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選挙結果振り返り(2024 4.21投票)


 56件もの選挙が予定され、無投票が15件出て、41件の選挙が行われた昨日。 そんな中、最も良い成績を残したのは、まさかの「オレンジ」でした。
 それを含めてあれやこれやと内容満載の選挙結果を振り返っていきましょう。 まずは「レギュラーコーナー」から。




▼【今週の彦治】埼玉県・伊奈町長選挙

 3期目を目指す現職。 無投票が濃厚な中、“選挙出まくりマン” 小西彦治氏が告示日に突然乗り込んで来て一転選挙戦になりましたが、当然現職が当選しましたが小西氏は得票率15.91%を獲得し供託金没収ラインをクリア。 同ラインを基準とした勝敗ラインで昨年夏からの首長選シリーズで通算「11勝3敗」としました。(※もちろん「当落」ベースで見れば、全敗です)
 コチラについては情報が集まっており、情報提供者から公開の許可をいただきましたので今週中に別の記事として出します。 小西氏が今回から導入した “新たなるアイテム” について詳しく紹介しますので、お楽しみに。

 次に、8つの選挙を振り返ります。


◎埼玉県・日高市長選挙

 4期目を目指す現職に元市議2人が挑む選挙は、自公推薦の現職が立憲社民推薦の新人と「完全無所属」を謳うともに元市議の女性新人の2人を破り4選を果たしました。

 数字だけを見れば新人2人を一本化できれば結果が変わったかもと見えなくもないですが、年代やキャラクターが異なるため難しかったのでしょう。 ただ、「完全無所属候補は立憲社民推薦の候補を嫌っている」というウワサを目にしたりしましたが・・・
 では最後に「政治家ソングマニア」でもある私から皆様へ、この曲を贈ります。 どこかで聴いたコトあるメロディを継ぎはぎしたような感じが最高です。


◎埼玉県・日高市議会議員補欠選挙(定数2/4人)

 市長選に2人出馬して空いた議席を争う選挙で、立憲公認の候補と無所属3候補の4人で2議席を争う選挙は、25歳の男性が頭ひとつ抜けて初当選し、2議席目を同世代の女性2人で争った結果、立憲公認の人が27票差で競り勝ち初当選。 市長選の「完全無所属」候補と連動して戦った候補はあと一歩、いや半歩及びませんでした。
 ただ、コレは何度でも強調せざるを得ませんが、当選した立憲公認の候補は昨年の本選に「反ワク医師」内海聡氏が代表を務める市民団体「市民がつくる政治の会」(旧 日本母親連盟)を母体とする政党から立候補し落選しています。 看板を野党第一党に替えて当選した形ですが、立憲は “そんな人” に公認を出したという事実は記憶に留めて、今後を見ていかなければならないでしょう。


◎千葉県・茂原市長選挙

 5期目を目指す現職に2期目途中で県議を辞した新人が挑む一騎打ちは新人が接戦を制し初当選しました。

 千葉選出の自民参院議員の支持が両候補に分かれるという分裂選挙となりましたが、石破茂氏が応援に来るなど組織力がより強かった新人が競り勝った形です。

 昨年9月、台風による大雨で浸水や土砂崩れなどに被害が出た茂原市。 現職は「川の嵩上げを引き続き県に求めていく」と話していたようですが、そのどこか他人任せにも思える発言に高齢多選批判が加わったコトを考慮すればよくぞここまで接戦に持ち込んだとも言えます。
 私は「多選否定論者」なので、当選した新人候補の資質は良く知らないまでもこの結果を見て「市民は良い選択をした」と思うのでした。


◎新潟県・阿賀野市長選挙

 3期務めた現職が退任を表明し、次の座をめぐり元市長と元新潟市議、維新公認の人、元阿賀野市議(1期)の、元職1人新人3人で争う選挙です。

 新潟で初の維新首長誕生成るか? と注目していたこの選挙。 元市長と元新潟市議は勝負にならず維新候補と元市議による事実上の一騎打ちと見ていましたが想像以上に元市議が票を獲り、遅れを取っていると見ていた2人も想像以上に票を獲り、その煽りを喰らって維新候補が伸び悩んだなという印象です。 後程触れる選挙も含め、新潟の維新は負けが続いています。


