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本部御殿手

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本部家に家伝として伝わる武術に関する記事です。
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記事一覧

本部御殿手の取手(3)ー能動柔術と受動柔術ー

昨年、本部御殿手の取手の特徴について(1)と(2)の2つの記事を書いた。 ・本部御殿手の…

本部流
2日前
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複数敵と戦うということ

競技化された現代空手では、基本的に想定する敵は一人である。組手試合では対戦相手は一人であ…

本部流
1か月前
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上原清吉のフィリピン武勇伝?

昨年、アメブロのほうで「上原清吉の実像」という記事を書いた。どういうわけか、「上原清吉は…

本部流
2か月前
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スラ手:沖縄古来の気合い?

前回の「型の中の気合い」の記事は、型の中の見せ場で発する気合いについての記事であった。こ…

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本部流
3か月前
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棒高飛びによる脱出

琉球新報主催の本部朝基の「独占座談会」(昭和11年)で、以下のような逸話が語られている。 …

本部流
3か月前
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本部朝勇の影響力

坂口拳風(三重県古武道振興会、喜屋武朝徳伝少林寺流)の「武道の修練は道を離れず」(1982)…

本部流
4か月前
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ウフクン

最近(注:2017年)、空手の型の映像をいくつか見返している。先日、「糸洲安恒の改変」の記事を書いて以来、これまであまり研究してこなかったナイハンチ以外の型の変遷に興味をもつようになった。 それで、そういえば、昔上原清吉先生から宗家に送られてきたビデオテープの中に空手の型が含まれていたなとか、10年程前に本部家の縁者の元弟子の方から参考にしてくださいと、本部家由来の空手の型のビデオテープを送ってもらったなとか、そういったものを今回取り出して、改めてじっくり見た。 今日も、

宮城調常 ー上原清吉の弟子ー

最近、昔の資料を調べていたら面白い記事を見つけた。それは宗家(本部朝正)の友人で、昔上原…

本部流
8か月前
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兼島信助と本部朝勇

以前、『月刊空手道』2009年3月号で「渡山流 究武無限」と題して渡山流の兼島信助についての…

本部流
9か月前
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沖縄と本土の引き手の違い

昭和40(1965)年頃の話である。本土の全日本学生空手道連盟の選手一行が第一回沖縄遠征団とし…

本部流
10か月前
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本部御殿手の取手(2)ー対当身と対掴み手ー

「本部御殿手の取手(1)」で、大東流合気柔術やその派生武道(合気道、八光流)では座技が基…

本部流
10か月前
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本部御殿手の取手(1)ー座技と立技ー

先日の記事で述べたように、大東流合気柔術の武田惣角は明治12年(1879)、沖縄へ渡って「沖縄…

本部流
10か月前
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松村宗棍の上段蹴り

屋部憲通は本部朝基の親友で、2人は若年の頃より一緒に稽古した仲だったが、本部朝基は息子の…

本部流
11か月前
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本部御殿手の打撃技法

総合武術 1990年代になって、本部御殿手はさまざまなメディアで紹介されるようになった。それまでは秘伝武術ということで、上原清吉は公開を渋っていたのだが、弟子が無断で書籍を出すなどの出来事もあり情報発信に力を入れるようになった。 ただ当時、取手(沖縄方言でトゥイティー)を中心に紹介されたため、本部御殿手は「沖縄の合気道のような武術」と誤解されてしまったふしがある。実際は、打撃技法(当身)も用いるし、多数の武器術も包含する「総合武術」である。 本当てと仮当て 本部御殿手