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5.4.個別相談とその他のやり方

セミナー開催の後にすること、それが個別相談です。

企業と契約するためには、コンセプトを定め商品を作った後にそれを決裁権を持つ社長にセールスする必要がありますが、いきなり売ろうとしても売れないわけで。私たちが社長に売るのではなく、選ばれるために実施するのがセミナーでしたね。

セミナーはフロントエンド商品であり、その目的は個別相談のアポを取ることにあります。セミナー中にバックエンド商品が売れることはまずありません。そこを目的とせず、セミナーを主催する私たちが信頼できる人であると参加者から認識され、バックエンド商品の価値が理解され、その内容や金額がおおまかに把握されれば、それでOK、あとは個別相談でクロージングまで持っていきます。

クロージングというとどことなくいやらしい、商売っ気があるように思えますが、これをしないと単なる面談で終わってしまうのでいけません。

個別相談を設定する

セミナー後は、個別相談を設定するのが必須です。

個別相談といっても難しく考えずに、セミナー中や後に「今日の内容を御社に導入したとして、出てくる疑問や質問を受けにいきますよ」くらいで声掛けすればいいです。

それも無料相談として、お金は取らないことをはっきり伝えるとなお断れないですよね。私たちはキャリア(含むコンセプトで)の専門家ですから、普段は基本的に無料での相談にホイホイ乗るのはいかがなものかと思いますが、セミナー参加者だけの特典として無料でご相談を受けますよ、と説明しましょう。

なぜ無料でもいいかといいますと、個別相談は「顧客の課題を明確にして、解決策を提示する場」だからです。もっとぶっちゃけて言うと、バックエンド商品である本命のコンサル商品を買って頂くための場であり、買って頂く決心をして頂く場です。

だからって売り込んでやろう、絶対契約取るぞと身震いする必要はありません。私たちキャリコン的セールスの流れは1.信頼→2.ニーズ→3.プレゼンテーション→4.クロージングでしたが、セミナーが終わって個別面談に進んだ時点で、1~3が終わっていることに気付きますでしょうか。

情報発信であなたの考えに長く触れていいなと感じてくれたからセミナーに参加してくれたわけで、その時点で1.信頼はクリアされています。さらにセミナーであなたの人となりを感じることで、例え知人からの紹介等であなたと初めて触れる方でも、信頼はさらに強固なものとなったでしょう。

2.ニーズと3.プレゼンテーションは、これこそセミナー中に終わっています。ニーズを感じたからこそセミナーに参加したわけですし、そのニーズをウォンツに変えるプレゼンテーションを、あなたはセミナーで行っているはずです。

つまるところ、個別相談を設定したら、やることは「契約しますか?」とクロージングとして意思確認するだけなのです。

あとは右手を差し出して9秒黙っていれば、「ぜひお願いします」と社長から手を握られるでしょう。細かい条件や契約形態、支払い条件等はその後に詰めればいいです、もう買って頂いているのだから。

私たちが個別相談で行うことは、売り込みでもなく、土下座でもなく、相手の意思確認なのです。セミナーに参加してくれてさらに個別相談まで申し込んでくれる方であれば、ちょっとはあなたから買ってもいいかなと思っている状態ですので、気負う必要はまったくありません。

個別相談の役割

顧問契約等であなたの商品を導入、サービスを受けたら会社はどうなるのか、イメージはセミナー中におおよそついていますので、より具体化したり、不安に感じているところを取り除いていく場が個別相談です。

よくある断り文句に「時間がない」「お金がない」「今はいい」がありますので、そういった反論を対処する場でもあります。

本来であれば、そういった断り文句をセミナーでのプレゼンテーションで解消しておくべきなのですが、個別相談でも解消することはできます。キャリコン的セールスをもう一度個別相談の場で行えばいいのです。が、一歩間違えると強引な売り込みに感じられることもありますので、ここは断る原因について深堀してみましょう。

どうやって深堀するかは、それはもうキャリアコンサルティングです。「時間がない、そう思ってらっしゃるのですね。あなたの時間を奪っているものは何か、具体的に教えてもらってもよろしいでしょうか?」これくらいですね。

もしかしたら何か別の問題があることにお互い気付くかもしれませんが、それはそれでニーズを引き出したことになるなら、それを解決できますよとキャリコン的セールスに再び入ればいいです、相手が許す限りは。

代表的な断り文句で断られたら、必死に売り込もうと食らいつくのはやめましょう。多くの場合は無駄ですし、相手が迷惑に感じます。私も何度か経験ありますが、個別面談に行ったら強引に売り込まれて、契約するまで帰してもらえない。そんな雰囲気を醸し出してくる自称コンサルタントは本当に多いです。

私たちキャリコンは答えは相手の中にあるを基本姿勢としているため、そうはしないと思っていますが、それって単にやり方が下手なだけなんですね。ここで必死に売り込む、相手を買うように誘導する、追い込む。プレッシャーを与えるといった小細工をする必要があるということは、逆算してセミナー→情報発信→商品→コンセプトのどこかに問題がある、プロセスがうまくいっていないということです。

