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映画「シン・ウルトラマン」 ヒーロー✖️ハードSF=深刻

配信で「シン・ウルトラマン」を鑑賞しました。
で、感想を書いてみようと思います。

まず最初に自分の立場を言っておくと、自分はウルトラマンに強い思い入れはないし(存在はもちろん知ってました)、特撮ものにもこだわりはありません。
また、庵野氏のファンでもなければ、アンチでもありません。

「シン・ゴジラ」は観ましたが、評価としては☆3つ(最高は☆5つ)。
言葉にすると「まあまあ」といったところです。
そんな人間の感想です。

ついていくのに必死

結論から言うと、「シン・ウルトラマン」は☆3つ。
ひとことでいうと、ついていくのに必死でした。。。

まず、カイジュウとウルトラマンの戦闘シーンは少なかったですよね。
クライマックスもカイジュウとの戦いではありませんでした。

でもまあ、「シン」と銘打って新しいものを作るんだから、昔のように「ウルトラマンがカイジュウと戦って、ウルトラマンが勝って、はい終わり」では確かにちょっと、、、という気がします。

「新しいウルトラマン像を!」という気持ちは伝わりました。
時代と共にヒーロー像も変わるし、むしろ変えていかないといけないとも思うので、そこに果敢にチャレンジしているのは良点だと思います。

あと、SF的ワードがあって、SF好きとしてはオッと思いました。
メフィラス星人が語った「外星人を人類の上位存在として認めさせて、人類を管理する」とか。
アーサー・C・クラークの名作小説「幼年期の終わり」を想起させられました。
実はこのウルトラマンはハードSFの要素が強めだと思います。

※話はそれますが、「幼年期の終わり」は面白いです。ご興味持たれた方はぜひ!


軽い気持ちで観られない

「シン・ゴジラ」はゴジラがヒーローとは言い切れないキャラクターだったのに対し、ウルトラマンってヒーローの認識ですよね。

それを今回「ミステリアスヒーロー」として捉えたところには新味があったのですが、それを描く手法が自分にはピンとこなかった。

「シン・ゴジラ」はゴジラを地震のメタファーとして表現していて、そのゴジラに日本的な会議シーンで迫っていくところに新味がありました。
で、今回も大きくいうとその手法(カトクタイの話し合いですすめる)を踏襲している。

でも、ウルトラマンはなんだかんだいってヒーローなので、ゴジラの手法だとウルトラマンを突き放しちゃうんですよね。
つまり、感情移入しにくい。

逆にいうと、この映画は「ウルトラマンの苦悩をウルトラマン視点でウルトラマン的に描いている」ところがすごく斬新。
でもこれって理解するハードルが高い。。。

視聴者としては、人間と外星人であるウルトラマンに両方感情移入しなくちゃいけなくて、でもウルトラマンがカイジュウと戦うシーンは少ないから、そういうアクション部分で感情移入はできない。

なのに、超フィクショナルなウルトラマン的視点になって、そこから人間の良さとは何かを見つめ直すっていう。

アメコミのヒーローはまだ人だけど、無表情で何考えてるか分かりづらい宇宙人の視点で人間の心奥を旅する。
(少し仏教的な視点。そこは日本的な良さともいえる)
もう論理がうねりにうねって、軽い気持ちで観る映画じゃない。。。

これが小説ならまた違った印象だったかもしれないけど、映画だしウルトラマンだし。。。

好みの問題かもしれないけど、もうちょいヒーロー映画として颯爽とした部分があってもよかったのではと思います。
全体的に深刻なんだよなあ。


総合評価 ☆☆☆

☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆  →まあまあ。
☆☆   →う~ん、ちょっと。。。
☆    →ガーン!

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