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✓正体/染井為人

▽あらすじ
埼玉で二歳の子を含む一家三人を惨殺し、
死刑判決を受けている少年死刑囚人が脱獄した。
東京オリンピック施設の工事現場、
スキー場の旅館の住み込みバイト、
新興宗教の説教会、
人手不足に喘ぐグループホーム…
様々な場所で潜伏生活を送りながら
捜査の手を逃れ、
必死に逃亡を続ける彼の目的は…?


▽感想

(ネタバレ含みます)


オーディブルで視聴。

脱獄犯の逃避行なんだけど、なんだけど!
物語を読み進めるうちに
どこか優しくて憎めない性格の犯人に
なぜか情が湧いてくるようになる。

まさか脱獄犯の正体が冤罪によるものだったなんて
犯人がしてきた良い所は
だんだんと人の心の中に入り込んでいく。
友達だったり、同じ思いをした人だったり、恋人だったり。

最後の終わり方があまりにも
無念すぎたなと思う。

あの現場で助けていなければ。
おばあさんがアルツハイマーじゃなければ。
警察が親身になってくれれば…
彼の正体は違うものになったと思う。

彼が亡くなった後も
彼のために戦ってくれる人を見て、
彼の本当の人の良さがなけれれば
してくれないことだなと思った。


✓正体/染井為人/光文社文庫

↳文庫本

↳Audible

サンプルもありますので、ぜひ


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