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軍国主義の復活?!自衛隊の靖国参拝。

今年の1月9日、陸上幕僚監部のナンバー2である小林弘樹陸幕副長(陸将)ら数十人が、靖国神社に参拝しました。
小林氏がトップを務める陸上自衛隊の航空事故調査委員会に所属する自衛官や事務官らが、年始にあたっての「航空機安全祈願」で参拝したものです。

参拝にあたっては「実施計画」を策定し、小林副長ら3人は公用車を使っていました。

さらに昨年5月17日、海上自衛隊練習艦隊の今野泰樹司令官ら幹部を含む自衛官と海上自衛隊の幹部候補生学校の卒業生が、長期にわたる遠洋練習航海に先立ち、制服姿で靖国神社に参拝していました。
その様子は靖国神社の社報の昨年7月号に掲載され、大勢の制服姿の隊員らが参拝する写真と共に「航海に先立ち正式参拝した」と記されました。

靖国神社とはどういう神社でしょうか?

靖国神社を戦前は旧陸海軍が管理していました。
国の管轄下にあったのです。
国家の戦争で死んだ兵士を「英霊」として祀り、国民が国家に殉じて喜んで命を投げ出すよううながすための精神的支柱として、国家主義や軍国主義のシンボルでした。

大日本帝国の兵隊たちは「靖国で会おう」といい合い言葉の下戦地で死んでいったのです。
戦後は民間の宗教法人になりましたが、東京裁判で戦争責任を問われたA級戦犯14人も合祀されています。
戦前の軍国主義日本が国家として靖国神社と深く関わった反省から、戦後は憲法20条3項で「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」と「政教分離」の原則を定めました。
それを受け1974年の防衛事務次官通達で、「宗教上の礼拝所に部隊参拝すること及び隊員に参加を強制すること」を禁止しています。

自衛隊側は、いずれも「部隊参拝」ではなく「自由意志に基づく私的参拝」だと主張しています。
陸上自衛隊の場合は、参拝者は案内を出した41人中22人で、全員時間休をとって私服で参拝。玉串料も私費で納めたとしています。
しかし、小林氏ら幹部3人が移動に公用車を使っており、部隊としての公務であったとみられても仕方がないでしょう。



近年、自衛隊は安保法制の制定後、軍事組織としての活動を広げており、軍備拡大も進んでいます。
戦前の軍国主義の象徴だった靖国神社に参拝することで、戦前と続く「旧軍意識」を自衛隊員に植え付けようとしているのではないでしょうか?

戦前、靖国神社は国民が国のために死ぬように強制するための精神的装置でした。
木原稔防衛相は「部隊参拝」禁止の通達の見直しをほのめかしています。
その意図は何でしょうか?
自衛隊員が進んで国家に命を投げ出すよう、戦前と同じような役割を果たさせようとしているのでしょうか?

平和憲法の国に靖国神社は必要ありません。


執筆者、ゆこりん、ハイサイ・オ・ジサン

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