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「たつき諒」さんが予言する大災難まで、あと3年...

多くの方がご存じだと思いますが、横浜出身の女性漫画家「たつき諒」さんが1970年代から書き続けた「夢日記」が的中するとして、一時期、話題になりました。
 
この夢日記を漫画にした「私が見た未来」の復刻版が昨年10月に出版され、1999年の初版にはなかった「大災難は2025年7月にやってくる」という新たな予言が追加されて、今年4月のテレビ番組「奇跡体験!アンビリーバボー」でも取り上げられました。

1 大災難の内容とは
著者は1998年にインドを訪れた際、日本列島の南に位置する太平洋の水が盛り上がるようなビジョンをみて、そしてつい最近も日本とフィリピンの間くらいの海底がボコンと破裂するような夢をみたそうです。

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夢日記に描かれている場所

それが起きるのは2025年7月5日(土)午前4:18のこと。本書に描かれた発生源のイラストをGoogle Mapに重ね合わせてみたところ、北緯20度15分25.4秒、東経131度39分38.5秒と出ました。
 
そして、太平洋沿岸部に東日本大震災の3倍はあろうかという巨大な津波が押し寄せ、日本列島の3分の1から4分の1が飲み込まれるという衝撃的なイメージをみたそうですが、この大災難の後、世界の状況は大きく様変わりして明るく輝かしい未来が見えたとも語っています。
 
2 起こり得る大災難とは
これまでの投稿記事からも分かるように、私自身は「コテコテのリアリスト」であって、論拠のない推論でいたずらに読者の不安を煽るつもりは毛頭ありません。
 
他方で、このお話を否定できるほどの論拠も持ち合わせておらず、リアリストであるが故に「あらゆる可能性には門戸を開き、想定外の事態を具体的に想像しておく必要がある」とも常々考えてきました。
 
このような経緯から、「たつき諒」さんがみたという大災難まであと3年となった今、西太平洋地域で起こり得る大災難を列挙してみたところ、概ね次のような事例が浮かび上がってきました。
 
 
2025年7月、太陽活動が極大期を迎える

2025年7月と、ちょうど予言時期と重なるので、真っ先に取り上げました。
 
ただ、太陽活動そのものが直接的な脅威ではなく、太陽活動の活発化による電磁波障害がトリガーとなって、様々な不測事態が引き起こされる可能性があるということです。
 
 
スーパーフレアが発生したら世界は18世紀に後戻り

しかしながら、地球がスーパーフレアの直撃を受けた場合は、少々話が変わってきます。スーパーフレアが直撃すると、世界中のあらゆる電子機器がことごとく破壊され、現代文明は18世紀まで後退するといわれています。
 
また、最悪の場合、多数の人工衛星が落下して地上に甚大な被害をもたらす可能性も指摘されています。
 
自然界の地物から、実際に10世紀後半に地球がスーパーフレアの直撃を受けた痕跡が確認されているようです。
 
これはもう、人間の力ではどうしようもないことですが、先ずは太陽観測と宇宙天気予報の拡充が対策への第一歩かもしれません。
 
 
30年以内に巨大地震が起こる確率は70%

恐らく、この地域で最も想定されるのは南海トラフ地震でしょう。
 
2020年1月、地震調査研究推進本部は、マグニチュード8~9クラスの地震が30年以内に発生する確率は70~80%と発表しました。
 
南海トラフでは、過去1,400年間に約90~150年の周期で大地震が発生しており、1946年の南海地震から76年が経過した今、統計的にもその時期に差し掛かっているといえます。
 
 
海底火山の爆発

そして、記憶に新しいのが今年1月に南太平洋・トンガ諸島の海底火山が大噴火したことです。このとき、日本の太平洋沿岸部にも津波が到来し、潮位が最大1メートル以上も上昇しました。

その後の調査で、この津波は噴火に伴い発生した「ラム波」と呼ばれる大気の波によって引き起こされたことが新たに分かってきました。
 
本事案は、津波発生のメカニズムについては、まだ解明されていない点も多いことを暗に示唆するものとなりました。
 
 
地球温暖化と高まる津波のリスク

地球温暖化対策も喫緊の課題です。今後、仮に世界の気温が4度前後上昇した場合、日本付近では海面がおよそ71センチ上昇するといわれており、必然的に津波被害へのリスクも高まることになります。
 
