「矛盾」と「不条理」で埋め尽くされたこの世界で
「矛盾に厳しい人」だと自身の性格を的確に指摘された日の出来事は、記憶に新しい。
そして、この世に溢れる不条理を目にしていく中でもまた、世の不条理について論理的且つ、正しく解いている本にも出会った。
人間は、生活に、仕事に、人を愛することに、誰かを大切にすることに、
忙しい。
忙しいが故に、何かを疎かにする。
そして、そこで嘘をつくことを覚え、
責任転嫁する方法だって身につけてしまう。
そんなものか。
何処も、そんなものか。
そう思ってしまうのにも、そう時間はかからない。
人間だからなのか。
それとも、この地球の中で国家が成立している上では
当たり前のことなのだろうか。
そして、この世界にどれだけ自分と同じように、「矛盾」に「不条理」に苦しんでいる人がいるのだろうか。
もしかすると、自分が苦しんだ過去など思い出せないくらいに、根付いてしまった大きな矛盾に呑み込まれてしまったのかもしれない。
どおりで同じような人間に出会えない訳だ。
突如として手にした大きな自由より、日常化されてしまった拘束を求めるように、人間は都合が良い。
そうした人間が育成された場所は決まって、マニュアルを掲げる組織なのだろう。
都合よくあって欲しいから、甘い言葉を巧みに使う。
同じ人間などいないこの世界で、「こういう人間」になって欲しいなんてふざけた意思を組織は持っている。
何十年と先の未来で、「無償で働いて欲しい」なんて言われてしまっても、
もうその頃にはイエスと答える準備ができてしまっている人間に、育成されている可能性だってある。
組織で働くということはそういうことなのだ。
「慣れ」が人間を、カテゴライズされたつまらない人格へと陥れる。
変わらない「規則」が、楽を求める人間の余地を作り上げる。
体裁だけの「言葉」が、人間の本来持つべき気持ちを削ぎ落とす。
変えなければいけない。
創らなければいけない。
何の為に。
それは、組織である前に、
人と人が関わる場所として、個人の為に。
消費者の為である前に、
自分たちの為に。
人と人の深い関わり合いのある場所からでしか、
確かなものは生み出せない。
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