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マレーシアのインターのサマースクールはおすすめしません【マレーシア留学ホンネの話2】

この夏、マレーシアのインターナショナルスクールのサマースクールが「日本人に」大盛況だった、というお話に前回も少し触れました

マレーシアでは、2~3週間ある長めの春休みと、1カ月以上ある夏休みを利用して、インターナショナルスクールで1~2週間程度のスプリングスクール、サマースクールが開催されることが多いです。

特にボーディングスクールにとっては、寮生がいなくなる時期に空いた寮を活用してプロモーションもできて一石二鳥。エージェントにとっても稼ぎ時なので、みんなそろっていいことばかりを宣伝してきます。

でも…
私は個人的には、あまりおすすめしていません。

私の子どもがマレーシアのインターナショナルスクールに行っていることを知っているママ友から、
「Yurikoさんのところのスクールはサマースクール(スプリングスクール)はないの?あれば申し込もうかなと思っているんだけど、どうかしら」
と言われたことも何度かあったのですが、私は毎回「おすすめしないよ」と答えています。

そのインターナショナルスクールのサマースクールに申し込む動機が「この学校に留学を考えているから、学校の様子を知りたい」という場合なら、なおさらおすすめしません。


おすすめしない理由1.普段の様子とまったく違う


サマースクールの期間は、その学校に普段通っている生徒はほぼいないので、普段の様子とはまったく異なります。どんな生徒が通っているか、どんな雰囲気なのかは知ることはできません。そしてたいがい、サマースクールに参加しているのは日本人と韓国人が大多数だと思います(中国人はすでに多いので、日本人と韓国人にプロモーションをかけている)。

サマースクールで教えてくれる先生も、実際に自分が習うことになる先生が教えてくれるとは限りませんし、なによりプログラムが「お楽しみ要素」中心で、普段の授業とはまったく異なります。

(さらに、サマースクールを行っているのは外部団体で学校は場所を貸しているだけ、というケースもあります。これだとまったく「普段の学校の様子」はわからないので、主催がどこなのかもまず確認するといいです)

学校を作っているのは「人」ですから、設備だけわかってもね…という気がいたします。

知ることができるのは、学校の場所と設備だけです。そしてそれはGoogleマップと学校のWebサイトで知ることができます。

どこの国でもそんなものだとは思いますが、マレーシアでは特に、「お試し期間」と「本当の期間」の違いが激しい傾向がある気がします。(インターだけでなく、習い事の体験などでも感じました。個人の体験なので、偏った見方である可能性大です、とはお断りしておきます)
まあ、それが、「はじめての方へのおもてなし」というものなのかもしれないですね。

よく日本人エージェントが
「正規留学を検討中の方は、学校の様子を知るチャンス!ぜひ参加してみましょう!」
などと呼びかけているのには違和感を覚えます。

おすすめしない理由2.英語ができるようにはならない

「長期の留学は無理でも、毎年2週間くらいサマースクールに行っていれば英語ができるようになるのでは…」という期待がある場合も、おすすめしません。
前述のとおり、マレーシアのサマースクールには英語がネイティブ並みにできる生徒はそんなに来ないと思うからです。

先生は英語を話しますが、生徒同士は同じ国から来た子とグループになって、自国語で話すことになりがちです。中には、「通訳つき!」という親切設計のサマースクールもありますが、それだとなおさら英語不要で、何のためにかな?という気がいたします。

サマースクールは、(特にインターナショナルスクールなどが次期の正規留学生を集める目的をもって開催している場合は)とにかく楽しませることに注力します。「楽しい学校!」「いい学校!」と思ってもらって、「ここなら行きたい!」と子どもに思ってもらうこと、その様子を目にした親に「子どもが行きたいというならここに行かせてみようか」と思ってもらうことが目的だからです。

英語力の負担がかからない楽しいアクティビティが中心で、いろいろなことをして遊び、「楽しかった!」で終わるのが一般的です。10歳以下などならそれでいいのかもしれないですが、それより大きい学年であれば、もう少し実になる体験がさせたいな、と思っている親御さんが多いと私は感じているので、そういった意味では別の選択肢もあるのでは、と思っています。


おすすめしない理由3.正規のESLの先生が担当します!とはいうけれど


正規のESL/EALの先生に教えてもらえます!ということがウリ文句として語られていることがあると思います。その場合、「実際に入学することになったら習うことになる先生なのだから大いに参考になる」と思いがちですが、そこもどうかな、と個人的には思います。
前述のとおり、カリキュラムが違い、サマースクールの期間中と正規の授業は別物だからです。

そもそもの話として、私はインターナショナルスクールのESLというものに多少の疑問を持っているので(悪いという意味ではなく、個人的経験から少々思うところあり、この話はまた別で書きます)、初心者レベルの子どもに英語を教えるのなら、インターナショナルスクールの先生よりも語学学校の先生の方が上手なのでは、と思っています。

上記の「その2」の内容とも重複しますが、英語ができるようになるのが目的なら、インターナショナルスクールのサマースクールよりも、語学学校に行く方がいいのではないかな?というのが個人的な意見です。
こちらに在住している日本人の方で夏休みに集中的に英語を伸ばしたいと考えている場合も、インターのサマースクールには入れずにモントキアラあたりの韓国人経営とかの語学学校の短期集中プログラムを選んでおられます。(韓国人のみなさんの間では、日本人よりも何年も前から、教育移住や母子留学が富裕層に流行っています。フィリピンの英語漬け短期留学システムを作ったのも韓国人と聞いています)

