Vol.38 兄と同じことをやりたがる弟、うまくできないと怒ります。どう接したらいいですか？
質問：小2の兄と同じことを年長の弟がやりたがります。レゴを作ったり、公園の遊具で遊んだりするにも、兄と同じようにやりたいけど、うまくできないことが多く、最初は頑張るのですが、怒ったり泣いたりになってしまいます。親から見ると今できなくても当然なのですが、本人はできないのが嫌なようです。どう接したらいいでしょうか？
★中曽根陽子の回答：
兄弟あるあるですね。兄弟は一番身近なライバルですからね。
弟君は、お兄ちゃんがやっていることをいつも見ているので、「同じようにやりたい」と思っているから、挑戦するのですね。
でも当然年齢的にできないことも多いはず。
だから、「怒ったり泣いたり」してやめてしまう。
でも、それも、見方によっては、「できるようになりたい！」という意欲の現れでもありますね。
最初から興味がなければ、やってもみないでしょうし。怒ったり泣いたりもしないでしょうから。
なので、弟君の「できるようになりたい！」という気持ちを、まず受け止めてあげましょう。
発達段階的に難しいことだったら、「もう少し大きくなったらできるようになる」と励ましてあげましょう。
その上で、「泣いているだけではできるようにならないよ」と優しく諭してて、「どうしたらお兄ちゃんのようにできるかな」「お兄ちゃんはどのようにやっているのかを見てみよう」と声かけしてあげてはどうでしょう。
お兄ちゃんに「どうやっているのかを見せてあげて」とお願いしてみてもいいですね。できる人を見て真似することをモデリングと言いますが、これも効果的な学習方法です。
このような関わり方を、心理学では「足場かけ」と言います。
全部手取り足取りやってあげるのではなく、学習者（やりたいと思っている本人）が自分の力だけで課題を遂行できるよう促すこと。熟達者（この場合は、親やお兄ちゃん）が、学習者が困っている場合のみヒントを提供する。というサポート方法です。
工事現場の足場をイメージしてもらえればわかると思いますが、ちょっと足場をかけてあげて本人が自分で登れるようにしてあげるのです。
ちょっと手助けをしてあげることで、本人ができたという経験ができれば、そこからまたやってみようという気持ちも生まれてくるでしょう。
根気強くやってみてくださいね。
★スタッフまりこのコメント：
うちは兄と妹が少し離れているものの、ゲームをやったりすると、妹はなかなか勝てなくて、キーっとなることがあります。本人も、兄と同じようにできなくても仕方ないとわかっているけど、追いつきたいという気持ちも強いようです。中曽根のアドバイスのように、気持ちを受容しつつも、「お母さんと特訓する？」と何度も対戦して、定石を教えてあげたら、次に兄と対戦した時は互角に戦えたようでした。
悔しい、という気持ちのエネルギーってすごいなと思います。そういう意味では、下の子は恵まれているのかもしれませんね。かんしゃくを起こしたりすると、親としては面倒だなと思ってしまうことも多いですが、成長のチャンスと捉えて、どっしり構えて対応できるようになりたいです。
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