四つ葉のクローバー

私の最初の夢舞台①-犬吉猫吉での5年間-

こちらのいきさつにより、とうとう10歳の頃から目指していた仕事ができる!と意気込んで始まった「企画・営業」の仕事は何から何まで初めてのことばかり。

でもここから、私の様々な、新たな出逢いとできごとが始まっていきます。
私は正に水を得た魚の様にこの仕事に没頭していきました。

人生で初めての「営業」の仕事

営業のえの字も知らない小娘小梅が、この編集部で唯一の営業ポジションとなりました。編集長はとても自然体の人で、「営業とはこういうものなんだよ。」みたいな話をする人でもなく、指導をされる訳でもなく、「自由にやっていいよ。」という放置プレイタイプだったので、私は自分で試行錯誤して「営業」という仕事を確立していくことになります。

私はその後の大抵の営業の現場でも、教え込まれる「営業」をやったことがありません。おそらく自分で、この仕事を経て、自分のスタイルを確立したからこそ、「自分でやっていいよ」という場所を選んでいたんだな~と今では思います。

だから私の「営業」スタイルには”型”がありません。ただ「人との繋がりを大切にすること」、そして「人生で磨き続けた人やものごとに対する勘」だけでシンプルに動き、少しずつ経験を積んでいき、成果を上げていきました。もちろんその”勘”は、成功や失敗を繰り返して獲得していく経験です。

始めは編集長のクライアントを引き継ぐ形で仕事を始めましたが、営業職は私しかいないので、新規で入ってくるクライアントの仕事は全て自分が担うことになります。

また新規の自分からの営業は、他媒体に広告を掲載している企業も営業リストには入れましたが、基本的にペット業界の括りの中で、自分が興味のある分野や足を運んでみたい場所、会いたい人にフォーカスして当たっていきました。

自分の気持ちがワクワクするその先は、悪い結果であったとしても何かしら受け取ることがあります。広告が取れなくても、その人や会社と良い関係を築くこともできました。そのスタイルは今でも変わりません。

当時まだ若かった私が相手にするクライアントは、基本的には一国一城の主であるペット関連会社の社長・ペットショップの店長・病院の院長・訓練所の所長、そして広報担当であった場合でも、ほぼ決定権のある方々ばかり。そんな人たちを相手に22歳の小娘が広告の営業、説明を行ないプロジェクトを進めていきます。

「小梅さんって何歳なの?」と時折聞かれていましたが、私は18歳ぐらいの時からよく24-5歳に間違えられていたので、「何歳ぐらいだと思います?」とお決まりの文句で聞き返し、大抵24-26歳の辺りを言われるので「大体その辺りです~。(笑)」と軽く流し、自分の経験の薄さと若さを相手に悟られないようにしていました。そうです。女で若いというだけでなめられるからです。(笑)

でも自分でも、経験の薄い人よりも、ある程度経験を積んだ人から業界のアドバイスを受けたり、広告の相談をしたりしたいですよね?だからクライアントが何を求めているのかをその都度しっかりと受け取り、それらの知識や経験を磨いていきました。

でも合わせて、人を選んで「わからないことはわからない」と素直に言い、その業界が何たるかを語ってもらったりもしました。そのことがマイナスにならずに、信頼関係に繋がることもやりながら学んでいたからです。これができるのは新入りや若い人の特権なので、恥ずかしがらずにどんどんやった方が良いと思います。

人は「あなたの話を聞いたり、アドバイスがほしい。」と言われていやな気がする人はそれ程いません。もちろんTPOやその人のために自分が何ができるかもしっかり考えて動きましょう。その時返せなくても、いつか必ずその人に返すという心持ちはとても大切です。自分に知識や経験がない時は、学びたいことがある人にどんどん会いに行き、教えてもらえば良いのです。

でも相手が私をプロだと思って接してきている場合は、自分のあらん限りの知識と経験を駆使してしっかりと教えたり、不安や自信のなさを見せないようにプロの立場で仕事をするようにします。

そうすることで自分の伸ばすべき知識や経験を知り、信頼したクライアントから情報をもらってそれを自分の糧とするのです。もちろん、嘘を教えてはいけないので、わからない部分は持ち帰って調べて伝えたりします。

そうやって私は夢中でペット業界を中心にたくさんの人に会い、話を聞いて経験を積んでいきました。

「犬吉猫吉」での仕事内容

編集部はスタッフが多い訳ではなかったので、私の役割は結構多く、「企画・営業」を軸に、広告に関わるお店や病院、施設を「取材」、撮れるようになってからは広告や記事に使われる小さいサイズの写真の「撮影」もこなし、その内容をまとめてライターに渡します。

