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ホラー映画感想「返校 言葉が消えた日」「アザーズ」

ホラー映画2作品を配信で鑑賞しました。
で、感想を書いてみようと思います。
両作とも「切ないホラー」でした。

返校 言葉が消えた日

台湾 2019年(日本公開 2021年)
監督 ジョン・スー

2017年に発売された台湾の大ヒットホラーゲーム「返校」を実写映画化。
国民党政権下の白色テロ時代を題材に描いたダークミステリーで、第56回金馬奨で最優秀新人監督賞など5部門を受賞した。
1962年、台湾では中国国民党による独裁政権のもと、市民に相互監視と密告が強制されていた。ある日、翠華高校の女子生徒ファンが放課後の教室で眠りから目を覚ますと、周囲から人の気配が消えていた。
誰もいない校内をさまよう彼女は、政府によって禁じられた本を読む読書会メンバーで、密かにファンを慕う男子生徒ウェイに遭遇。一緒に学校からの脱出を図るが、どうしても外に出ることができない。
やがて2人は、学校で起きた政府による迫害事件と、その原因をつくった密告者の悲しい真相にたどり着く。
映画.comより

ひとことでいうと「もったいない」、という感じでしょうか。

ホラー描写で間口を広げて、密告者は誰ぞやというミステリーもあり、歴史や恋愛のドラマもあり。
主人公が高校生で、夜の学校内をさまようということで、学園ものの要素もあります。
ストーリーの構成も工夫されているし、俳優の雰囲気もいい。
冒頭に書きましたが「切ないホラー」。後味もいいです。

と、こう書くといいことずくめなのですが、それらの要素を貫く文体がまだ未確立かなと。

上記で挙げたように、題材は魅力的なものが散りばめられているのだけど、全体で見ると彫りが浅い印象を受けました。
入口の敷居と出口の敷居の高さがそこまで違ってなかったというか。
ほんとにもったいない。
これだけの要素があれば、もっと深く遠くまでいけた気がします。

ただ、自国の歴史の暗部をエンタメとして昇華させた創作姿勢は好感が持てます。
台湾現代史の勉強にもなりました。

「歴史もの」ってなんか年齢が高い人のイメージだけど、こうやって味つけを変えれば、若い人の興味を引ける。
日本でも歴史を絡めたホラーを作ればいいのになあと思いました。

総合評価 ☆☆

☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆  →まあまあ。
☆☆   →う~ん、ちょっと。。。
☆    →ガーン!

アザーズ

アメリカ・スペイン・フランス 2001年
監督 アレハンドロ・アメナーバル

1945年、第二次世界大戦末期のイギリス、チャネル諸島のジャージー島。
グレースは、この島に建つ広大な屋敷に娘アンと息子ニコラスと3人だけで暮らしていた。夫は戦地に向かったまま未だ戻らず、今までいた使用人たちもつい最近突然いなくなってしまった。
屋敷は光アレルギーの子どもたちを守るため昼間でも分厚いカーテンを閉め切り薄暗い。そこへある日、使用人になりたいという3人の訪問者が現れる。
使用人の募集をしていたグレースはさっそく彼らを雇い入れるが、それ以来屋敷では奇妙な現象が次々と起こりグレースを悩ませ始める……。
映画.comより

こちらはいわゆる「どんでん返し」もの。
なのでネタバレできません。
って、この情報もある意味ネタバレだよな。すみません。

主演はニコール・キッドマンさん。
ニコールさんがほぼ出ずっぱりなので、ニコールファンにはたまらない作品です。

なので、ニコールさんのビジュアルについつい目がいくのですが、自分は声が印象に残りました。
ニコールさんの声って、こんな声だったんですね。初めてちゃんと認識したかも。
少しキンキンしてますが、嫌いじゃない。新たな発見でした。

内容に関して少しいうと、やはり「どんでん返し」が肝なので、どうしてもそこに力点が置かれてしまって、序盤はまだいいんだけども中盤だれた気がします。

加えて、「どんでん返し」の後にもうちょっとだけエピソードが欲しかった。
「どんでん返し」の切れ味を意識するのは分かるのだけれども、余韻に浸りたかったです。
でもこれは好みかな。

こちらも歴史が背景にある作品。
グロテスク描写はなくて心理ホラーといったところ。
後味は悪くないし、ある種しっとりした作品なので、今の季節に合うかもしれません。

ホラーにもいろんな味つけがあるなあ。

総合評価 ☆☆☆

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