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ハンカチを2枚持ち歩く

こんにちは。特別支援学級教員13年目のMr.チキンです。
色々なことのあった一週間でした。
でも、大変だったことが、今後の学級にプラスになるような気がしています。
何はともあれ、金曜日。ウキウキしますね。
今日は、私がハンカチを2枚持ち歩いている理由についてお話をします。

ハンカチを2枚持ち歩いています

ハンカチ・ティッシュ調べするからな~!しっかりハンカチを持ってくるんだよ!

と、よく学級の子どもに言っています。
そんな私は、ある年から、ハンカチを2枚持ち歩くようになりました。
人より汗っかきな私なので、ハンカチは必須なのですが、
それとは別に、ある人の影響を受けて、ハンカチを2枚持ち歩くようにしているのです

赤鼻のセンセイって知ってますか?

私が学生だった頃、「赤鼻のセンセイ」という大泉洋主演のドラマが放送されていました。

院内学級の教員であり、ホスピタルクラウンでもある主人公の葛藤を描いたドラマです。

ホスピタル・クラウンとは、クラウン(道化師)が小児病棟を訪問し、闘病中の子ども達に笑顔を届ける活動です。

闘病中の子どもたちに笑顔を届けるホスピタル・クラウンより

学生の頃は、まさか自分が初任で病弱養護学校へ行くとは思っていませんでしたが、特別支援教育を学んでいたことから、かなり関心をもっていました

東日本大震災とホンモノの”赤鼻のセンセイ”

社会人になった1年目の終わりごろ。
福島県の特別支援学校で初任者として赴任していた私は、東日本大震災に罹災します。

日常のすべてが崩れ落ちていく感覚。
大学の頃、国語の教員免許をとる「国文学史」の授業で、教授が言っていたことを思い出しました。

第一次世界大戦の前と後で、文学は変わった。大量殺りく兵器が投入され、”人は人をこんなに残酷に殺せるのか。”という絶望感が、文学を変えた。

東日本大震災も、私の中では同じでした。
東日本大震災の前と後で、世界が変わったような感覚がありました。
”人の命が自然にいとも簡単に飲み込まれていく”という絶望感。
そして、それは子どもにとっても同じだったのではないかと考えました。
知人が東京学芸大学に在籍していたため、そのつながりで、ボランティアを始めました。
そのボランティアの中の一つに、”みどりの東北元気キャンプ”というものがありました。

東北で大変な思いをしている子たちに楽しい思い出を持ってほしい・・・

東京学芸大学の小林教授らが企画したボランティアキャンプです。
私は数回の参加しかなく、アウトドアのスキルもなかったため、大した活躍はできなかったのですが、、、
東京での事前研修では、”赤鼻のセンセイ”のモデルである副島賢和(そえじままさかず)先生に出会いました。これは私の人生を大きく変える出来事でした。

”鏡に向かって失敗の練習をする”

副島先生は、私たちの前で大道芸のパフォーマンスをしてくれました。
でも、大道芸の一番大事なところで、ボールを観客席に落としてしまいます

あ!失敗した!

と客は思います。副島先生も”あっ!”という顔をします。
そして、

「ボールを拾って!投げて!」

というジェスチャーをします。そして、客から投げられたボールをそのままジャグリングするのです。
投げたお客さんはホッとした表情。ジャグリングが終わると、副島先生は投げたお客さんに手を向けて拍手を要求。観客から拍手喝采です。

このように、演者が上手に失敗すると、主役はそれを助ける人に移りますね。

と副島先生はおっしゃいました。

だから、私は、鏡を見ながら失敗の練習をするんです。

それが冗談かどうかは分かりませんが、私はすごく感動しました
授業の中で主役は誰なのか。それは、子どもなのです。そんな当たり前のことなのですが、それを追究するという姿に大変感銘を受けたのです。
今の私の指導の根幹は、赤鼻センセイから学んだものが大きいです。

ハンカチを2枚持ち歩く

そんな副島先生は、東日本大震災の直前に、プロフェッショナル仕事の流儀に出演されています。
私はDVDを借りて何度も見ました。
特典映像の中で、副島先生はハンカチを2枚持ち歩くというお話をされていました。

2枚持ち歩くと、1枚は自分のために、もう1枚はだれか人のために使うことができる。

と言っていました。
憧れの人の言葉ですから、単純な私は、さっそく次の日からポケットに2枚ハンカチを忍ばせるようになりました
コロナ禍で、ハンカチの貸し借りはできない世の中になってしまいましたが、心の余裕があると、人にやさしくなるものだと実感します。
手軽にできることなので、もしも良いなと感じたら、ぜひやってみてくださいね。
では、またね~!!

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