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イギリスでクリームティーを楽しもう!

先日ふと気づきました。
イギリスには、有名なカフェがないのでは!?

私はロンドンに住む前、ウィーンに長く住んでいたのですが、ウィーンには有名なカフェがたくさんありました。ザッハトルテでお馴染みのカフェザッハー、カフェーデーメル、それからカフェツェントラル、ゲルストナーなど、名前をあげれば他にも出てきます。メランジェと呼ばれるカプチーノのようなコーヒーと一緒にケーキを楽しむというのがカフェの醍醐味だったのです。

「イギリスはティールームなんだよ」
夫に言われました。

そうなんですよね、イギリスはお茶の文化。そして、そこでアフタヌーンティーを楽しむのですよね。

アフタヌーンティーはご存知でしょうか?
3段重ねになって登場するゴージャスなセットは憧れませんか?

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一番下がサンドウィッチ、真ん中がスコーン、一番上にはスイーツがのっています。アフタヌーンティーを食べるというと、なんだか一大イベントのようにワクワクした気持ちになります。けれど、これ、やはりとってもボリュームがあって、食べきれないのですよ。こんなに盛りだくさんではなくて良いから、スコーンだけ食べたい時がありますよね。そんな時に注文するのが、クリームティーなのです。これは、スコーンと紅茶がセットになっており、クロッテッドクリームとイチゴジャムが添えられているのです。

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前回ご紹介した、チャーチルのお家であるチャートウェルへ行った帰り、近くの街に立ち寄ると、魅力的なティールームがありました。チャーチル像の写真を撮って、街を歩いたらすぐに車に戻る予定だったのですが、このティールームを見つけたら、急に甘いものが欲しくなってしまいました。しかも入り口にはクリームティーの看板が。あわてて駐車場の時間を延長して、お茶を楽しむことにしました。

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さて、テーブルにクリームティーが運ばれてきました。
ここのスコーンは私が好きなタイプのスコーンでした。

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これまで何度かアフタヌーンティーやクリームティーを食べましたが、スコーンもお店によって違うのですよね。
パンのように表面が滑らかになっているスコーンもあれば、このように手作り感が満載の、少々大きさの異なる膨れたスコーンもあります。私は後者が好きなのです。

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では、ここで少しスコーンの食べ方をご説明しましょう。
まず、ふたつに割ります。そして、クロッテッドクリームを塗って、いちごジャムをつけます。はい、これだけです。

ここで、きっとスコーンに詳しい方から「ちょっと待った」とお声がかかるでしょう。そう、このクリームとジャムをつける順番、二通りあるのです。先にクロッテッドクリームをつけて、後からジャムをつける方はデボン流。先にジャムをつけて後からクリームをぬる方はコーンウォール流。”デボン”も”コーンウォール”もイギリスの地方の名前で、南西部の海辺に面したイギリスでも珍しいリゾート地のようなところなのです。我こそが正しい食べ方だ、といろいろ論争はあるようですが、お好きな順番でいただきましょう! ちなみに、私はクリームが先、夫はジャムが先派です。

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私が入ったこのティールームは、チューダー・ローズ ティールームという名前でした。

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イギリスでチューダー朝が始まったのは1485年、そしてイギリスにお茶文化が広まったのは1660年代と言われています。ということは、チューダー朝の頃は、まだティー文化は始まっていなかったことになりますね。ではなぜ、チューダーという名前が店名についているのでしょうか? 

どうやらそれは、建築様式のチューダー様式のことを指しているようです。切り妻屋根や白壁に柱や梁などを露出させるスタイルのようです。たしかに、このティールームの外観、チューダー様式のような感じですよね。

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建物が古い様式であるだけに、中で使われている食器もまたアンティークで味があるものでした。
カップの下が高くなっているデザイン、かわいいですね。

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イギリスにはウェッジウッドやバーレイなど、伝統的な陶器も有名ですから、素敵な陶器とともにクリームティーをいただくということも、楽しみの一つとなっているのですね。個人的には、このようなアンティークの食器と一緒に登場すると、よりいっそうテンションが上がります。

1880年代上流階級の女性たちの間で、ロングガウン、手袋、帽子の装いで午後のティーを楽しむのが習慣だったそうですよ。ちょっとその頃の気持ちになって、アンティークのカップを傾けてみたりして。


そういえば、友人や家族と一緒に出かけて、ちょっと休憩しようって誘うとき、「お茶しよう」って言いませんか? 日本もやはりコーヒーよりもお茶の方が馴染みがあるということなのでしょうか。いや、でも、その後は、「あそこのティールームに入ろう」というより、やはり、「あそこのカフェに入ろう」という方が自然ですよね・・・

まあ、お茶でもコーヒーでも、お好みでいただきましょう。

そして、イギリスにいらっしゃたら、ぜひクリームティーをお試しくださいね。

本日もご訪問いただきありがとうございました。

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