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金曜の昼はビール!だけじゃないオーストラリアの働き方

こんにちは!貿易実務マナブくんの中の人です。

かれこれ10年前になりますが、私はオーストラリアの現地企業で働いていました。大学卒業後そのまま海外へ行ってしまったので、私の会社での「働き方」はそこでの体験がルーツになっています。

そもそもなぜオーストラリアへ行ったのか

大学卒業後、知り合いのツテでオーストラリアの現地企業のボスに声をかけてもらいました。「こっちへ来て仕事をしないか?鍛えてやるよ」と言ってもらえたので、そのまま行くことにしました。決め手はというと、特にその後の人生戦略があったわけでもなく、誘いを受けた時にはすでに自分の中で「行く」という答えが出ていたというのが実感です。

どういうところで働いていたのか

現地の食品貿易会社です。海外から商品を輸入し、国内の企業に販売するという業務をしていました。輸出もやっていましたが、私が関わっていたのは主に輸入の業務です。

今回は(10年前の記憶を掘り起こしながら)そこでの働き方の特徴と自分がどんな影響を受けたかを紹介がてら、自分たちの働き方をもっと良くする方法について考えてみたいと思います。

やっぱり昼からビール(もはや有名?)

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金曜のランチはチームで一緒に食べることが多かったです。そしてみんな必ずビールかワインを飲みます(午後に大事な会議があるとかなら別ですが)。ランチから帰ると他のチームの人にシラーズ?(ワインの品種)と言われるので、VB(ビールの銘柄)と答えると喜ばれます。

お昼にお酒を飲んでそのまま午後の仕事に取り掛かるので、金曜午後の仕事はだいぶリラックスしたものになります(ものは言いよう)。合言葉は「Next Monday!(来週やるよ!)」。

午後5時には誰もいないオフィス

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午後4時半くらいになるとみんな帰り始めます。5時まで仕事しているとワーカホリック扱いされます。

とはいえ厳密な終業時間などはないらしく、朝早く(8時くらい)に出社した人は4時半に帰り、9時に出社した人は5時半に帰るなどしていました。

じゃあ帰って何をするのかというと人それぞれで、気の合う友達と飲みに行ったりするか、家族と過ごすかします。ただデパートなどお店が閉まる時間も早いので(みんな早く帰りたい)、私のマネージャーなんかは家庭があることもあり、夜はあんまり遊べなくて退屈だよなんて言ってました。

ポジティブでフレンドリーなコミュニケーション

チーム内でのコミュニケーションは、基本的にポジティブで思いやりを大事にしています。

誰かに仕事を頼むときによく聞くのが、"Would you do me a favour〜(〜してもらってもいいですか?)"というフレーズ。チームメンバー同士でも、マネージャーから部下に対してでもよく使います。

立場など関係なく相手に頼み事をするのであれば相手にも断る権利があるという意識があるようです(個人の感想)。「仕事なんだから言われたらやるべき」という観念よりも、その人の意思や価値観を優先する意識が強いのでしょうか。

私はその方が長期的な生産性は上がるよなーと今でも考えていますが、この経験の影響です。役職は単に役職であって、個人の人格とか偉いとか偉くないとかとは無関係と切り分ける意識があるようにも感じました。

また、例えば仕事で誰かがミスをした際はチーム全員で解決に動きますが、無事問題が解消されると、「すみません、私のせいで..」とミスをして落ち込んでいる人に「Fixed!(解決したよ!)」と笑顔で声をかけ、問い詰めることもしません。

その後は、なぜそんなミスが起きたか、また起きるのか滅多にないことなのか、どう改善するかなど、人ではなく課題にフォーカスした簡単な会話があります。

何を大切にするか。

ワークライフバランスという言葉はすでに日常に定着していますが、一体何を大切にしたらワークライフバランスがとれていると言えるんだろうという疑問をいつも感じていました。

10年前の経験を振り返って思うのは、オーストラリアの人々がワークライフバランスを成立させるために大切にしているのは「自分と他人の価値観を尊重する」という意識ではないかということです。

それはたとえば、「みんながプライベートを充実させること」を目的とするのではなく、「プライベートを充実させたいという他人の価値観を尊重する」ことを目的とするみたいなことです。プライベートを充実させたい人はそうすればいいし、仕事を断りたい人は断ればいいし、お昼からビールを飲みたい人は飲めばいい。そうじゃない人はそうしなくておっけー。

それによって彼らが得ているものは何かというと、それは一つの「心理的安全性」なのではないでしょうか。

自分の会社でどれだけできているんだと言われるとまだまだですが、まずは昼ビールの実現を目指そうと思います。








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