ホラー映画感想「返校 言葉が消えた日」「アザーズ」
ホラー映画2作品を配信で鑑賞しました。
で、感想を書いてみようと思います。
両作とも「切ないホラー」でした。
返校 言葉が消えた日
ひとことでいうと「もったいない」、という感じでしょうか。
ホラー描写で間口を広げて、密告者は誰ぞやというミステリーもあり、歴史や恋愛のドラマもあり。
主人公が高校生で、夜の学校内をさまようということで、学園ものの要素もあります。
ストーリーの構成も工夫されているし、俳優の雰囲気もいい。
冒頭に書きましたが「切ないホラー」。後味もいいです。
と、こう書くといいことずくめなのですが、それらの要素を貫く文体がまだ未確立かなと。
上記で挙げたように、題材は魅力的なものが散りばめられているのだけど、全体で見ると彫りが浅い印象を受けました。
入口の敷居と出口の敷居の高さがそこまで違ってなかったというか。
ほんとにもったいない。
これだけの要素があれば、もっと深く遠くまでいけた気がします。
ただ、自国の歴史の暗部をエンタメとして昇華させた創作姿勢は好感が持てます。
台湾現代史の勉強にもなりました。
「歴史もの」ってなんか年齢が高い人のイメージだけど、こうやって味つけを変えれば、若い人の興味を引ける。
日本でも歴史を絡めたホラーを作ればいいのになあと思いました。
総合評価 ☆☆
☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆ →まあまあ。
☆☆ →う~ん、ちょっと。。。
☆ →ガーン!
アザーズ
こちらはいわゆる「どんでん返し」もの。
なのでネタバレできません。
って、この情報もある意味ネタバレだよな。すみません。
主演はニコール・キッドマンさん。
ニコールさんがほぼ出ずっぱりなので、ニコールファンにはたまらない作品です。
なので、ニコールさんのビジュアルについつい目がいくのですが、自分は声が印象に残りました。
ニコールさんの声って、こんな声だったんですね。初めてちゃんと認識したかも。
少しキンキンしてますが、嫌いじゃない。新たな発見でした。
内容に関して少しいうと、やはり「どんでん返し」が肝なので、どうしてもそこに力点が置かれてしまって、序盤はまだいいんだけども中盤だれた気がします。
加えて、「どんでん返し」の後にもうちょっとだけエピソードが欲しかった。
「どんでん返し」の切れ味を意識するのは分かるのだけれども、余韻に浸りたかったです。
でもこれは好みかな。
こちらも歴史が背景にある作品。
グロテスク描写はなくて心理ホラーといったところ。
後味は悪くないし、ある種しっとりした作品なので、今の季節に合うかもしれません。
ホラーにもいろんな味つけがあるなあ。
総合評価 ☆☆☆
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