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2023年の読書振り返り

去年の読書記録と振り返りを簡単に残しておきます。
再読漫画など一部記録していない本もありますが、記録に残っているだけでも、特定の作家にはまりながら、他にも色々と読んでおり、バランスが思いのほか良い年でした。
また、新規の本だけでなく、クリスティー作品を中心に再読も程々にできたので満足感もありました。


1月

1月は新規の著者、久しぶりの著者、再読とバランスのよいスタートを切れました。
『静おばあちゃんと要介護探偵』は、続編を読もうと思って1年経ってしまいました。近いうちに読みたいところです。
『北北西に曇と往け』シリーズは、アイスランドの美しい自然を舞台に話は展開する。風景描写と人物たちの間が織りなす空気感がとても良く、続きも楽しみです。

2月


2月は普段読まない詩集を読んだのと、メグレを読み始めたのが印象深いです。
詩は、普段触れる世界ではないため、いつも読みやすかった・読みづらかったということ以上に語る事ができない自分がいます。それでも何冊か読む中で、自分の気持ちが反応する詩と出会った時に感じる部分に、自分が詩を触れるための接点があるのだと感じました。

3月

3月はあまり読めませんでしたが、『メグレと若い女の死』を読んだのが大きかったです。
事件を通して、この世界で上手く生きる事ができなかった女と、上手く生きていく事ができない男の人生が描かれており、読み終わった時の満足感が高く、完全にハマりました。
また、数年ぶりに『ポケットにライ麦を』を読んで、記憶以上に無駄のない構成だったのが印象的でした。
短い中にも過不足のない描写でしっかりと童謡殺人を描き、最後は、グラディスの悲哀とミス・マープルのキャラクター性まで浮き上がらせているのはさすがです。

4月

4月になるとメグレシリーズへ一気に前のめりになり、ドラマや映画にも手を出していきました。
『こみっくがーるず』が最終回を迎えたのは寂しかったけど、最後まで面白かったです。

5月

5月はミステリマガジンに掲載された「ナイチンゲール荘」のクリスティー自身による戯曲『見知らぬ人』を読んだ流れから、原作とヴォスパーの戯曲の再読、映画の再見を一気にしたのが印象に残っています。

6月

6月は読書量は少なめですが印象に残っている本が多いです。特に漫画では『うめともものふつうの暮らし』経由で出会った『家が好きな人』、小説では前から少し気になってた草野唯雄さんを始めて読めたのが良かったです。

『山口線“貴婦人号”』は、ミステリー慣れしている人にはわかりやすい仕掛けですが、読みやすい文章や捜査陣一人一人に至るまでキャラがたっている事もあり、時代を感じる所もありましたが面白く読めました。いずれ著者の別の本も読んでみたいです。

7月

7月は久しぶりの平次長編の再読と、芝居の観劇に合わせて蜘蛛の巣の再読、そしてドラマを観た流れで初E・S・ガードナーと盛り沢山でした。
『フランクフルトへの乗客』も、富田雄一郎さんのクリスティとワグネリズムを考察した論文を読んだおかげで、新たな視点で再読できて面白かったです。

8月

8月は読書量は少ないですが、どれも良かったです。
『アリバイ』を急に再読しています。理由を覚えていませんが、多分『蜘蛛の巣』からの流れで、何か戯曲を読もうかなという感じだったはず。

マイケル・モートンが戯曲化しているため、ベルギー人ではなくフランス人らしきポアロは二次創作で描かれそうなキャラクターになっていますが、改めて再読すると、原作を簡略化させながら、ミステリ劇として必要な伏線は張っており手堅い作りだと思いました。原作を読んでから、どのように調理したのかを意識しながら読むと楽しめると思います。

9月

9月は戸森しるこさんを多く読めて良かったです。どれも好みに合い面白かったですが、特に『ゆかいな床井くん』が好きでした。クラスメイト一人一人が人間臭く多面的な存在で、もっとこのクラスで起こる事が読みたかったなと読了後に思いました。
改めて振り返ると、先月に続いてメグレを読んでなかったことに気づきました。

10月

10月も読書量は少な目ですが、読書の幅も広く、どれも面白く読めました。『ミセス・ハリス、パリへ行く』は、自分に正直に、そのために努力して動いき得たもので素直に感動しました。映画も良かったです。

昔から大ファンの悠木碧さんのエッセイは、碧ちゃんの楽しそうな語り口や、周囲の人への思いやりが心地よく、とても気持ちよく読む事が出来ました。

『さみしい夜にはペンを持て』は、ストーリー仕立てで先が気になる作りになっており、豊富な挿絵やタコジローの日記のデザインも作品世界に入るのに相乗効果を与えており、完成度の高い一冊でした。

11月

11月も、比較的バリエーションが豊かな感じがします。
特に印象的なのは椹野道流さんの『祖母姫、ロンドンへ行く!』になります。

笑いあり感動あり学びあり、一緒に旅行した気になれる満足度の高い本で、きっと何度も、祖母姫と孫娘のロンドン旅行に同席させてもらう事になると思います。祖母は、プライドの高さ故、面倒臭い所もありますが、同時にそれは「自分を信じて努力して、その結果生まれるのが、自信よ」と人生の経験に裏打ちされており、その自信が最良の形で現れることも多く、人生の先輩としてお手本になる場面が沢山ありました。また、飛行機やホテルで出会うティムを始めとするスタッフ達のホスピタリティの高さは、自分の日常や仕事の上で学びとなる事が多かったです。

12月

12月は急に若さまを読みだしたり、〈海の上のカムデン〉シリーズを再読したくなったり、変化の多い読書でした。
図書館漫画を2冊読み始めましたが、どちらも独自の魅力があって面白いので続きも読んでいきたいです。
うめもも、フィギュア原型師、大家さんは、どれも安定して面白かったです。


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