取材も最初は編集のリーダーの方と一緒に回り、ライターがどのようなポイントの情報を必要としているのか、読者が知りたい情報は何なのか、写真はどうやって撮れば良いのか等を学びながら自分に落とし込んでいきます。

それらのポイントを受け取り、まとめて人に伝える作業は、その後の様々な場面でも活かせる自分のスキルになりました。

長い文章は基本的にライターさんに書いてもらいますが、仕事をするうちに、広告のキャッチコピーや短い文章は書けるようになりました。クライアントさんと直接打ち合わせをしているのは私なので、その方が早かったりするのです。

お散歩ウォッチング

現在創刊25周年「犬吉猫吉」ですが、紙媒体でこのように続けていけるのは地域密着であること、そして大人気イベントの「お散歩ウォッチング」があるからです。

お散歩ウォッチング

私が働いていた当時でも、福岡でイベントを行なうと多い時で400-500組、人数にして1,200人以上も集まるイベントで、通常は月に2回ほど、春や秋のハイシーズンには毎週末、ゴールデンウィーク期間中に3回開催なんて時もありました。

このイベントでプロのカメラマンに撮影された写真は全て雑誌に掲載され、更に会員登録した際にご要望をいただいた方は表紙のモデル犬になる為の投票参加権が与えられます。そしてその投票で1番になったわんこが、表紙に掲載されるという仕組みです。

投票は雑誌に印刷されている封筒でしかできない為に、読者はたくさんの雑誌を買い、家族はもちろん、ご近所さんにも自分のわんこが掲載された雑誌を配り、投票を行なっていました。

※私が働いていたのは2004年2月~2009年5月までなので、今は仕組みが変わっている可能性があります。

お散歩ウォッチング説明

イベント会場では撮影の他に、訓練教室を開いたり、フードや商品のサンプリングをしたり、場所によってはブースを設置したりと、様々な販促活動も提案していました。

常連の読者の方々とはイベントごとにご挨拶をさせていただき、参加するわんこ達やにゃんこ、時には兎や豚など、犬や猫出ない動物が参加してくれたりもします。こうやって読者の方々と直接接する事ができる仕事がとても嬉しく、楽しかったです。

大好きなわんこやにゃんこに囲まれてできるイベントなんて幸せの極みですよね。(笑)朝早く起きて大抵長距離移動をして会場に入り、会場を設営して、半日撮影の為に大抵外で作業をし、雨が降るとずぶ濡れ、そして疲れた身体に鞭を打って会場を撤収して帰るという長くてハードなイベントの1日ではありしたが、このイベントで足を運んだ場所、関わった人々、培った経験はかけがえのないものとなっています。

このイベントをクライアントの敷地で行なう事が多いので、私も必然的にその全てのイベントにスタッフとして参加します。つまり休みはイベントがない日という事になります。(笑)

更に私は、クライアントの都合に合わせて打ち合わせや取材を週末に入れることもやっていたので、お休みはかなり不定期でした。

それでも私は、本当に「犬吉猫吉」の仕事が大好きでした。
10歳の頃から目指していた業界で、仕事をさせていただけるのはその業界の第一線で働く人ばかり。更にはブームに便乗して、他業界から参入してくる企業も多く、特に情報誌でペットの情報が集まる場所なので、参入してくる企業に意見やデータを求められることも多く、ペット業界以外の企業とも仕事をすることができました。

更には業界のサービスを提供する側だけでなく、誌面やイベントを通してペットのオーナーさん達とも繋がれます。そうすることで、ペットの業界のことを更に深く学んでいくことができました。

「目指すこと」のための活動

編集長には私が目指していることは既にインターンをしている時に話しており「捨て犬や捨て猫を減らすために、その情報を啓発するコーナーを創りたいんです。」と伝えていました。しかし、編集長から出された条件は、誌面を増やす場合のそのコストをペイし、私の活動にスポンサーを付けることです。

更に、誌面の中に殺処分の情報を入れ過ぎることにより、読者の方が楽しく読める雑誌ではなくなってしまうこともあるので、そのバランスを考えながら企画をしなくてはなりません。この伝えたいことと掲載できることのバランスを図る必要がありました。

読者の求める情報、クライアントを配慮した情報、そして編集部として発信したい情報は、いつも必ず合わさるとは限りません。「犬吉猫吉」での仕事は、それらのバランスを模索する日々となります。

長くなってきたので、この続きは次のnoteで♪

小梅

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