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子育てでイライラしたとき、「マズローの欲求5段階」で考えてみる

子育てでイライラすることって、誰にでもあると思うのです。
私が自分のアンガーマネジメントとして実践していることのひとつ、「マズローの欲求5段階」を考えてみることをご紹介します。

マズローの欲求5段階

「マズローの欲求5段階」というのは、1908年生まれのアメリカの心理学者、アブラハム・マズローが「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を5段階に分けて説明したものです。

いわく、「人間には5段階の『欲求』があり、1つ下の欲求が満たされると次の欲求を満たそうとする」のだとか。
キャリアカウンセリングやマーケティングなどの分野でもよく言われているので、耳にしたことがあるかもしれませんね。

英語学習noteでもあるので英語でも言うと、「Hierarchy of Needs Theory」という理論です。日本語で「5段階」と言われるより、「ヒエラルキー」と言われるほうがイメージわくかも。「欲求」というよりも「Needs」というのもなんとなくピンときます。

こんなイメージです👇

https://www.verywellmind.com/what-is-maslows-hierarchy-of-needs-4136760

まずは、「生理的欲求」と「安全欲求」を充たそう

いちばん下の「Physiologidal」が、「①生理的欲求」。睡眠したり食事をとったりっていう、まずはそこが満たされないとね、って部分ですね。

※特に赤ちゃんを育てていてイライラしてしまう人、これが満たされていないのなら、周囲の人に「マズローの欲求5段階の1段階目が、現在の私は満たされていない。これでいい育児はできないと思うので休ませてほしい/おいしいもの食べたい」と説明してみてはいかがでしょう。単に「疲れた!私だって休みたい!」というよりも話が伝わりやすいかもしれませんよ。

そして子どもも、おなかいっぱいにしてたくさん寝かせればまずは間違いない、ですね笑

次の「Safety」が「②安全欲求」。たしかに、危険と隣り合わせでは落ち着かないですね。子どもの心身と心の安全はもちろんですが、家庭でのママの心の安全も、確保したいところです。

※これも、ご夫君などの協力体制や言動に不満がある場合も、「これではマズローの欲求5段階の2段階目であるところの、私の心の安全が担保されないので、つきましてはこう改善してほしい」などと伝えてみてはいかがでしょう。「ぜんぜん○○してくれない!ムキー!」となるよりも効果的かも?

次の「Love &Belonging」が、「③所属と愛情欲求」と訳されていますが、ここが子育てで大事なところだなあ、って思うのです。

「所属と愛情欲求」って深い言葉

この「③所属と愛情欲求」から、ぐっと人間ぽく、文化的な感じになってきますよね。

子どもって、この「所属と愛情欲求」を与えてくれる存在だと思うのですよね。子育て以外に自分の世界を持っているママも、子育てを専業としているママも、子どもが小さいうちは特に、子どもってママに属している感がやっぱりあるし(生まれるまで一体だったのだから、生まれてからしばらくは一体みたいなものっていうか)、その分ママも子どもに属している感があって、それを「そういうものだ」とポジティブに素直に受け入れるとなかなかすっきりして気持ちいいと思うのです。

マズローの欲求段階の3段目であるところのこの「所属と愛情欲求」を与えてくれるのが、目の前の子どもだと思うと、イライラするシーンがあったとしても、とても得難くありがたい存在なんだな、って感じることができて、少しは心穏やかになれます。

「自尊欲求」を意識すれば、イライラがおさまる

次の「Esteem」は、よくセルフ・エスティームなんてもいいますが、「④自尊欲求」と訳されています。

誰だって自分を好きになりたいけど、好きになりきれないときってあると思うのです。特に子育てしていると、イライラ・ガミガミしてしまったり、子どもの欲するだけかまってあげられなかったり。寝静まった子どもの寝顔に毎晩「ごめんね」と語りかける毎日、って、多くの人が通る道だと思います。

また、専業ママとして子育てをしていると、自分が何者でもないような気がしてしまったり、一方、キャリアと並行してママ業をしていると、どちらもが中途半端に思えたり、この手の悩みもつきません。
ママとして(もしくはママでもある女性として)自尊感情を持つのって、難しい時があります。

だからこそ、目の前の子どもににイライラしたとき、自分の感情をぶつけないようにしよう、と努めるといいと思うのです。感情を抑えられることができたとき、けっこうな自尊心が持てると思うのです。私、偉かった!って。(それほどの偉業だと思いますよ)

もし、感情のままに怒ってしまうことがあったとしても、「ごめんね、ママが言いすぎちゃったね」とギュッとしてあやまったり、次に生かせるように反省できたりすれば、自尊心を持つことができるんじゃないかな、と思います。

いつも冷静で感情のブレがなく、穏やかにニコニコしていられたら理想だけれど、自分はそういう人ではないのなら、無理してそこに合わせなくてもいいと思うんです。だって、私は私でしかないもの。

完璧じゃないほうが心地いいことってあります。
モデルルームのような部屋よりも手が届くところにいろいろあるような部屋が住みやすかったりするように。清流に魚が住めないように。
ついつい感情的に怒っちゃうときがあっても、そのぶんもっと笑顔でいるように、褒めよう、笑おう、楽しもう!子どもと心を伝え合おう、と思えれば、足し引きそれでいいんじゃないかな、と。

そして、そんな風にふるまえたなら、自分ってわりといいかも、って自尊感情が生まれてくると思うのです。

「自己実現欲求」は履き違え注意で

そして最後の5段階目のてっぺん「Self-actualization」は、「⑤自己実現欲求」と訳されています。

でも、子育てを通しての自己実現っていうのはけっこう難しくて、自分の理想を押し付けたり、自分ができなかったことを子どもでかなえようとしたり、自分がしてきたことと同じルートをいかせようとしたり、というのはよくないと思っています。そういうすりかえの自己実現はちょっとまずい。

また、「子どもを○○受験に合格させた自分」とか「子どもをバイリンガルに育てた自分」とかに目標設定しちゃうのも、ちょっとまずい。子どもは親の自己実現の「手段」にすべきではないから。

本当の意味での自己実現は、子育てを通しても通さなくても、子育ての後にくるものなのかな、という気がしていて、私もまだそこを目指せてはいないけれど(マズローによると、「④自尊欲求」が満たされないと「⑤自己実現欲求」に行けないらしいし)、でも、子どもと一緒の日々は、一緒にいろいろな冒険をしているようで、もう一度生き直しているような気分がします。

自分がやりたかったこと・できなかったことを押し付ける気はないけれど、一緒にいろいろな世界をもう一度、子どもの目を通してみさせてもらっている、と日々思っています。

イラっとしたら「マズローでいうと」と考える

こんな風に、イラっときた時に、

「①生理的欲求」が満たされていないから無理もない、満たそう」
と冷静に分析してみたり、

「子どもが『③所属と愛情欲求』を充たしてくれているんだなあ、だからこれくらいのことで怒っちゃバチが当たるわね」
と考えてみたり、

「ううぅ…イラっと来てるけど、これを我慢して感情をぶつけずに注意することができれば、『④自尊欲求』が満たされるぞ…」
と自分を制してみたり。

子育てという冒険、この道がどこにいくのかわからないけど、まだまだ冒険を続けます。

そして、どうしてもイライライライラが止まらないときは…漢方薬にお世話になったりもしました。私の場合、プラシーボ効果もあってか、すぅっと気持ちが落ち着く(というか無感動になる)感がありましたよ。今もお守りがわりに持っています。

が、自分の体調管理(睡眠をとることと、空腹を避けること、スケジュールを詰め込みすぎないこと)がいちばん大切です。

ではでは、また。


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