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真壁幸紀監督が語る、映画『すくってごらん』に込めた思いや魅力とは? vol.2

全国劇場で公開中、映画『すくってごらん』

本作公開にあたって、『すくってごらん』で監督を務めた真壁幸紀監督に(ほの)と(まっぴぃ)でインタビューを行ってまいりました!

2記事にわたって、新感覚ポップエンターテインメント『すくってごらん』制作の裏側についてたっぷり紹介します。

vol.2となるこの記事では、奈良県での撮影、幻想的で妖艶な映像にするための工夫などなど、真壁監督に語っていただきます!

vol.1では、映画ならではの"音"にこだわった理由や普段の映画制作との違い、キャスティングの経緯などもお話しいただいたので、ぜひこちらもご覧ください!

↓ vol.1はこちら


(画像:映画.comより引用)

郷に入っては郷に従え?奈良に助けられた撮影

まっぴぃ:今回、奈良県を中心に撮影されたと思うんですが、奈良県での撮影はいかがでしたか。


真壁監督:僕は東京出身で、ずっと東京に住んでいるんですけど、奈良県での撮影は、のんびりしていて、現場が割と穏やかに進みました。

結構東京でドラマとか撮影したりしていると、罵声が飛んだりだとか、「あれ持ってこい!」「これ持ってこい!」みたいなことがあるんだけど...。

今回の現場では、そういうことが口に出せないような雰囲気というか、もっとのんびり行きましょうっていう感じがしてました。

それはすごく楽しかったし、コメディの作品においてはすごく大事だったなと、奈良の雰囲気が助けてくれたかなと思ってますね。


取り扱い注意!?邦画の昼

まっぴぃ:金魚だったり、田舎の風景だったりがとても美しかったんですけど、真壁監督が特にこだわったシーンはありますか。


真壁監督:金魚の町が、奈良県の大和郡山市っていうところなんですけど、今回は今井町っていうところで撮影をしました。

なんでそこにしたかっていうと、幻想的な場所で撮りたくて。日本家屋がずらっと並んでいて、昔の建物がいっぱい残っているところを使いたかったので、今井町にしたんです。

基本的には、夢を見ているような雰囲気をどのシーンにおいても大事にしていましたね。


まっぴぃ:暗いシーン、夜のシーンが結構多かったと思うんですが、それは何かこだわりがあったんですか。


真壁監督:単純に邦画の昼を撮影するのが、すごく難しくて…。なんか絵がのっぺりしちゃうというか、ダサくなっちゃう感じがして(笑)


ほの:風景とかがってことですか?


真壁監督:どこを切り取っても、なかなか難しいんですよ。だから、それをカッコよくするために、岩井俊二監督は逆光を使ってるんですけど…。

あれは逆にいうと、昼間のシーンを見せないってことなんですよ。逆光で照らして、細部を見せないってことで美しく見せています。

僕は10年くらいやってきてるけど、昼間の撮り方としてはそういう逃げ方しかないですね。

こういう幻想的な映画にするには、昼間をなるべく少なくして、夜のライティングを作るっていう風にしないと、なかなか雰囲気を持っていけないなっていうのをずっと感じていました。


ほの:夜のシーンが多かったんで、妖艶な感じで、一層吉乃の妖しさみたいなものが引き立ってた感じがしました。


真壁監督:ありがとうございます。その狙い通りなんですけど、やっぱり昼も撮らなきゃいけなかったので、なかなかね…。

逆光撮るかってなるんですけど、逆光ばっかりだとチカチカして目が疲れちゃうんでね。日本の映画を撮ってる者としては、そこは結構難しいところなんだと思います。


幻?現実?映像に仕掛けられた意図

まっぴぃ:レストランや「紅燈屋」、夏祭りのシーンなど幻想的で美しい映像がとても印象的でしたが、撮影していて、特に美しいと感じたシーンはありますか?


真壁監督:そうですね…。撮っていてどうなるかなと思ったのは、電話ボックスのシーンですね。

あそこは唐突になってしまうので、前後を気を付けるように撮っていたんですけど、お二人の歌唱力と表情で繋げてみたら、上手くいったなと編集の時に思いました。


ほの:香芝と吉乃が歌う「鼓動の理由」が、その電話ボックスが効果的に使われていたのか、MVみたいに感じました。


真壁監督:MV的な撮り方はちょっと考えてたんですけど…。というのも、今回曲がいっぱいあるので、撮り方は結構考えていて。

ただ、全曲MV的な撮り方をしちゃうと、なかなか感情が乗らないなと思ったので、割とキーポイントのシーンではMV的な撮り方をしました。


他の楽曲では逆に、MV的な撮り方をしないようにしていました。それは、いくらでも光をかっこ良くとか、もうちょっとキメ顔を撮るってことはできたんですけど。


基本的には映画ということを前提に考えていたので、そこはあえてダサく撮るっていうメリハリをつけていました



ほの:個人的な感想なのですが、あのシーン、直前まで香芝は金魚を見てたじゃないですか。

そのあと、金魚が吉乃に変わったので、吉乃は実は金魚だったっていうオチを想像してしまいました。普通の人間でしたが…。



真壁監督:もちろんそれを意図して狙っていて、香芝はどこかで吉乃を小赤だと思っちゃってるところがあって。


要は、彼女をこの小さな町から救うことによって、彼女はもっと羽ばたけるみたいなことを、香芝は勝手に思ってるんです。


水槽のことも王寺から聞いて、大きい水槽で飼わなきゃいけないんだと勝手に思ってるんです。なので、ああいう演出をしました。


基本的にどういう読み方をしてもらっても良いんですけど、もしかしたらこの町自体も、あの人たち自体も幻だと思われても良いかなっていう作りにはしています。


まっぴぃ、ほの:ああ〜!


一人でも、誰とでも、楽しめる『すくってごらん』

ほの:最後に、『すくってごらん』をどのような方々に観てもらいたいですか。


真壁監督:もちろん映画好きの方はそうだし、尾上さんは歌舞伎役者、百田さんはアイドル、ニコルさんはモデル、柿澤君はミュージカル俳優として、映画の外でも活躍しているので、これをきっかけに映画に興味のない方も映画館に足を運んでもらえると良いですね。

家族と観ても、恋人と観ても、もちろん一人で観ても楽しめると思うので、気軽に映画館に足を運んでもらいたいなって思います。

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いかがでしたか?vol.2では、奈良の雰囲気や映像に対する監督の考え方について語っていただきました!


映画『すくってごらん』は、全国の映画館で絶賛上映中!

ポップスやバラード、ラップ、弾き語りなどの多彩な音楽とダンス、さらに和の世界が融合した『すくってごらん』、ぜひ劇場にてお楽しみください!


↓映画『すくってごらん 』の公式サイトはこちら

執筆:映画チア部神戸本部 (ほの)

執筆協力:映画チア部神戸本部(まっぴぃ)

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