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この世界で最高のプレゼント「 ありのままを受けいれる 」

今回は前回の記事でご紹介した ConoCoの保育手法、aibase保育の詳細を説明します。
aibase保育は保育をする上で大切にしたい6つのコンセプト、「 accept 」 「 individualize 」「 believe&wait 」「 attachment 」「 socialize 」    「 environment 」の頭文字を繋げた造語です。
今回は一番目の「 accept 」からご紹介します。

「accept」は「ありのままを受けいれる」

手つなぎ


aibase保育の最初の a は accept の a。
accept は、ConoCoでは「 ありのままを受けいれる 」ことと捉えています。

この accept を一番最初にもってきているのは、なにも a がアルファベットの最初の文字だからというだけではありません。保育において、いえ、すべての健全な人間関係において、「 ありのままを受けいれる 」ということこそが、すべての始まりであり、そしてある意味でゴールだと思っているからです。


ありふれた美辞麗句になりがち

しかしこの「 ありのままを受けいれる 」という言葉。
大変に耳ざわりよく、そしてまた同時に大変にありふれた言葉です。

なにかの歌詞や漫画のセリフでよくある、「 そのままの君が好き 」というのも似たようなところかもしれません。時がたって状況が変わってくると、そう思っていたはずのところが一番癪にさわるものだったりするんですよね、往々にして。

あるいは「 自己実現 」みたいな言葉も似たようなものでしょう。
自己っていったい何なんだ。突き詰めようとすればするほど、哲学的な底なし沼にはまっていくようです。

つまりなにが言いたいかというと、これらの言葉はその本質を理解することなしに、軽々しく使ってしまいがちな美辞麗句だということです。
多くの人が意味を突き詰めないままに使ってしまい、そして少々うんざりもしているかもしれないこの言葉の意味を、あらためてすこし掘りさげてみたいと思います。


「 ありのままを受けいれる 」とは

抱っこの手


「 ありのままを受けいれる 」というのは、いったいどういうことなのか。

それは、その子のもつ個性や背景、課題をもふくめてその存在まるごとすべてをこの世に歓迎することだと思うのです。
自分の言うことを聞いてくれるとか扱いやすいとかいわゆるいい子だとかなにかをできるできないだとか、そういった評価とはいっさい関係のないところで、その存在そのものを肯定することです。
だれかと比べることなく、目の前のその子自身のすがたを認めて、安心させてあげること、それが「 ありのままを受けいれる 」ということではないでしょうか。

そしてこの生の肯定こそが、子どもたちの自分自身への肯定感につながり、
生きていく上での力強さや社会へ向き合っていく姿勢の土台になると思うのです。

自分をありのままに受け入れられた子どもは、これから出会う人や世界に対して信頼感をもって前向きにかかわっていくことができます。
自らが受けいれられたからこそ、他の存在についても受けいれ、肯定してあげることができるようになるのです。

aibase の最初の a、accept は、つまりその後に続くすべてのかかわりを左右する起点であり根本であり、人生のスタートを強く後押しするものだと、ConoCoでは考えています。


大人が子どもにあげられる最高のプレゼント

小さなプレゼント


ともすればうわべだけに聞こえかねないこの言葉をコンセプトの最初に持ってくるには、そこに真摯に向き合い続ける覚悟が必要です。

同じような肉体をもちながらもわたしたち一人ひとりが似て非なる存在であることを決して忘れず、評価や否定を捨ててそのちがいを認めつづけること。それはある意味修行のようでもありますが、だれかの人生にかかわる仕事をする上で、その姿勢は欠かかすことのできないものだと考えています。

保育者のその自覚と自律のもとに「 ありのままを受けいれられた 」子どもたちは、きっとこれから生きていくこの世界を信頼して、自分に確信をもってその一歩を踏み出していけるはず。

そしてそれは、この世で大人が子どもにあげられる何にも勝る最高のプレゼントだと思うのです。

今日もその思いを胸に、あなたがこの世界に存在してくれてよかったというメッセージを、全身全霊で子どもたちに伝えたいと思っています。

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