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1月の読書記録

あっという間に2023年も一か月が過ぎました。
毎年のことですが、1月は気合も十分なので、読書でも、なかなかいいスタートダッシュが切れるんですね。
1月は11冊の本を読ませていただきました!

1月に読んだ11冊

読んだ順番に並べていきます。

『クラゲ・アイランドの夜明け』渡辺優
『店長がバカすぎて』早見和真
『カラスが言った』渡辺優
『君の顔では泣けない』君嶋彼方
『信仰』村田沙耶香
『滅びの前のシャングリラ』凪良ゆう
『流浪の月』凪良ゆう
『魔眼の匣の殺人』今村昌弘
『面接請負人』さくら壬生
『斜陽』太宰治

昨年から読み始めた渡辺優さんもようやく四冊読了。
凪良ゆうさんは先月初めて読むことができました。
『面接請負人』のさくら壬生さんは、プロの作家さんではないんですよね。
Twitterのフォロワーさんで、Kindleで出していたので読んでみました。
たまにこういう読み方をしてみるのもおもしろいです。

当事者と傍観者、周囲の意識。

いやー前から名前は知っていたのに、なかなか読まなかった凪良ゆうさん。
元々BLのほうで書いていた方というのも聞いていて、そこまで興味がわかなかったんですよね。
ところがどっこい!
むちゃくちゃおもしろいじゃないですか!
もうね、周りの人ももっとプッシュしてよ、と勝手に文句を言いたくなるくらい好きでした。
『流浪の月』は本屋大賞も取って、映画化もされたから知っている人も多いですよね。
19歳の大学生が9歳の少女を誘拐して、2か月一緒に暮らしていた、とされる事件。
実際は全然違うのだけど、周囲はそういうものだと認識して、悪質なロリコンの加害者と、可愛そうな被害者として接していく。
当事者にしかわかりえないことってたくさんある。
世間の正しさとか、一般的な常識とか、そういうことではなくて。
ただ、周りに理解されなくても、一人でもわかってくれる人がいるってことは、とても強いこと。
そんなことを考えさせられる作品でした。

当事者意識っていう点では、渡辺優さんの『カラスは言った』もそうですね。
こちらは、朝起きたら、窓の外、ベランダの柵のところにカラスが止まっていて、いきなり話しかけてくるって話。
それも、名前を呼ばれるのに人違いで、「誰それ?」ってところから物語が始まります。
で、そこからとある問題に巻き込まれていくんですが、そこでは、当事者ってどこまでなんだろうってのが一つ問題になります。
自分は当事者でもないのに、どこまで介入していいのかとか、関わっていいものなのかとか。
凄く悩ましいことですよね。
私も学生の頃だったら、友達や後輩が悩んでいたら、一にも二にも相談にのってなんとかしようって動いていました。
でも、大人になってくると、友達の家庭で問題が起きていても、まあなにもしないですよね。
話を聞いてあげるくらいが関の山。
自分が踏み込んでいいラインではない、と一歩下がってしまうものです。
究極言ってしまえば、当事者なんて本人だけなんだし。
そこに入っていくのは、最後まで付き合うだけの覚悟が必要にもなってきます。

自分の信仰するものと向き合いたい

村田沙耶香さんの『信仰』は、短編集でした。
最初に、表題作の「信仰」。
タイトルだけみたら、宗教の話かと思いましたが違いましたねー。
その人が信じるもの、大事にしているもの、軸にしているものを、信仰という言葉で表していました。
小説では、「現実」を信仰している女性が主人公で、口ぐせは、「それって原価いくら?」というもの。
だからほかの人のように純粋にいろんなことを楽しめない。
さて、それでは私にとって信仰ってなんなのだろう。
まあ、家族含めて、うちにも宗教があるので、そちらの考え方っていうのも、軸にはなっているのかな。
でも、それとは別に、これまで生きてきた中で培い、育ったものってやっぱりあるんですよね。
自分があとで恥ずかしいと思う行動はとりたくないとか、言ったことはきちんとやり切れる人間でいたいとか。
周囲に合わせてうまく生きていくのをよしとするのも一つの生き方ですよね。
流行に乗っていくのだっていいと思います。
こういうものって、犯罪でなければ、正解不正解ってないんですが、自分の行動原理を知った上でそれをしているかどうかって重要だなって感じます。

このシリーズの名前なんなんだろう?

あとは、今村昌弘さん。
1月は、『魔眼の匣の殺人』を読みました。
これは、今村昌弘さんのデビュー作でもある『屍人荘の殺人』の続編になります。
ですので、メインの登場人物は、葉村くんと比留子さん。
班目機関と関係のある施設が発見されてそこを調べるために、とある村へと向かい、事件に遭遇するって話です。
まだ読んでいないんですが、この次に、『兇人邸の殺人』が出ていますね。
今のところ、シリーズで三作。
このシリーズの呼び方がわからず、みんななんて呼んでいるんでしょうか。
シリーズの呼び名って大事ですよね。
米澤穂信さんだと、『氷菓』を始めとする〈古典部〉シリーズとか、〈小市民〉シリーズとか、〈ビリーフ〉シリーズとか。
東野圭吾さんの〈加賀恭一郎〉シリーズ、〈ガリレオ〉シリーズ。
伊坂幸太郎さんの〈殺し屋〉シリーズなどなど。
こういうのがしっくりくると、ついつい全部読みたくなるんですよね。

おわりに

さて、1月は上々の滑り出し。
今は、『作家超サバイバル術!』って本を読んでいます。
中山七里さん、知念実希人さん、葉真中顕さんという有名な作家さんが、小説家のリアルをテーマごとにエッセイ形式で紹介している本です。
これがまたね、小説家がいかに大変な職業かってのが伝わってきます。
小説家になりたい人なら必読だし、読書好きの人でも、好きな作家さんがどんなことを考えたり生活したりしているのかわかっておもしろいと思います。
ちなみにイラストは、YouTubeでいつも拝見させてもらっている佐藤青南さんが描いていて、こちらも個人的にとても好きです。
佐藤青南さんは、『犬を盗む』とか、『サイレント・ヴォイス』なんかが有名な専業作家さんですね。

2月もたくさん読みたいですが、そろそろ公募の締切が近づいてきたので、執筆のほうに集中して、少し本の時間を減らすかな。
たぶん、5冊か6冊くらいでのんびりいきます。

ではではまたー。

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