◎福井県・高浜町長選挙

 5期目を目指す現職に、3度目の町長選となる人と町長選初挑戦となる元町議、新人2人が挑む選挙は現職が5選を果たしました。

 3期10年務めた市議を辞して立候補した35歳女性候補。 “残酷パイセン” と呼ばれる福岡県行橋市議が過去に応援演説に来たコトが有るようなゴリゴリの右派だったり、町議時代に趣味(別職)の狩猟で仕留めた熊をさばいて(皮を剥いで)吊るし、その前で変顔をキメてFacebookに載せて大炎上した過去が有ったりとイロイロ「アレ」な人ですが、3回連続同じ顔ぶれの対決となりそうな構図を打破しようと立ち上がった姿勢には敬意を表します。
 しかし元町議は最下位。 上位2人はまたしても変わらずです。 町内に原発が立ち予算が潤沢な町で、既得権益を持つ人たちが頑なに手放さないコトの表れだと言えるでしょう。 少なくともこの状況は変えなければいけないと思うのですが・・・


◎長野県・栄村長選挙

 2期目を目指す現職に前回敗れた元職が挑む一騎打ちは現職が当選。 返り討ちで2選を果たしました。

 現職と挑戦者が立場を替えて再戦する「ダイレクトリマッチ」その①は現職の勝利でした。 前回より差は少し縮まったものの元職は連敗。 私がこれまで見た限りこのような構図で元職が勝ったケースを殆ど見たコトがないので順当な結果だと言えるのではないでしょうか。


◎山口県・美祢市長選挙

 2期目を目指す現職に前回敗れた元職が挑む一騎打ちは現職が当選。 返り討ちで2選を果たしました。

 現職と挑戦者が立場を替えて再戦する「ダイレクトリマッチ」その②です。 元職は2016年に42歳の若さで初当選を果たした、現職より10歳若いのですが、市長時代に不適切な行動が問題になり辞職(出直し選挙で当選)した過去が有る人で、いくら若さをアピールしても自公がガッツリ応援していた現職には敵わなかったのでした。 そもそも現職も60歳とまだまだ働ける人物ですからね。


◎新潟県・上越市議会議員選挙(定数32/39人)

 現職22人、元職2人、新人15人が立候補し、政党別では共産が3人、公明が2人、立憲・維新・参政・諸派(日本第一党)が1人ずつ立てた、女性候補11人の選挙は現職3人、新人4人が落選。 女性候補は8人当選しました。

 今週の「緑」と「オレンジ」の交差点はコチラでした。

 まずは「オレンジ」こと参政党。 前回の市議選に無所属で出馬し落選した人を公認し、神谷独裁者代表が投票日前日に現地入りするのに加えボードメンバーが2人入るチカラの入れようで熱く支援した結果、28位で当選しました。 ここまでチカラを入れて落選されては独裁者代表としてもたまったもんじゃないでしょうから、ひと安心でしょう。

 問題は一方の「緑」こと維新でありまして、

(統一地方選後の北陸信越ブロック戦績)
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 県内外の維新議員が手厚く応援に入り、「新潟維新の会」幹事長の磯崎徹 元衆院議員(元自民 不祥事で離党)が張り切って手伝っていたようですが、結果はまさかの最下位。 なんと “ポンイチ” こと日本第一党候補より票が獲れないという体たらくっぷりです。 いくらポンイチ候補が2021年の市議補選に出馬(して落選)した経歴が有るとはいえ、この結果は恥ずかしすぎる・・・

 コレ、幹事長の責任問題になってもおかしくない事態だと思いますが・・・

 共産は前回の選挙で1議席減らし、ここで更に減らすと公明に議席で並ばれる事態になるトコでしたが6位8位24位で3議席死守。 立憲は “日本酒配りマン” こと梅谷守衆院議員の秘書を立てて11位当選。 上越で初の議席獲得です。
 そして、統一教会との強い繋がりを指摘され昨年の県議選で2選ならず落選した自民系の人が22位で当選。「喉元過ぎれば…」という諺も有りますが、如何なものかと思いますよ。 マジで。

 最後に、「緑」と「オレンジ」が出ている選挙を取り上げてみましょう。


▼今週の維新

◎岐阜県・瑞穂市議会議員選挙(定数18/20人)

