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子供を欲しがるあの子の言い分

何年か前、私が子供のいない人生で行こうとハッキリと決める前のお話。

前の職場の同僚A美(女性)が結婚をした。
その時仲が良かったメンバーで簡単な食事会をして、A美の婚活話や旦那さんについて聞いた。
同僚C「旦那さんはどんな人?」
A美「んー、優しいかな?」
同僚B「どんなところが好きなの?」
A美「んー、好き、、なのかな?まぁ、いい人だよ」
同僚C「え?好きじゃないの?」
A美「嫌いじゃないし、いい人だと思うけど、、。」
同僚B「ラブラブじゃないの?」
A美「んー、どうなんだろう?結婚してもいいかなって感じ。」

私はA美の事が少し心配になった。
好きと言い切れない人と結婚したんだろうか?
それでいいの?と。

それから時は流れA美の結婚生活も落ち着いてるようで、私の心配は杞憂に終わったと安心したのも束の間、A美からこんな言葉が出てきた。

A美「私、何のために結婚したんだろう。」

へ?どうしたA美。

どうやら、最近夫婦仲がうまくいっていないらしい。
そしてA美は「ただ適齢期になったから相手を見繕って結婚した、みんなそういうもんかなと思って」と、まるで他人事のようにシラっと言った。

さらには「夫婦2人でいるのが居心地が悪いんだよね、子供を産んだらなんとかなるかな。あと子供を育てれば人として成長できるし」と言い出した。

つまり、夫婦の円滑剤として子供を待とう、自分が成長するために子供を持とう、というのだ。

私はそれは何の問題解決にもならないからやめた方がいいと思ったし、子供が可哀想だと思った。
それに子供を授かることができなかった私にとって、お前人生舐め過ぎだろ!という怒りが湧いて来た。

A美は仕事も趣味も人付き合いも、なんでもそつなく人並み以上にできる人だ。本当に優秀だ。
現にその気になればちょっと活動しただけでいつの間にか結婚できていた。
人生舐めてしまうのも分かる。
でも、何事もスムーズにできてしまうと結局何からも学べないということもあるのだろう。
A美は出世頭だし、人望も厚い。
でもいつもどこか冷めている。
だから、旦那さんや将来の自分の子供に対してもかなり冷めている。
悪い人でもないし、マウントをとりたがる人でもない。
ただ、自分の価値観がない人。
世間の価値観で物を見ている人なのかもしれない。何か大事なものを忘れたまま大人になってしまった、、、そんな印象だ。

そんなA美を見ていると、当時の私はイライラした。
そして今の私が当時のA美を思い出すと可哀想な子だなと思う。

この先、きっと表面的にはA美は幸せなんだろう。人生の色んなものをコンプリートしていくだろう。
でも、本人は本当に幸せなんだろうか?
そんなことをふと考えてしまう。

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