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書店員VTuberによる「西洋美術×アトリビュート」解説

VTuber諸星、アトリビュートについて解説する

本編はこちら


2022年12月22日配信「【西洋美術 / 解説】vtuber諸星, アトリビュートでギリシア神話の絵画を語る【新人VTuber/諸星めぐる】」より

めくるめくめぐるの世界にようこそ!
書店員VTuberの諸星だよ!
今日は配信で出せなかった美術作品の詳細とか、かいつまんだ解説とかを紹介していくよ!


アトリビュートって何?



アトリビュートとは、描かれている登場人物を象徴する事物のことです。

西洋美術において伝説上、歴史上の人物または神話上の神と関連付けられた「持ち物」
その物の持ち主を特定する役割を果たす。

例えば、その絵でめちゃくちゃきれいに描かれているからって、
それが女神なのか、ただの美人さんなのかはわからないよってこと
(とくにルネサンス期以降の画家さんたちは自由なもので。。。)

真ん中誰?美人さん?女神なん?(ボティッチェリ「ヴィーナスの誕生」)
なんか貝に乗ってる。。。(ウィリアム・ブーグロー『ヴィーナスの誕生』)

現代社会に置き換えてわかりやすく言ってみると、

マンガにおける「吹き出し」「フォント」「効果音」といった共通言語がそれにあたるのかな?

VTuber界隈なら推し色、推しマがそれにあたるぞ!(たぶん🍙)


つまり、知っているだけで情報量が激しく増減する物体のことでもあるのだ・・・



今回は、主にルネサンス期に最盛を誇った西洋美術におけるギリシア神話の神々のアトリビュートを解説するよ!


なんで西洋美術でギリシア神話流行ったん?

簡単に言うと、厳格な宗教画ばっかで、みんな飽きたから。
流れのきっかけには、ギリシア風(ヘレニズム)に対する
アーティストたちへの居心地の良さ・待遇の良さもあったのかも・・・

以前から二次創作での使用はあったのだが、ルネサンス(再生)期に
古典古代ブームが到来する。
ルネサンス期(中世)の背景には強大な宗教による長期的な統治で否定され続けた文化に対する憧れと望郷が原点とされています。

つまり。。。
今生きてる時代最低じゃね?

昔最高だったんじゃね?
=暗黒時代へ の図式です。

そのため、現世への溜まった反発が自由の名を借りてのびのびと表現されているぞ!

てなわけで、ギリシア神話は有名なダヴィンチやミケランジェロもこぞってつかうモチーフに使っていきます。
次からは具体的な神様たちのアトリビュートを紹介していきます。

「あらまあ、産まれちゃったわ」みたいな感じですこれ。「レダと白鳥」より

ゼウスのアトリビュート

ゼウス(ジュピター:木星)

ローマ神話のユーピテルと同一視されることもあるよ。

神々の王。絶倫。天空の支配者。全知全能の最高神・・・・あと絶倫。
全知全能で変態仮面変幻自在で、絶倫なのでバリエーションが多すぎる神様である。
大抵の割は相手の女性(その他)が食う羽目になるのでかわいそうでもあるぞ。

王笏:王としての威厳

紀元1世紀のユーピテル像には王笏と鷲が


:手づかみしてる。武器だよ。稲穂に形をよせていることが多い

中心のおじちゃんがタダモノじゃないことを、持ってる雷が証明してくれているのだ
(ジュリオ・ロマーノ「ギガントマキア」)


:シンボルとしての王たる動物(変幻自在のおっさん見分けるためによくほかの持ち物といっしょに使われる)

「ジュピターとカリスト」
女体化して誘ってる瞬間をフランソワ・ブーシェが18世紀にロココに描いている)


ヘラのアトリビュート

ヘーラー、ユノ、ユーノー(ローマ神話)とも。
神々の女王。結婚(これが不幸の元)貞操を司る。
ゼウスのせいで毎回嫉妬に狂ってる印象だけど、
実は一年に一回リセットされているんよ。

ちなみに、天の川(ミルキーウェイ)は寝込み襲われて、
不倫相手との赤ん坊のヘラクレスに勢いよく吸われたヘラの母乳だったりする。かわいそう。

王笏・王冠:女王としての威厳
孔雀:牝牛化されたイオ(被害者A)を取り戻すために殺された、ゼウスの浮気被害者Bのアルゴスの目がくっつけられている。
ちょっと意味が分からない。
(赤いドレスの女性がヘラ↓)

アルゴスもだけど、孔雀も「なんでなん」って言ってるよ絶対
(ルーベンスの「ヘラとアルゴス」より)


アフロディーテのアトリビュート

日本はこっちの名前が有名だね。ヴィーナス(金星)
(欲望)の女神(生まれ方は実はエログロ、血×泡)。

西洋美術でめちゃくちゃ描かれている系女神。
夫は一応いる。一応。。。

冒頭の2枚は、両方アフロディーテの絵なんですよ。

リンゴ:トロイア戦争の発端となった「黄金のリンゴ」から
     黄金のリンゴってオレンジのことだったって本当なのかしら
     (パリスの審判)

孔雀に、林檎、キューピッド。奥に見える盾の中には。。。
『パリスの審判』 ルーベンス


バラ:アフロディーテと共に生まれたとされる花
(吹いてるんじゃなくて、生み出してるんすよ左の女神、コレ)

ボティッチェリ「ヴィーナスの誕生」


ホタテ貝:再生の意味もあるよ
(アフロディーテは西風に運ばれて目的地キプロス島に着いたので)

ハト:愛と平和の象徴なので
そして、つがいのハトは確定演出。
100パー、浮気の瞬間です。

鳩の様子と奥のおっちゃんで全てを察する・・・
(ランベルト・スストリス作「ウェヌスとクピドン」)

まとめ

ほかにも、ローマ神話とギリシア神話の違いって何とか

紹介していない神様のアトリビュートとか

宗教画におけるアトリビュートとか、まだまだ話は尽きない!
また次回やるね!

西洋絵画のほとんどはそのタイトルを「後世につけられている」ので、
画家の真意をより深く知るのにはアトリビュートを自分で見つける方
面白いんだよ

ぜひ、自分で探して、見つけて、当時の画家や依頼者、モデルに思いをはせてみてね
美術鑑賞がもっと楽しくなるよ!

今回のおすすめ参考書籍はこちら

それでは、諸星めぐるでした
さようなら!×3

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