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✓サード・キッチン/白尾悠

▽あらすじ
念願かなってアメリカの大学に留学するも、
英会話がままならずひとりぼっちの尚美は、
ある日、人種や性格などあらゆるマイノリティが
集う特別な学生食堂に招かれる。
手作りの多国籍な料理に癒されると同時に、
自らに潜む偏見や差別意識に気づいた尚美は
初めて自分と深く向き合う。


▽印象に残った文章

もしもこの国で生まれ育ち、
幼い頃から絶えず偏見に晒され続けたなら?
きっと怒って、悲しんで、うんざりして、
それが積りに積もったら・・・。

How can they become what they are?
どうすれば彼らは彼らになれるの?

無知も無関心も差別

「自分の居心地のいい場所で、
自分と似たような価値観の人たちから、
聞き心地のいい言葉だけを聞いて、
わざわざ不快な話なんか聞かないよって、選択。
選べるってことは特権なんだよ。
差別される側は、
日々嫌でも直面する現実を無視する
選択の余地なんてないから。」

何の疑いも持たずに、
見たいものだけを見たいように見てるって
知性がないし・・・

▽感想
人種、性別、種類、ラベル。
私たちは色んなもので色なカテゴリに
振り分けられる。

自分が何に振り分けられて、
自分以外は何に振り分けられるのか。

そんなことを考えさせられる小説だった。

ステレオタイプだったりと、
日本でしか生活したことのない私には
なるほど、自分はこんな偏見を
向けられるのかもしれない、
私だって気づかないうちに偏見を
向けているのかもしれないと思った。

無知や無関心は差別と一緒。


✓サード・キッチン/白尾悠/河出文庫

↳サンプルもありますので、ぜひ

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