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もやブロ #14 ワークショップから地方暮らしを考える(3/6 地方と関わるグラデーション#1考察)

こんばんは。移住5日目、湯沢オフィスを借り始めて3日目、チビ2人抱えながら什器組立て職人になってグロッキーです。もやです。

2019/3/6に東京は四谷にて「地方と関わるグラデーション」というトーク&ワークショップの第1回目を開催しました。きら星が法人化してからの初めてのイベントであります。1週間経ってしまいましたが、ようやく整理できそうなので、一緒に振り返りにお付き合いください。

イベント趣旨

まず「地方と関わるグラデーション」とは何ぞや?というところから共有させてください。
これは、私が移住を考え始めた時に出てきたモヤモヤが始まりです。ふるさと回帰センターに行っても、移住イベントに参加しても「うちの街に移住してきてください」という結論ありきで、「なんかとっつきにくいな、怖いわ。引くわ」と感じてしまいました。
弊社(きら星株式会社)は、主に移住する人たちのサポートを事業として行う会社なのですが、私は移住だけが地方暮らしの全てではないと考えています。もちろん、移住・定住してもらえたら、事業としては目的が達成できるのですが、個人の事情やライフスタイルは様々。
介護や療養などの都合で、家族の元を離れられないから二拠点居住から始めたい、だとか。いろんな地域を知りたいからヒッピー的に暮らしたい、だとか。東京にいたい理由があるけど、ふるさとに対して仕事以外の時間を使ってコミットしたい。だとか。
色々と幅があってもいいと思うんです。それが「地方と関わるグラデーション」。

このイベントは、地方もバラバラ、関わり方も、動機もバラバラな人たちをパネラーとして集めて、自らの地方暮らしを語ってもらうことで、イベントに参加した方々の理想の地方暮らしをより明確化しようという試みです。
移住に関するイベントなどは一方通行型が多く、移住フェスなんかに行ってもパンフレットをもらうだけで終わるという現状から、インプットばかりではなくアウトプットもすることにより、自分がしたい暮らしを深掘りできるのでは?という仮説検証をこのイベントを通じて行いました。

自分の理想の暮らしはイベントを通じて深掘りできたのか?

結果から言うと「できた」という感想を全員から頂きました。なので、このイベントの本来目的については成功です。

当日は何をしたか。アジェンダは下記でした。盛り上がりすぎて休憩はなし!!!ちょっと時間もはみ出て135分、ぶっ通しでワイガヤしていました。

1.自己紹介(20分)
2.実践者トークセッション(60分)
3.地方暮らしデザインワークショップ(50分)
4.クロージング(5分)

事前の把握では9名参加予定だったのですが、当日あいにくの天気だったこともあり、参加は7名。少人数だったこともあり、自己紹介は全員で共有させていただきました。
なお、当日のモデラーであるまっすう(富士市/起業してUターン)成田さん(南房総市/平日は会社員しながらIターン二拠点居住)のプロフィールについては、後半で紹介させていただきます。

なんと嬉しいことに、Twitterで私の投稿を見てお越し下さった方もいらして、発信していくことの大事さを実感することができました。
今回の参加者は、自分で心に決めた移住先がある方もいれば、いろんなところに行ってみたい方、やりたいことありきで地方暮らしを望む方、今まで地方という選択肢を考えてもみなかった方…とバラエティに富んでまして、お互いが自分の現在の暮らしを振り返った上で、どんな暮らしをしてみたいかのイメージをアウトプットする。一緒になった多様な価値観の方とシェアして情報交換する。そんなプロセスを経ることによって、より自分の理想が明確化した(逆にぼやけている部分が浮き彫りになった)というのが収穫です。

実践者からの学び

好評を博したコンテンツとして、実践者の生の話が聞けたことを上げていただきました。今回の実践者は、このお二人です。

■増田和芳氏(まっすう)
富士×Uターン×起業準備中×会社員
現在は、都内の企業でコンサルタント・研修講師として勤務。
故郷・静岡県富士市へ移住し、人材育成コンサルタント・ワークショッ
プデザイナーとして起業予定。未来に向かって活躍する人材の育成を営む会社「富士みらいクリエイション」の設立を準備中。会社員をしながら自分の強みを活かして独立、起業準備をする実践者。

