【レポート #65】参議院議員選挙・富山選挙区レポート(2022 7.10)
参院選レポートも今回が最終回。 最後を飾るは富山県になります。 当然ながら注目度の高いレポートを優先して書いていったので、私から見て富山県の参院選は最も注目度の低いものだと考えていました。
しかしながら投開票から2か月近く経過し(てしまっ)たコトが、このレポートに意味と価値を与える事態となっています。 独走で勝利した自民候補に今、襲っている事態。 野党のどうしようもない弱さ、そしてその中から一歩抜け出そうとしている、維新。 このレポートは今後の政局と照らし合わせれば、きっと価値が出てくるハズです。 どうかご覧いただきたく存じます。
◆富山県・概要
面積:4,247.61㎢(都道府県 第33位) 新潟県・長野県・岐阜県・石川県と接する
人口:1,018,679人(都道府県 第37位)
面積の約29%、人口の約40%を富山市が占める
県内の自治体は10市4町1村の計15市町村で、自治体数15は47都道府県の中で最も少ない
東側と南側に飛騨山脈(北アルプス)や両白大地がそびえる一方、北側には日本海があり、さほど大きくない面積で山の恵みと海の恵みの両方を得られる稀有な県である
知事:新田八朗(1期) 2020年の知事選で、富山県では初めて選挙プランナー(松田馨氏)を迎え、現職の多選を批判する一方で徹底したイメージ戦略を取り初当選した
選出国会議員は下記の通り(敬称略)
◆立候補者(定数1/6名)
◆2016年の選挙結果(改選分)
2016年は事実上の与野党一騎打ちとなりましたが野上候補が現職の強みを生かして3選を果たしました。 敗れた道用候補は野党共闘に担ぎ出されたものの敗れ、以降選挙には出ていません。
◆2019年の選挙結果(非改選分)
2019年は自民現職に国民民主の新人が挑む一騎打ちでしたが、自民現職がダブルスコアで圧勝、2選を果たしました。 敗れた西尾候補は2003年と2005年にに民主党公認で衆院選に立候補するも落選。 その後、国民→立憲と所属政党が変わりながら2021年の衆院選に出馬し落選と、議員になれないままでいます。
今回も現職の野上候補の4選は固いと見られる中で注目点を挙げるならば、次点は誰になるのか? 野党共闘ならず立憲と共産がそれぞれ候補者を立てる中、北陸地方では最も強い地盤を持つ富山の維新がどこまで伸ばせるかがポイントといえるでしょう。 それでは主要候補を見ていきます。
◆海老 克昌(えび かつよし)候補
海老候補は射水市出身。 浜松大学卒業後、高岡市の会社勤務を経て2011年の富山県議選に民主党公認で立候補し初当選。 2015年の県議選も無所属で当選し2期8年務め2019年は不出馬をし、今回は参政党公認で3年ぶりの政界復帰を目指します。
・・・ゴメンナサイ。 今まで参政党の候補は全て取材出来ていたのですが富山県だけは取材が出来ませんでした。 この日は「富山市内で街頭演説」とだけしか告知されておらず、他候補を追ううちに時間が過ぎて探し出せなかったのです。 海老候補は参政党候補者の中でも数少ない議員経験者(私が取材した7県の中では静岡の山本氏のみ)なので是非ともお会いしたかったのですが、残念です。
私が富山県を取材したのは公示翌日の6月23日。 海老陣営がこのような形でスケジュールを細かく出すようになったのは選挙戦中盤以降だったので、おそらく序盤は陣営が選挙活動に不慣れでスケジュールを出す余裕もなかったのでしょう。 参院選時の参政党は陣営の能力が各県ごとに差があったので、それを均一化して全国どこでも同レベルの選挙活動をできるようにするコトが参政党直近の課題といえそうです。
今回は約2万票で第5位でしたが次点までは倍ちょっとの差しかなく、自民以外は “どんぐりの背比べ” 状態の富山県なら、支部の運動能力次第では一気に第二党にまで躍り出る可能性を秘めており、今後も動向を見ていかなければならないでしょう。
選挙公報はコチラ。 海老候補はいわゆる “量産型かかしポスター” で他県でも見られるデザイン。 そして選挙公報はどの選挙区候補も殆ど同じデザインでした。 今後は候補者の個性を強く打ち出せるまで活動を広げられるかが重要でしょう。 もし次回の国政選挙でも選挙区候補のポスターや広報のデザインが全国共通なら、参政党は今回の “比例で当選狙い” というレベルより上に行けなかった証左と見て間違いありません。
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