虐殺器官/伊藤計劃

https://www.hayakawa-online.co.jp/smartphone/detail.html?id=000000003096

読了日2019/6/27
後進国で増加傾向が見られる内戦や大量虐殺には、一人の男が関わっていた。男を追う米軍太尉の主人公は、彼の元恋人とも深く知り合ううちに、人の持つ「器官」、中でも「虐殺に携わる器官」について思考を巡らせていく。
人間のみが持つ「言語」を諸内臓と同じく「器官」と見なし、人はそれによって争いを極めていく。虐殺の言語の伝播。言語が内臓と同じ器官なら病に罹患して死に至る、伝染病なら他人に移すこともある。それを人為的に行うジョンの動機は、自分(及び大事な人々)を守るため。守護のための攻撃。主人公のラストはジョンと同じ女性を愛したがゆえの結末なのかもしれない。と考えると、まさかの黒幕?
SFは好きだけど、どうやら軍事モノはあまり好きではないのかもしれないと思い始める。あえて狙った一人称「僕」の淡々とした書き方らしいが、そこも好みではなかった。後半になるにつれて一気読み。


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