複数の日本人エージェントが取扱うスクールなら、半分以上日本人かも

おめあての学校のサマースクールを検索したときに、いくつものエージェントが日本語で情報を出しているようなら、それは「対日本人プロモーション」をかけているとみていいと思いますので、参加者の半分以上が日本人となるかもしれません。
もちろん、それでいいなら問題ありませんので、そういうものと理解して参加することが大切かなと思います。申し込み前に、全体の人数と日本人比率を確認してみるとよいかも知れませんね。

サマースクール参加の目的は?


「普段の学校の様子とは違うけど、楽しい内容」というのが一般的なサマースクールの姿だと思います。

マレーシアに限らず、北米やヨーロッパの英語圏でも、夏の間の空いた学生寮と校舎を民間のサマースクール業者に貸して、イベント的にスクールを開催しているケースは多いです。「そういうもの」と思って参加する分にはもちろん素晴らしい体験なのですが(また、英語圏の国なら、生徒も英語ネイティブがほとんどだと思うので、それであれば英語で話そうとする力もつきますし)、
「この学校への正規留学を検討しているから、学校の様子を知りたくてサマースクールに」というなら期待通りの収穫はないんじゃないかな、というのが私の意見です。

本当にその学校の普段の様子が見たいのなら、普段の授業をやっている時期に見学にいくのがおすすめです。可能であれば、体験入学をさせてもらうのがいいのではないかな、と思います。子どもたちのクラスでも何人かTrial Studentを見かけたことがあります。その後に入学する子もいれば、それきり来ないかもいれば、という感じです。1週間くらい、通常クラスに入って一緒に授業を受けるのですが、聞いた限り韓国人や中国系の生徒さんです。日本人エージェントさんは提案しないのかな。

時期は、マレーシアのインターがやっていて、日本の学校がお休みの時期、例えばシルバーウィークや、3連休にもう1日休みをくっつけて3泊4日でいけるようにするとか、私立や国立の学校に通っているなら秋に試験休みがあると思うのでその時期をねらうのがいいと思います。

マレーシア独自の休日もあるし(州によってもパブリックホリデーが異なります)、長期休みも学校によって1〜2週間ずれているのはよくあることで、またローカル色が強めのインターは1月始まりだったりすることもあるため(マレーシアの公立学校は1月が新学期)、スクールスケジュールは各学校に問い合わせが必要ですが、その方が普段の学校の様子がわかります。日本の学校を辞めて年単位で留学しようと考えて下見として行こうというのなら、その方が有益かな、と思います。

そして、「英語の勉強のためにサマースクールに」というのなら、フィリピンあたりの語学学校がいいのでは、と思います。これも玉石混交なので見極めが必要ですが、みっちり語学留学ならフィリピンの方が選択肢が多いと思います。

そして、楽しむことも大切だけど英語もたくさん話してきたい、というなら、ガチ英語圏に行く方がいいのではないかな、と思います。オーストラリアやハワイあたりならそんなに遠くないし、カナダ・アメリカも西側なら意外にマレーシアに行くのと変わらない時間で行けます(時差はありますが)。個人的にはイギリスで現地の子がいくデイキャンプに参加させたことがあり、地元の子ばっかりでよかったです。スイスは遠くて高いけど、至れり尽くせりで満足度も高いようですね。
個人的にはマルタ島や、シリコンバレーのテックキャンプに行ってみたかったな、と思っています。マルタ等は、ガチ英語圏ではないけれど、ある程度英語のできるヨーロッパからの留学生がよく来るお手頃な留学先として有名で、宿泊施設付きの語学学校がたくさんありますし、プログラムも豊富です。

サマースクールも、語学学校が主催するもの、STEMをテーマにしたテックキャンプ、ゴルフスクール、現地の子が夏休みに通う日帰りのデイスクール、英語で検索するとたくさんでてくるので、Chromeで検索して翻訳表示するといいですよ。

もちろん「単に楽しく過ごすために行きたい!」「時差がないところで金銭的にもいい感じのところで!」というならマレーシアのサマースクールはおすすめ。
距離も金額も手ごろ、日本人も多いので成田・羽田から一緒の子がいるかもで安心だし、英語が苦手な子でも楽しく過ごせると思います。2週間くらい子どもを単身で参加させて親はリラックス~なんていう夏の過ごし方も素敵です。

また、マレーシアなら、サマースクールではなく家族旅行(母子旅行)として行って、素敵なホテルにお安く泊まって、子どもは現地の子がいく語学学校に短期で通い、その間、ママはエステに買い物にアフタヌーンティー、パパはホテルからリモートワーク、お休みの日はみんなでウォーターパークやアミューズメントパーク、博物館や動物園に。帰りにランカウイ島でも寄ってリゾート遊びもしてきちゃう?…とかのプランもいいですよ。

マレーシアの代表的な遊び場や素敵なホテルのご案内も、また別投稿でしますね。
街中もリゾートも、楽しい場所がいろいろありますよ。

ではでは、また。

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