(東海ブロック)
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 42歳の特定行政書士の男性、という如何にも維新の候補。 選挙公報を見ると明らかに弱そうな候補が1人いるので「悪くても当落線上にいるように見えます」と書いたらホントに最下位当選でした。 いくら保守王国の岐阜でも、統一地方選後の “出せば上位当選” が当たり前だったイケイケの頃と比べたら、随分勢いが落ちたなぁと感じずにはいられません。


◎愛知県・碧南市議会議員選挙(定数22/26人)

 40歳の貿易商というコチラも維新の売れ線候補。 コチラも最下位ながら当選しました。 ただこの候補、昨年2度出馬していますがいずれも兵庫県内の議員選挙で、そのうち一度は、

神谷独裁者代表のtwitter-X より引用)

“選挙出まくりマン” になる前の小西氏と共に参政党のデザインに限りなく似せた政治団体「参(まじわり)政党」所属として出馬(落選)した過去の有る、かなり「アレ」な人です。
 別の選挙ウォッチャーの人が取材してトコロによると兵庫から碧南に出馬した理由は「碧南で出たかったから」というボケっとした理由で碧南市内に親類縁者はいないというコトなので、今後が心配な議員さんです。


◎京都府・京丹後市議会議員選挙(定数20/23) 

(近畿ブロック ※大阪府を除く)
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◎京都府・京丹後市議会議員選挙(定数20/23)

 53歳の女性候補を擁立。 柳ヶ瀬参院議員、青島健太参院議員(元ヤクルトスワローズ)が現地入りするなど手厚い支援を受けていましたが、結果は下位当選。 維新が勢力を伸ばしてきている京都においてもこの結果。 上記の図に載っている向日市議選(2023年7月30日 定数22)で3人擁立し9位10位16位で当選させた頃と比べると、京都でも勢いが衰えているように見えます。


◎兵庫県・丹波篠山市議会議員選挙(定数18/25人)

 44歳と46歳の女性2候補を擁立し、2人とも当選し8位9位。 この選挙だけが維新にとって満足いく結果だと言えるのではないでしょうか。 ただ、7位以上が4ケタ(千票以上)なので、そこに乗せれば見た目としてもインパクトの強い結果になったのですが、そこまでは行けませんでした。


▼今週の参政党 

(2024年の戦績)
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◎岡山県・倉敷市議会議員補欠選挙(定数2/7人)

 最大のビックリがコチラの選挙! なんとトップ当選でした!!
 同日実施予定の市長選が無投票になって関心が下がった結果、投票率が11.84%という超低投票率となり固定票を持つ候補に有利だったコトも要因でしょうし、候補者自身が岡山県総社市長の元秘書で、総社市長も応援していたコトも要因でしょうが、それにしても、いやはや何とも・・・


◎岐阜県・瑞穂市議会議員選挙(定数18/20人)

 維新候補の紹介で既に触れた選挙ですが、コチラに「ステルス候補」が出ていたので取り上げています。
 自民党を離党し参政党に公認申請を出すも「見送られた」そうで、無所属で出馬していますがイメージカラーから主張まで完全に参政党テイストです。  保守王国・岐阜でわざわざ自民を離党し、しかも行き先が参政党となれば支持者離れも有ったと思われ、前回から約3割票を減らしましたがブービーで当選しました。 恐らく今後追加公認されるでしょう。
 このように、神谷独裁体制になり応援演説に入って客を呼べるのが神谷氏のみになり、カラダはひとつですから応援に回るにも限界が有るため、この候補のように現職だったり地盤が有ったりで、放っておいても当選の高い人に対しては敢えて公認を出さずに戦わせるというコトが今後増えると私は見ています。 それで言えばですが、

 統一教会信者だと判明した現職を倒した候補が、龍馬プロジェクト(かつて神谷氏が立ち上げ、現在も活動を続ける政治団体)に所属していた形跡が有り(現在は不明)、イメージカラーもオレンジで当選の万歳も “バカバンザイ”(手を縦に上げる右派属性の人に多く見られるスタイル)なので、この人も参政党との繋がりが有るのではないかと危惧しています。 今回は「ステルス認定」しませんが、チェックしておかなければならない人物だと思います。
 だって、統一教会信者の市長の次が参政党支持者って、結構な地獄でしょ?


以上です
当選された皆様の御活躍をお祈り申し上げます




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