まっすうは、長年の研修講師やコンサルタントの経験を経て、地元の富士にて未来を作る人材を育成するために独立起業されます。富士みらいクリエイションという会社を5月に設立のご予定です。
地方暮らしを考え始めたのは、ご自身の会社員勤めにて不調をきたしたりなどのご経験がキッカケだったそうです。忙しない東京や組織の中での活躍という場を続ける生活から、地元に帰り、今までの自分の強みを生かして開業をされるというお話を伺いました。
移住あるある「嫁ブロックは?」という質問をさせていただきましたが、東京出身の奥様も富士に対して良い印象を持っており、まっすうの更なるご活躍を願って賛成していただけているとのこと。いざ移住をするとなると、大きな壁は家族で、家族を納得させることができることが移住を成功させるポイントだと思いますね。

■成田剛史氏
南房総×Iターン×2拠点居住×会社員
平日は都内に会社員として勤務する傍ら、週末は千葉県南房総市の古民家をDIYし、地元の方々と関わりながら暮らす「デュアラー」の実践者。

成田さんは、元々若い頃からキャンピングカーで色んなところに行くことが趣味だったそうです。お子さんも大きくなったことと、また、東日本大震災をキッカケに、色々なところに行くこともいいけど地域に根付きたいという思いが芽生えたのだとか。
平日は仕事柄、出張を多くされているようですが、週末になると南房総まで出かけて、買い取った古民家のリペアやご近所さんの農産物の販売アイディアを出して東京にいる人たちと繋げる活動などをやっておられます。超多忙!
どうして南房総にしたか?というところも、かなり紆余曲折があったとお話くださり、地域を選定する、住まいを選定するのに7年ほど費やしたそうです。現在の古民家は、知り合いの不動産屋さんからREINS(不動産情報を流通させるシステム)に載せる前にどうか?と打診され、短い時間の中で決めてしまったんだとか。中古市場というのは宝探しのようなもので、私のマンションもそうですが、妥協点を見つけたらエイヤで飛び込むということも必要かもしれません。完璧な物件などはないので、ある程度の条件が折り合うところで踏ん切りをつけるのが地方暮らしを実現させるポイントですね。

お二人からは具体的な地方暮らしのノウハウ(地元の祭りなどの協賛金をどうする?家を買うときのポイントは?)などを伝授していただきました。
今回は少人数だったので、トークセッションをしながら参加者の方からも活発に質問が出るような、かなりあったかい、まさに”ワイガヤ”した場でした。話も尽きなかったので、ワークショップに移ってからも、質問や個別にフィードバックをしたりなど、参加者の方と実践者がうまい具合に混ざり合って、楽しんでいただけたようです。

イベントを終えて

社会人として忙しくしていると、普段の自分の生活について振り返る機会はなかなか持てないのではないでしょうか。
地方暮らしにおいても、ファーストペンギンになろうとするとかなり大変なので、先輩からの知恵を得ることによって、自分の考えが具体化したり、シェアすることで未来が見えたりすることが今回のイベントを通じて確認することができました。

運営にあたり、気をつけているところは「安心安全の場」であるということ。自分のライフスタイルをさらけ出すのは、なかなか勇気がいることですよね。なので、リラックスしながらという雰囲気も大事にしたいですし、個を最大限に尊重したい。
きら星としてイベントをする際には、参加者にとって有益な時間を過ごしてもらうコンテンツにすることはもちろんのこと、そんなベースについても大事にしていきたいなと感じました。

今回は参加できなかった方、次回以降も同様にイベントを実施しますので、是非ともご参集くださいませ。お会いできることを、楽しみにしております。

「魅力的なまちで溢れかえっている世界を」作り「地方で暮らす人を増やし消滅可能性都市をなくす」ことをミッションに動くまちづくり会社社長。湯沢町で暮らす2児の母でもある。