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ホロコーストを疑っている人のために

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かつてナチスドイツが行ったホロコーストを「なかった」という人たちがいます。それらの主張の代表的なものを、ある海外サイトを参考に論破する試みです。
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#ラインハルト作戦

ホロコーストの否定とラインハルト作戦。MGKの偽りに対する批判(9)

前回から大分間が空いてしまいました。特別な理由があったわけではなく、自分の自由時間を他のことに使っていただけです。そのほとんどは主に動画視聴、いやほんとに動画視聴は時間泥棒です(笑) 従って、この翻訳シリーズの内容をほとんど忘れており、今回なんかは途中まで訳して放ったらかしだったので、何を訳していたのかすらほぼ解説できません……ダメですねぇ。 というわけで、今回の冒頭の私の駄文は翻訳シリーズのことではなく、とある修正主義ツイッタラーの話でもしてみましょう。ツイッター上のホ

ホロコーストの否定とラインハルト作戦。MGKの偽りに対する批判(8)

現在翻訳している論文は、知らないことが多い内容になっていて、訳していても内容がよくわからないのが困りもの。今回もそのせいで全然翻訳が進まず、「これで翻訳内容は合っているのだろうか?」と思うこともしばしば。私としてはそれでも、何か学べることがあるのであれば、大半がわからなくても訳す意味はあると思って頑張って訳しているのではありますが、ホロコーストって本当に難しいと改めて実感しております。 というわけで、特に内容に関する補助的解説もせずに、以下、翻訳を示します。個人的には、ヴァ

ホロコーストの否定とラインハルト作戦。MGKの偽りに対する批判(7)

トプ画の写真は、今回の翻訳に登場するブレスト・ゲットーの跡地に今も残る当時の建物です。 2019年には、ブレストにある建設現場から、当時のものであると考えられる遺骨も発見されています。 さて、今回翻訳しているシリーズは、マットーニョ、グラーフ、クエスの三人(MGK)によるラインハルト作戦に関するホロコースト否定論の著書に対する反論が目的で書かれたものですが、元々のMGKによる著書を参照しないことには、何が書かれているのかがわかりにくいかもしれません。 私自身もまるで理解

ホロコーストの否定とラインハルト作戦。MGKの偽りに対する批判(6)

上のトプ画の写真は、マールィ・トロステネツ収容所と呼ばれた場所の写真です。場所は旧ソ連領土であったベラルーシで、最初はソ連兵捕虜を収容するための捕虜収容所でしたが、その後ユダヤ人に対する絶滅収容所となりました。ここに1942年の間、オーストリア、ドイツ、オランダ、ポーランド、ボヘミア・モラヴィア保護国からのユダヤ人が移送され、実数はよく分かっていないようですが概ね6万〜10万、説によっては20万人以上のユダヤ人が銃殺やガスバンで殺されたとされています。元々は、ソ連がコルホーズ

ホロコーストの否定とラインハルト作戦。MGKの偽りに対する批判(5)

ナチスドイツの全体的な方針、あるいはヒトラーの意図の中で、ユダヤ人の物理的絶滅政策がどのようにして推し進められ、決定していったのかについては、多数の歴史家・研究者によって研究が進められているものであり、それこそ歴史をどう読み解くかという大きなテーマの上で成り立つものです。 従って、それには多数の当時の文書記録や、どのような出来事が起きていたのかという事実、あるいはまた戦後の裁判での様々な証言など、それらの資料全体から読み解いていく必要があり、否定派のように不味い証拠は一切認

ホロコーストの否定とラインハルト作戦。MGKの偽りに対する批判(4)

今回の翻訳は、戦後に行われたニュルンベルク裁判ではない、細かいたくさんの裁判の話です。連合国が主体で行ったニュルンベルク裁判やアメリカ占領軍が実施したニュルンベルク継続裁判はある程度知られていると思いますが、細かい裁判になると、ほとんど知られていないと言う感じがします。 例えば1960年代に行われた西ドイツによるフランクフルト・アウシュヴィッツ裁判ならば、映画になってることもあり多少は知られているのかもしれませんが、それ以外にも細かい裁判がいっぱいあったと言う歴史的事実は、

ホロコーストの否定とラインハルト作戦。MGKの偽りに対する批判(3)

今回は、以前に翻訳した部分を含む箇所の翻訳になりますが、以前の翻訳は参考にしつつも完全に再翻訳しています。およそ1年前に翻訳しているのですが、改めて読んでみると、修正が必要な箇所はあるものの、意外にも翻訳の出来がそこそこ良かったりするので、いったいどうやってそんな翻訳をしたのか、思い出せません(笑)。自分で自分を褒めるとすれば、機械翻訳任せにせず、割と一生懸命調べてたようではあります。わかりにくい地名や人名などにはリンクを貼ったり、Wikipediaを翻訳してコピペしてあった

ホロコーストの否定とラインハルト作戦。MGKの偽りに対する批判(2)

アウシュヴィッツなら素人の割にそこそこ知ってるけど、他の収容所などの話になると途端にほとんど無知だったりします。特に、絶滅収容所でない強制収容所の知識は絶望的にありません。もちろんこれは、私が対象とするネット否定派がほぼアウシュヴィッツのことしか話題にしないからですが、アウシュヴィッツのことは論じ尽くされている感もあり、それでも知らないことはまだあるにせよ、他のホロコーストに関する知見ももっと得たいとは前から思っていたりもします。 一応は過去にもいくつか、アウシュヴィッツ以

ホロコーストの否定とラインハルト作戦。MGKの偽りに対する批判(1)

ホロコースト否定というテーマに足を突っ込み始めた最初の頃は知識があまりなかったので、ネットでホロコースト否定について自分で何かを述べても否定派に突っ込まれて叩きのめされるんじゃないかと不安が拭えませんでした。しかしそのうちに色々知識がついてくると、そんなに不安を感じずに否定派に議論をふっかけにいくようになったのですが、私に絡まれたそれら否定派の多くは割とすぐに逃亡する事態になりました。Twitterではブロックされたり明らかに非表示にされたり、無応答になったりするわけです。最