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Masanao Kata
2024年8月17日 22:09
2024年5月5日 00:55
「雨の散歩道」雨は人を急き立てることがある21世紀美術館から鈴木大拙館へのアスファルトの硬い道程も街の賑わいとは裏腹に創造のイカロスは飛ばず雨は人を急き立てることがある傘を濡らして道をも濡らす金澤詩人 20号掲載Anywhere Zero Publication© 2023Hiraya Akizuki© 2023
2024年5月5日 00:48
「夏の山景」碧(みどり)を碧(あお)とも呼べるのは山並みの万緑が空の青さに溶けて行くそんな夏の景色の賜物だろうか熊谷守一が描いた「夏」の思想にその答えがあったと思う金澤詩人 20号掲載Anywhere Zero Publication© 2023Hiraya Akizuki© 2023
2024年5月5日 00:41
「ひとこと、みこと」言葉を離すべきじゃなかった届かなければ伝わらない言葉だというのにアネモネの花ほどの価値があったというのかぼくは負けたくない一心で放り投げた言葉について話せずにいる金澤詩人 20号掲載Anywhere Zero Publication© 2023Hiraya Akizuki© 2023
2024年3月14日 20:41
「言葉の無い正解」幻想を築くには言葉を組み立てよありもしない正解を世界にして我々を導き入れよ現実から回避した者たちは逃げ出すことなどない言葉の煉瓦をひとつひとつ積み重ねた堅牢な城でもたった一言で崩れ去ることさえあるだろうどんな世界も脆くそびえ建っているものなのだ命は一つでも言葉は無数の星であり危うい戦場を生き抜く不確かな言葉たちは元素も曖昧な世界の蓋でしかないかつて言葉の
2024年2月8日 09:24
「旅人は待てよ」帰らぬ旅人が帰ってきた消え失せんと望むはうつつ記された足跡は永遠となって誰かが望めば赤い詩集の果てから帰ってくるむしろ難しいことなどなくて場所も時間も選ぶこともなくて瑠璃色を纏った言葉が手紙となって我々のもとに戻ってくる理屈などはどうでも良いと思えた時にはあのレインコートを羽織った旅人が見える失われた時を知る豊穣の女神は歌いこの宝石を南の風で濡らすことだ
2024年2月8日 09:21
「メテオの邂逅」その契りは真夜中に起こる創作の神と偽って飛来する酩酊のメテオ言葉には三神が宿るというが踊る文字はさながら呪文か魔法陣と化したちまち言葉が熱を帯びて送り出す有無を言わせぬ契約は創造の深みへと魂を突き落としてそれを灼熱の温度まで高めてしまうだろう今まさに月に冴える深夜の創作は疾走したまだ見ぬ失われた創造性を探し出すかのような快感こそが我々を陥れようと目論む牧神かサ
2023年12月19日 19:45
「異彩」異才の奇祭は胡散臭い委細は一切言い出さないまま雲散霧消な韜晦術でまくのは煙かそれとも餌か倒壊する論理には追い付けないがそれでも偉才と褒め称えられ叩いて消えることさえないただ居るだけでも様になるので冴えない無様な成りでも神々しい嘘と誠が混合し インサイドで競り合って玉虫色の魂の妖しい彩りは雄鶏のアシメントリー色とりどりの折々のまとまりは始まりで終わりつまりはあとの
2023年12月1日 20:50
「白銀の月」帰り道の夜空を見上げるとぼうっと冷たく光る月が滲むあの気高く遠い世界なら邪な迷いも凍てついてすべてはお前の想いひとつだそう突き放される気がしたら胸が締まったMasanao Kata©️ 2023Anywhere Zero Publication©️ 2023
2023年12月1日 20:30
「紙で切った」血も出ない指先の傷口は確かにぱっくり薄く切れていた景色が変わった違和感のような些細な痛みからやがて来訪する刺激に覚えが始まる涙も出ない心の無慈悲さは体との蟠りMasanao Kata©️ 2023Anywhere Zero Publication©️ 2023
2023年12月1日 20:28
「呼吸」息を吸うこの部屋には一人息遣いに耳を澄ませばその音を吸い込んで部屋の中は二人分Masanao Kata©️ 2023Anywhere Zero Publication©️ 2023
2023年12月1日 20:22
「浮遊」傘を差せば宙に浮くような世界では誰しも四角い丘に佇んで冷たい夕日が沈むのを待っているこの世界は白々しい白夜は琥珀色をまとった白昼夢かMasanao Kata©️ 2023Anywhere Zero Publication©️ 2023
2023年12月1日 20:18
「本を読む」人間がこれまで本を読んで来たその姿の美しさを知った幻想に迷い込む真剣な眼差し知性が洗練される渦巻く瞬間を垣間見て人が龍になるその時だと知るMasanao Kata©️ 2023Anywhere Zero Publication©️ 2023
2023年11月1日 02:13
「階段」階段の一番下の段に腰掛けて八雲の『怪談』を一話読むごとに上がってみたはて、随分と読み進めたが踊り場に差し掛からない本から目を離してみようとすれば寝床で目覚める夏の冷や汗Masanao Kata©️ 2023Anywhere Zero Publication©️ 2023