見出し画像

組織文化(カルチャー)のつくり方① 〜イノベーションの起こせる組織をつくろう〜

◆イノベーションを起こすことができる組織とは?

みんなが同じような思考をしてしまう企業は、いずれ立ちゆかなくなるものだ。それを避け、イノベーションや変化を促進するためには、同調しない文化をリーダーが意識的に組織内に醸成しなければならない。これは筆者の10年近い研究の結果、さほど難しいことではないことがわかった。

アダム・グラント 同調しない組織文化のつくり方(ダイヤモンド社)より一部抜粋

ペンシルベニア大学ウォートン校の教授アダム・グラントは、リーダーに必要な資質は、組織のまとまりと創造性・独創性にとんだ意見交換をうまく両立させていくことであると述べています。同じタイプの人が集まっている組織からはイノベーションが生まれず、やがて衰退していくことになるでしょう。

イノベーションを起こすためには、メンバーにアイデア発想の機会インセンティブの還元そのアイデアを適切に確かめる人財を実力に基づいて確保するところから始めましょう。その際にリーダーは組織のまとまりと創造性・独創性にとんだ意見交換をうまく両立させていくことが求められます。

海軍の例があります。

海軍は20〜30代下級将校のボトムアップを対象に、イノベーションの大規模なタスクフォーカスを立ち上げました。このとき、若いパイロットであったベン・コールマンがイノベーションのリーダーをしていました。しかし、彼の評価はトラブルメーカー、破壊者、異端者というものだったのです。

コールマンはスピーディなイノベーションのための小さな集団「ラピッド・イノベーション・セル」を創設。海軍としては初めてのことでしたが、そこから変化を起こしました。独創的な思考を持っているメンバーの繋がりをつくり、協力し合い、海軍の固定概念に疑問を投げかけ、新しいアイデアを生み出していったのです。

しかし、この集団は海軍のエリートではありません。むしろ調和を乱す行動をしていたなどの前歴がある人で構成されていました。彼は、海軍全体でイノベーションを活発にし続けるために、あえて同調しない文化を作ることを実行したのです。現状維持に意義を唱えることは考えもしなかった水兵たちに声をかけ、新しい思考法を学ばせました。

メンバーには、イノベーション能力を持つ外部の組織でGoogleやロッキーマウンテン研究所などを訪問したり、イノベーションを学ぶためにシラバスを読んだり、定期的に自由な時間やオンラインフォーラムでもアイデアをブレストしました。

メンバーらは船上で3Dプリンターの使用や、ステルスでの潜水任務でのロボットフィッシュ使用の先駆者になるなど、海軍に新しい動きをもたらしました。コールマンは同調しない組織文化を作り、海軍をイノベーションが起こせる組織に変えていったのです。

一般のメンバーにイノベーションの機会などを、きちんと与えているリーダーはそう多くはないでしょう。創造性・独創性にとんだアイデアや組織の活性化のためリーダーが実践していることは、起業家の精神を持つ外部の人財を採用することだけです。

異才の人々は短期的に華々しく活躍しても、いずれ消えてしまう傾向がある。したがって一部のずば抜けた人々夢のようなクリエイティブな経歴を持つ人材に頼るのは、近視眼的で、それ以外の人々の力を見くびった方法である。実際にほとんどの人が、斬新な思考や問題解決という点で相当優秀な力を持っている。ただしそれが発揮されるのは、組織が調和の押しつけをやめた時だけだ。

アダム・グラント 同調しない組織文化のつくり方(ダイヤモンド社)より一部抜粋

しかし、こういった人財に頼る方法は間違っていると著者のアダム・グラントは指摘しています。優れたイノベーターは特別な能力を与えられた特殊な人間だという思い込みです。とはいえさまざまな研究によると、起業家の中でも長期にわたって成功しているのはリスク回避型の人々であることがわかっています。

チームのメンバーが同じ思考であり、規範に固執している企業には、変化が訪れず、いずれ衰退していくでしょう。

効果的な変化を起こすためには、リーダーが創造的・独創的な思考を維持し続けることが必要があります。著者のアダム・グラントは10年にも及ぶ研究から、以下の事実を明らかにしています。

①第一歩として従業員にアイデアを生み出し続ける機会とインセンティブを与え、部門や職務にかかわらず、誰もが因習を打破できるようにすること

②それと同時にアイデアを厳しく検証する適切な人材を確保すること(実力主義を徹底する)

③洗練されたアイデアを長期的に創出・選択し続けるために、組織の団結とクリエイティブな意見対立とをうまく両立させること

続く……

では、実際にメンバーの力を引き出し、アイデアの量を増やすにはどうしたらいいのでしょうか?

次回の記事で明らかにしていきますので、お楽しみに(^^)


◆モウトレについて

モウトレのセミナーを受けてみたい、詳細を知りたいという企業さまは、こちらのページからお申し込みください。

また個人で「受けてみたい!」という方は、こちらの記事にコメントをしてくださいね♪

◆妄想商品マーケット MouMa(モウマ)

19文字以内で実現可能性を考えない自由な妄想商品を、好きな値段をつけて出品することができるWEBサービス♪ 「こんなのあったらいいのにな〜」と一度でも考えたことがある人は、ぜひ使ってみてほしいです!

【問い合わせ先】
株式会社要 MouMa事業部
メールアドレス:mouma_support@kanamekey.com
または、公式twitter(@MouMa_official)までDMをお送り下さい。