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新感覚!解決しないミステリー小説 ロンドの旅

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国際指名手配犯となった妻を探すため、ロンドは小さい娘2人と旅をしていた。各国の著名人を狙った犯行を追う中で、手がかりを探していく3人。果たしてこの旅のゆくえは…。 主人公が途中…
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2023年7月の記事一覧

新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.3マスカットの事件

新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.3マスカットの事件

5.考察

ロンドたちが10歳になったころに開催された"上"の集合研修は、異例づくしのイベントであった。これまで個別にオンラインで行われてきたのに対し今回は複数名の対面型で、日程は長くても半日であったが10日間にも渡る長丁場だ。どうやら、直近3年間で大卒レベルの資格を得た者が対象のようで、小学2年生でそのレベルに達した彼ら3人にも声が掛かった。案内には集合場所と時間のみで、どこで行うどんな内容の研

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新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.3マスカットの事件

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4.突出

タウンの住民は生まれてから死ぬまで"上"の教育を受け続ける。小学校から能力による明確なクラス分けがあるが、最下位のクラスであっても卒業するころには全員が世界各国の最上位の大学にあっさり合格できる学力は持ち合わせている。ロンドたち3人はその中でもトップのクラスに入学したが、早々に博士課程までをクリアしたため、小学2年生で卒業した。さすがにこの前例はなかったのだが、偶々なのか、この学校は一

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新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.3マスカットの事件

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3.逸品

タウンの中で人気の料理店がある。店内は小ぢんまりとしているが、提供される食事や酒は絶品で、子供から老人、様々な人種の舌に不思議と合う料理であった。3人は店主を"マスター"と呼び幼少期から慣れ親しんでいる。ランチからディナーの間は店を閉めているので、この時間帯は彼らの溜まり場と化していた。恩師宅と同じくらいの頻度でよく通っていたのである。

 マスター、僕はこの店を拡張して従業員も増やす

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