料理とお酒の相乗効果
皆さま、お疲れ様です。
本さつまや7代目料理長の岸本竜彦です。
本日も宜しくお願いいたします。
私のお酒のデビューはお正月にお屠蘇で飲んでた赤酒でした。数の子との相性が抜群でした。
小学校の時のお盆に従兄弟のおじちゃんがビールの泡をくれた時、すごく苦いと思ったので今でもビールは苦い飲み物だと感じます。
ちゃんとした相乗効果のデビューは中2の時ケルンよしもとで味わった生牡蠣とシャブリです。
どっちもクセが強いのにお互いの旨味がグーンと高まってビックリしました。
大学4年の時に趣味悠々の田崎真也さんの番組の回でマリアージュを知りました。
握り寿司にはハーブの香りのソービィニョンブラン
天麩羅にはリースリング
ジビエにはスパイス香のネッビオーロ
鰻の回は土の香りのピノ・ノワール。
中華はメルロー
しゃぶしゃぶはシャルドネ
焼肉にはシラーズ
しかももっと細分化させて
寿司の穴子、タコ、ハマグリなど濃い目の味にはカベルネソービィニョン。
天麩羅のタラの芽の葉先をレモンと塩で食べる時はリースリング、根元を天つゆで食べる時はシュペトレーゼ。
焼肉のタレにはオーストラリアのシラーズ塩胡椒ならローヌのシラー、
焼鳥も塩とタレでワインを分ける
といった感じで新しい提案をされました。
この感覚をモノにしてお客様に提供できたら料理人として何倍も成長できると実地体験を重ねる旅が始まりました。
オテルドミクニ
タイユバンロブション (現在はジュエルロブションとして営業)
ホテル西洋銀座 (現在はパティスリーのみ)
ピエールガニェール
ハウステンボスエリタージュ(現在は閉店)
福岡の花の木
アルケッチャーノ
ジョビン長谷川
日航熊本の中村部長
ワインショップアラキ社長
イルカジーノ別城様
などなど今でも旅は続いています。
体力的に酒量が多かった二十歳前後が日本酒の地酒の冷酒ブームの真っ只中で、修行先の松葉の取引先のたわらや酒店さんとの関係も始まり日本食は日本酒、フレンチはシャンパンとワイン、イタリアンはスプマンテとワイン、中華とアジア料理は紹興酒の旅も始まりました。
修行時代は年に10日程しか休んでいませんでしたが、2ヶ月の内1日くらいお客様の引きが早く21時前後に帰れる時は地酒屋蔵さんにダッシュで向かっていました。
新市街に移転される以前は22時半オーダーストップでしたので満席で振られることもありましたが相当呑み、この店でかなり日本酒を覚えました。
青菜のおひたしとの相性、刺身との相乗効果、白身、赤身、醤油の時、ポン酢の時、塩の時、柑橘を振った時、焼き物、煮物、天麩羅と日本酒。
いずれ帰る地元には2つの大きな酒蔵があり身土不二を心がけていましたので、帰ったら郷土料理とその酒にドップリ浸かり比較出来るためにも修行時代は他所の酒をしっかり頂きました。
日本酒はつまみを選ぶというのもわかりました。
餃子やウインナーは絶対ビールが合いますし、焼肉と日本酒は合わない気がします。
水炊きは日本酒がいけますが、モツ鍋はハイボールか焼酎になります。
焼鳥もネギマ、野菜、ササミ梅肉、山葵的なやつは日本酒ですが
鶏皮、手羽先、豚バラ、タレ焼の内臓系なると違ってきます。焼そばお好み焼きもそうでしょう。
日本酒に特化すると献立は立てやすいのですが、お客様の趣向を考えると悩みどころではあります。
日本人として神棚に焼酎やハイボールを捧げることはありませんし、日本酒という古代から続くバイオテクノロジー製品としての神秘的な液体に敬意を表し、料理人としてこちら側から寄り添って料理とお酒の相乗効果を最大化したい思う毎日です🙇♂
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