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「重要プロジェクト制度」を導入して6ヶ月、のべ226個のプロジェクトが生まれたんだけど、うまくいってることとそうでないことを検証してみた

昨年の7月に代表、
役員をはじめとした大幅な組織変更を行いました。

そのタイミングで、新たな業務の進め方として「重要プロジェクト制度」を発足。現在、約6ヶ月が経ちました。

この間に生まれたプロジェクトの数は、のべ226個
その種となるデイリー課題の数は2,157個

まだ完全にプロジェクトを完了したという実例は少ないのですが、少しづつその兆しが見え始めています。

ということで、半年で実際どういう成果が出始めているのか、どんなうまくいっていることがあって、逆にうまくいっていないことはないのか検証してみることにしました。

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総論として、

【成果】
売上成長率が今期 1Q(←重要プロジェクト発足期)5.3%から直近の 3Q は 17.6%と拡大。ある重要プロジェクトの成果として訪問者が 123%伸びたことが大きく起因

【うまくいっていること】
課題の吸い上げから提案までのフローが浸透
たくさんのポストが生まれた

【うまくいっていないこと】
急な人員不足​

■数字としてどんな成果が出ているのか

2020 年 7 月に代表をはじめ、これまで複数の事業を成長させてきたクルーズ本社の取締役陣や、グループ内で子会社を牽引する役員を SHOPLIST に参画させ、前述のとおり、累計 200 個以上の重要プロジェクトを推進させています。

直近 3Q の売上は、8 四半期、約 2 年ぶりに売上成長率 10%以上となり、前年同 Q 比で 17.6%増加し、約 80 億 3,300 万円、営業利益は約 5 億 600 万円、営業利益率は 6.3%となりました。

前期 3Q の売上は約 68 億 3,100 万円、営業利益は約 1 億 4,400 万円、営業利益率は 2.1%であり、数字だけ見ると重要PRJ制を導入する前と後では売上、営業利益と営業利益率の全てが向上する結果となっています。

なかでも、売上成長率について言えば、重要プロジェクト制度を発足時の今期 1Q で5.3%、今期 2Q で 4.5%でしたが、今期 3Q は 17.6%と、上半期の売上成長率に比べて大幅に伸びているわけですが、その主な要因は、訪問者数が前年同 Q 比で 123%伸びたことが挙げられます。

この訪問者数をKPIにしている重要PRJがいくつかあるんですが、例えばその一つに2020 年 7 月に発足された「SEOで他社に負けないようにして自然流入・オーガニックを最大化するぞPRJ(*PRJ名は具体的な数字とか省いて簡略化しています)」があります。

新規ユーザー獲得の大半が広告経由で、もっとオーガニック・SEOで獲得していく必要があるという課題から、入社3年目に突入したばかりの女性の開発者が発案、PRJオーナーとして推進してくれています。

例えばどんなことを行っているかというと、コーデ写真を掲載することによって商品ページのSEO価値を高めたり、継続して掲載してもらえるような仕組みや新機能を追加したりなどなど、他社では当たり前にやっていたものからうち独自の試みまで、およそ300個以上の事実データから解決策を導き出し、実行に移しました。

■うまくいっていることはなにか

僕が見ている中でうまくいっているなーと思うことは、まず1つには、課題の吸い上げから提案までのフローが浸透してきたということ。

どんなふうにやっているかというと、毎日各部署でデイリーミーティングなるものを開催し、そこでユーザーやブランドさんが抱えている課題やニーズと日々現場社員が業務を進める上で抱える課題を洗いざらい吐き出させます。

半年でその数およそ2,157個。ユーザーの返品の仕方に対する不満から、ブランドさんの管理画面の使い勝手、さらには自社の営業が名刺を管理するツールがないというような細かいものまで、とにかくすべて課題を吐き出せます。

あがってきたデイリー課題を部長が見て、

①その場で口頭で解決できるもの
②仕組み化(会議のスライド化)して継続的に解決するもの
③これは売上や事業拡大に大きく影響するから全社的にPRJ化して行ったほうがいいもの