ある研究グループのシミュレーションによれば、単純に防波堤の高さを71センチ嵩上げすれば良いとはならないようで、場所によっては、それをはるかに上回る津波が押し寄せる事態も起こり得るようです。
 
 
中国は2027年までに台湾侵攻の可能性

先述した「北緯20度15分25.4秒、東経131度39分38.5秒」一帯の海域というのは、いわゆる第1・第2列島線の中間に位置し、今、まさに中国海空軍が、活動の常態化を目指す戦略的に重要な海域でもあります。
 
☞ 列島線理論については「第3オフセット戦略の最新動向」を参照
 
そして、6月17日に進水した中国3番目の空母「福建」は、2025年までには就役して、まさにこの海域での活動を目指すと考えられています。
 
更に、この海域は米空母接近阻止のために開発した対艦弾道ミサイル(ASBM)の射程圏でもあり、台湾や日本有事の際にグアム、ハワイ、米西岸方面から来援するであろう米空母機動部隊を、核弾頭も搭載可能なこのASBMで攻撃することは十分に考えられます。
 
 
核兵器使用のリスクはかつてないレベル

6月13日、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は年次報告書の中で、核軍縮の時代は終わりを告げたようであり、核保有国が軍縮に向けて行動しなければ世界の核弾頭数は次の10年で増加に転じると警鐘を鳴らしました。

また、ロシアによるウクライナ侵攻などを念頭に、核兵器が使用されるリスクは過去数十年で最大だとの見方を示しました。
 
中国やロシアなどの、いわゆる歴史修正主義国家(Revisionist States)は、ますます領土的・海洋的野心を隠さなくなってきています。先述のスーパーフレアや気候変動などによる混乱に乗じて、既存の国際秩序の転覆に乗り出す可能性も否定できません。
 
世界恐慌が第2次世界大戦への引き金になったように、国家間の緊張状態は、ちょっとしたことがきっかけで武力衝突に発展するものです。そのとき、核兵器が使われるリスクもゼロとは言い切れないのです。
 
 
未だ衝突直前まで発見されない小惑星がある

3月11日に発見された直径3メートルほどの小惑星が、発見からわずか2時間後に地球の大気圏に突入してノルウェー海に落下しました。

恐ろしいのは、地球に衝突する2時間前に小惑星が見つかっても何の手も打ちようがないということです。もしこれが直径100メートルを超える物体だったら、大津波を発生させた可能性があります。
 
現在、NASAでは1,330あまりの物体を、地球に衝突する可能性のある小惑星PHAs:Potentially Hazardous Asteroids)として登録していますが、地球周辺の宙域には未発見・未登録の物体も多数存在していると推定されます。
 
先述した核ミサイルは人類に指向するのではなく、こうした危険なPHAsの軌道変更に即応できるようになれば良いのですが。

ちなみに、地球近傍の宙域で核兵器を使用すると、スーパーフレアと同様に電磁波障害が起きて人工衛星や地上の電子機器が破壊される恐れがありますが、地球が滅亡するよりはよっぽどマシですね。
 
 
3 大災難に備える
このように、懸念される危機的状況を列挙したらキリがないですが、どれをとっても、何か現実味を帯びているように思えてなりません...。
 
タイトルで「あと3年」と書きましたが、未来のことは誰にもわかりません。それが起こるのは100年後かもしれないし、或いは明日かもしれない。

重要なことは「Not if, when.」(もしかしたら起きるかもしれない、ではなく、それはいつ起きるか)と捉えることです。
 
そして、①予防策(Precautionary Measure:それが起こらないようにするための対策)と、②対応策(Counter Measure:それが起こった時の対策)という2つの観点から、個人レベルと組織レベルの両面で具体的に想定し、具体的に準備しておくことだと思います。 
 
組織の危機管理のノウハウの一助として、こちらもご参照ください。 

もし、文明の持続期間や、知的生命体の進化に必要なグレート・フィルターにご関心があれば、こちらをご参照ください。

昔から人は言います。
「備えあれば憂いなし」と。
 
そして、危機管理評論家の故・佐々淳行氏がよく口にした金言をご紹介して、本稿を締めくくりたいと思います。

「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」