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✓われら闇より天を見る

▽あらすじ
アメリカ カリフォルニア州。
海沿いの町のケープ・ヘイヴン。
30年前にひとりの少女の命を落とした事件は
いまなお町に暗い影を落としている。

▽印象に残ったフレーズ

「欲しい物を求めるのが願い、
必要なものを請うのが祈りだ」

「あたしはひとりぼっち。
あたしは弟の面倒を見つづけるけど、
あんたはどうせあたしたちを見捨てる。
本気できにかけちゃいないんだから。
だから好きな事を言えるんだよ。
あたしを元気にさせられそうなことを。
だけど、
あんたななんかくそ食らえだ。
みんなくそ食らえだ。」

ハルが手をあげた。ロビンも。
それからゆっくりと、
たいへんな努力をしてダッチェスも、
ふたりに手を上げてみせた。
三角形はいちばん強い形なのだ。
そう数学で教わった。

▽感想
描かれている事すべてが悪い事ばかりで
これから幸せになるのかと思えば
そうではなくて…
幸せが手から滑り落ちていくとは
こういうことを言うんだよなあ

ダッチェスが酷く大人たちを嫌うのも
自分と弟だけで生きていこうとするのも
幸せになると思ってないからだと思う
頼るだけ無駄、期待するだけ無駄
そう思ってしまってもしょうがないと思う

登場人物全員が自分ではなく
誰かのためを思いながら
毎日を送り、人生を削っている
胸がしめつけられながら
読んでいった。

最後の最後で全てが明らかになって
暗闇に光が差す。
まさにタイトル・原題の通り
われら闇より天を見る
涙が止まらなかった。

We begin at the end
これを
われら闇より天を見る
と訳したのは凄いと思った

ぜひぜひ、読んでみてほしい作品

われら闇より天を見る/クリス・ウィタカ―/早川書房

↳試し読みもありますので、ぜひ

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