と振り分けます。ここで、部長が回答を次に持ち越さない、その場で決める、というのが一つミソとなってます。

③の全社的にPRJ化して行ったほうがいいものと判断されたものはすぐさま専用のチャットグループに起案者自らが投稿し、そこで社長が承認したら重要PRJの認定となります。さらに、それを全社的に浸透させるために、毎週行っているG7という、代表、役員、部長陣が参加する事業系最重要会議にて、代表自らが任命状を読み上げ、本人に手渡してPRJキックオフとなります。

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この課題を発見して重要PRJ化するまでの一連の流れが文化として現場に定着してきたなと感じているわけですが、そのドライバーとなっているのが代表自ら発信し、あえて仰々しく行って魅せることです。

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これは重要プロジェクト制度に限らずの話ですが、なにか新しく仕組みや制度を導入するときって、最初の勢いなどより、長く継続させられるかどうかが大事です。

もちろん進捗会議みたいな物理的な場を設けることも大事。ですが、やっぱり一番はトップが声高らかに重要性を訴え続けることと、それをサラッとやらずにあえて任命状とか作って仰々しくやることでその仕組の重要性や高貴さが醸成されていくもの。

手前味噌ではありますが、うちはそういう仕組や文化を作るのがうまい。

もう一つうまくいっていることに、たくさんのポストが生まれたという事実があります。

重要プロジェクトのオーナーは、大半がいくつかを兼務している場合が多いのですが、被りをなしに数えるとオーナーの数は39名(うち、これまで部長職などの地位に就いておらず新たにオーナーに任命されたのは33名)。これはCROOZ SHOPLISTの社員数の約4割に値します。

前述のとおり、プロジェクトのオーナーに任命されるとそのプロジェクトにおいては"代表と同じ権限を持って意思決定を行う”こととなります。

これ、普通にすごくないですか?

その事象においては社長代行と同じってことですからね。

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このオーナーの中には入社3年未満の新卒5人も含まれ、ちなみに1人内定者のオーナーもいます。

超高速でとてつもない裁量権を持ちましたよねw

こうやって多くのポストがいっきに生まれ、しかも、社歴役職関係なく誰でもそのチャンスがある。チャンスを得たオーナーは当然裁量権とともに大きな責任がのしかかるわけだけれども、成功しても失敗しても、その経験が本人の大きな成長につながる。事実、水を得た魚のごとく、目をキラキラ輝かせている若手社員をよく目にします。

■うまくいっていないことはなにか

当然、いいことばかりではありません。

特に、いきなり多くのプロジェクトが勃発したために、プロジェクトを遂行するメンバーが圧倒的に不足しています。

事実、重要プロジェクト制度を発足してから50名近くの中途採用を行っているのですが、まだ追いついていません。しかも、ほとんどのプロジェクトがシステムの絡むものなため、エンジニアの数が圧倒的に足りていない。

また、当然経験のあるエース級のメンバーは立ち上げるプロジェクトの数も多く、オーナーが特定の人に集中する問題があります。実際、4つ以上のプロジェクトを兼務しているオーナーは8名にものぼっている。

そんな中、日々新たな重要プロジェクトが生まれていくわけだから大変です。制度発足後半年たった今でもだいたい週平均で3~5個のプロジェクトが生まれています

ここまでくると、本当に全てのプロジェクトが完遂するの?
という疑問が生まれてくるかもしれません。

正直、そこは僕もまだわからないです。ただ、そのために各プロジェクトにクルーズ本社の社長特命執行部(他社で言う経営企画室や新規事業準備室みたいな部署)のメンバーがPMとして進捗管理や資料作成フォローなどを行ったり、隔週で15分ずつ社長と進捗会議を自動的に組み込まれるようになっていたり、最大限プロジェクトを遅延させない仕組みが組み込まれています。

事実として言えることは、全部が全部そのおかげではないものの、重要プロジェクトを導入してから売上、営業利益と営業利益率の全てが向上し、新たにオーナーが39名生まれ、全員が課題解決の重要性を実感しているということ。

僕はIRも管掌しているので、この重要プロジェクト制の進捗や成果報告は決算発表など定期的に投資家に対しても行わなければならないと思っています。

自分としてもこれから重要プロジェクト制がどのように事業に貢献していくのか、その先にSHOPLISTが本当に500億、1,000億のプロダクトに発展していくのか楽しみで仕方ないので、定期的に分析したいと思ってます。

最後に、そんなこんなで新卒、中途ともに絶賛メンバー募集中ですので、興味がある方は直接僕に連絡ください!
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