そもそも私たちは、売り込まれるのが嫌いです。でも、買うのは大好き♡なんです。押せば押すほど遠くに行くし、逆に価値のある商品であれば喜んで買うのが私たち人間ですので、本能的かつ反射的に断られることを念頭に置きながらも、クロージングしてみましょう。

セミナー以外のやり方は

企業領域キャリコンとして企業から契約を取るためには、情報発信→セミナー→個別面談→契約、という流れをオススメしてきました。

キャリコンを前提としたスモールビジネス、コンサル業で成果を最短で出すには、コンセプトに基づく商品を作ってセミナー開催することです。情報発信→セミナー→個別面談→契約、というセールスの流れが(全部ひっくるめてセールスとも言えます)、企業領域の王道の流れなのです。

しかし、セミナーをいきなり開催するのはハードルが高い、そう感じる人も多くいます。私たちキャリコンは傾聴をベースとしているので、伝える力よりも聴く力や訊く力を鍛えがちですし。

そんなときは、セミナーの代わりにランチ会やお茶会、飲み会、趣味の会を開催してみるのはどうでしょうか?勉強会でもいいかもしれませんね、ペルソナの悩みを解消するための勉強とは何ぞや?という分析が必要ではありますが。

そうやって周りの友人知人といった近しい人たちから集客に慣れていき、紹介を産み出していき社長を巻き込む、そしてセミナーと同様の接触頻度と濃厚接触(笑)をすることにより個別相談へとつなげていく。これなら抵抗なくできそうですね。

他の人のイベントやセミナーに参加してみて、どうやって集客しているのか、個別相談までつなげているのか、そのための情報発信はどうしているのか、自分が主催することをイメージして体験してみると、得られるものは多くなるでしょう。

特に同じキャリコンの方が、似たような背景を持っている方が顧客獲得型のセミナーをやっているのならば、参加してみると個別相談まで体験できてお得、かもしれません。

イベント含むセミナーは、最初からうまくいくわけではありません。私も集客0や、知人しかいない、会場代をペイできない等散々な目に遭ってきましたが、実験だという感覚を持って、たかが集客ができなかっただけでいちいち落ち込みはしないことです。あなたの価値ある知識と経験には、何の影響もありません。商品にも傷は付きません。いい実験だった、次は改善すればいいのです。

どんなに経験を積んでも、こと集客は一定の割合で思ったより少ないという事象が起きますので、ショックを受けずにすぐに忘れましょう。私たちキャリコン的セールスとは価値を届けることであり、集客はそのための打診です。集客の時点で断られてしまったら、今じゃなかったんだな、で気にしない気にしない。

社長との接点の持ち方、他には

セミナーやイベント開催といった、自分から実施するもの以外のものもたくさんあります。あくまで王道はセミナーですが、それ以外の方法も組み合わせていくと社長との接点も増えますね。

まずは公共案件と呼ばれる国が行っている事業に参画する方法があります。国から企業が受託して、それを私たちが実施するといったもので、私もハローワークでの求職者訓練の一環で、とある企業が受託した求職者向けセミナーに講師として何十回と登壇した経験があります。

これがハローワークとかでなく、例えば女性活躍推進やシニア活躍推進といった公共案件だと、直接対象となる企業をキャリコンとして訪問できるので、社長と接点を持つことも可能です。

ただあくまでも公共案件で訪問しているので、その場で自分の売り込みはできませんし、名刺も公共案件用名刺のみ配れるだけかもしれないので、なかなか難しい面はあります。でも接点は持てますので、どんなニーズを持っているか、信頼関係を築いて確認する場には使えます。

公共案件は実績になりやすいのですが、残念ながら国家予算ということで単価はすごく安いのでほどほどにしましょう。民間契約と数十倍の開きがあるので、公共案件ばかりしていたら食べていくのに精いっぱいですよ。それよりもセミナーやりましょう。

次に士業につながって紹介を得る、というものがあります。私のような中小企業診断士や税理士、社会保険労務士といった企業に顧問として入り込んでいる士業とネットワークを構築する。そして士業のクライアントである企業から、私たちのコンセプトに合った相談ごとがあったときに、思い出してもらって紹介や依頼を受ける、というものです。

キツイことを書きますが、ハッキリ言って士業の立場からすると迷惑です。だって売り込みですよね、これ。紹介されることを期待して自分を売り込んでいるだけで、ただのキャリコンでは士業にとってメリットがないです。

セルフ・キャリアドック助成金も終わっているのだし、他の助成金や補助金活用でもキャリコンが入る余地は少ないです。彼ら士業は助成金や補助金のプロなのですから。

と、面と向かって言われないよう(私は言われたことありますが、正直に言ってもらえてよかったです)、あくまでもあなたのコンセプトを士業の方に伝えて、あるいはセミナーに招待して、あなたにもメリットがあるということと、ファンになってもらうことを念頭につながっていきましょう。コンセプトの理念や想いに賛同してくれる士業の方となら、いい関係を構築できて仕事にもつながりますので、仕事くれくれ君にならないよう、いい関係を築いてください。

だからセミナーやりましょう。結論はセミナー、以上です。

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