看護師のシゴトにあって、会社員の仕事にないものとは①
外資系企業の健康管理の仕事を辞めて、脳外科で働き始めてから半年が経った。
病院のしごとは、体力的にはきついんだけれども、
つくづく
「楽しいなぁ」と思う。
よく、企業看護師の求人を見て、
「夜勤がないのに、こんなに休みも多くて給料もいいなんて最高じゃん!」とココロ躍らせてしまう看護師は少なくないと思う。
しかしこの仕事、「看護師としてのやりがい」という点では大きく届かないものがあると感じる。
私がいたのが外資系企業というのもまた特殊だったとは思うのだが。
条件だけ見ると安定していそうで福利厚生もいい企業ナースの仕事。
実はけっこう、看護が好きな意識が高いナースほど心が荒んでしまうんじゃないかと思う。
「やりがい」を直接は感じられないし、
なんだか自分が役に立っているかどうかをとにかく実感できない仕事だ。
自己肯定感が低いタイプの人間にはあまり勧められないよなぁと思う。
では、病院でのナースの仕事。
なにがこんなに「楽しい」と感じさせてくれるのだろうか?
「ありがとう」と言ってもらえる仕事は、実は少ない?
外資系企業の健康管理室にいて、
最後の数年辛かったのは、
「詰められる」こと。
よく、売れない営業職が上司から「詰められる」と聞く。
外資系企業で、自分はこの状態だったよなぁ、と思う。
医療職ではない素人に囲まれながら、
医療の知識のない人事の上司に、
もっとああしろこうしろと、人の対応を指図される。
会社の犬になれ、と言われているような気がした、と言ったら
言葉が悪すぎるのかもしれないが。
自分をコントロールしたい上司と、
専門家としてのプライドが心の中で対立していて、
ジレンマが辛かった。
そして、予防医療=産業保健という構造が殆どなので、
一生懸命に社員の健康について企画をすすめたり
面談をするわけだが
これがまた響かない。
労力も時間もかけるものの、
「ありがとう」とはなかなか言われない。
どちらかというと、
「やってもらって当たり前」という空気のなか、
「おせっかいなめんどくさいこと言ってくる人」というか
「なんか楽そう」とか思われたりしている感じで。
業務も責任も重いなか、
報われない、そんな気がしていた。
魂がすり減っていって、自分の存在って何だろう?って思ってしまうような。
しかし、よく考えると、
「ありがとう」と目の前のひとに直接言ってもらえる仕事って、
実はそんなにないんじゃないだろうか?
スーパーで、店員さんに、ありがとう、ということはそんなにない。
会社でも、何かしても、ありがとう、といわれることは、そんなにない。
学校の保健室で働いていた時は…他の先生から言われたかな。
あとは・・・?
美容室で、髪を切ってもらったら、ありがとうございました…とは
私自身は言うけれど、
接客するサイドの美容師さん側が「ありがとうございました」と言っている気がする。
色々考えてみると、ありがとうって、あまり言われない気がする。
それが普通なのかもしれないけれど。
なんだか、「ありがとう」と沢山言ってもらえるナースの仕事って、
実はものすごく、特別なんじゃないか?そんな気がしてくる。
今日は遅いので、続きはまた…🌙