いい場所だった。参加者さんもスゴい場所だ、といえるのは本当にスゴいですね。
ブックフェスタしずおかの方の参加者もとても豪華&身近。自分が今とてもいい環境にいるのを感じさせてくれます。

旅、街歩き。

結局リストアップしていた本達よりもそんな舞台で出逢った本たちの方がインパクトを残す。

それを再確認した3月の選書でした。

4月もボリュームはやや抑えめかな。

※リンクがamazonなのはamazonで買って欲しいということでは決してなく、単に見やすい・調べやすい・・・ということです。誤解なきよう。


http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com 

coldmountainstudy  店主:鳥越将路


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