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4.2.コンセプトメイキング

あなたが選ばれる理由、Reason Whyがコンセプトです。ここでは、そのコンセプトを一緒に作っていきましょう。

私がコンセプトを説明するときに好んで話すのは、ラーメン屋さんの例です。あなたがふと醤油ラーメンが食べたくなったとき、近くに醤油も塩も味噌も豚骨も食べられるチェーン店と、醤油ラーメン一筋30年の個人経営店、どちらを選ぶでしょうか?

当然、後者だと思います。チェーン店にもゆっくりくつろげる、味が想像通りで外れなしと良い面がありますけど、一番優先するのは美味しい醤油ラーメンが食べられる店、ですからね。最近は家系とか次郎系とかさらに細分化されますが、それこそがコンセプト、選ばれる理由です。

「誰に(WHO)」

コンセプト

あらゆるビジネスにはコンセプトが必要です。

特に、対人支援スモールビジネスのコンサル業には必須です。「誰に(WHO)」、「何を(WHAT)」、「どのように(HOW)」提供するのか、具体的な1人をペルソナとして想定しましょう。

ペルソナの選定には、あなたの熱い想いが重要です。それはミッション・ビジョンと関係する本当に助けたい相手だからです。つまりコンセプトとは、自分のミッション・ビジョンを達成するための手段なので、だから一番重要だ、なんですね。

そうそう、ペルソナをなるべく具体的に、できれば実在するであろう1人にまで絞るのは、私たちはスモールビジネスゆえにそれほど顧客が多くなくても成り立つから、なんです。

仮に商品がキャリアコンサルティングだとしたら、1日に何人もできませんよね?毎日も難しいですよね?本気で相手の人生に貢献しようと考えたら、事前準備含めてかなり時間を投入しますし、疲弊します。

企業相手だとなおさら、企業相手のコンサルは本当に価値を届けようと伴走支援したら10社もできません。経験上、1人ではその半分が限界ですので、ペルソナはできるかぎり絞ってください。

最終的には、ペルソナに名前を付けます。そして会話を楽しんでみてください、そうすることでペルソナの人格を想像することがよりやりやすくなり、脳内対話ができるようになるのが理想ですね。なんだか危ない人ですが。

中にはペルソナをおおざっぱでいいから早く決めて即行動しろ、行動していく中でペルソナが見えてくるという方もいます。その方はきっとそれで成功したのですから、それはそれでOKですが、おおざっぱの中に理想のペルソナがいない可能性がありますので、最初に絞った方が遙かに効率的です。

「何を(WHAT)」

ペルソナが決まったら、そのペルソナが何に悩んでいるか可能な限り想像してみてください。これは、表面的な問題だけでなく、その問題の原因となることも、キャリコンっぽく「見立て」て頂ければと思います。

キャリコンの「見立て」であれば、ありがちな「従業員がキャリアを自律的に考えない」「待遇に不満を持つ従業員がいる」「転職しようか悩んでいる」といったキャリコン的に都合の良い悩みをでっちあげることがなくなります。お気持ちは分かるのですが、それでは私たちが「できること」にフォーカスし過ぎるので遠慮しましょう。

「何を(WHAT)」、「どのように(HOW)」提供するのかの基となるお悩みは、多ければ多いほどいいです。問題や原因やその真因まで想定して、できれば200個ほど出してみましょう。私たちがとうてい解決できないことまで漏れなく出してみましょう。

選ばれるコンセプトとは、痛みや不平・不満を解消して理想の状態にするものです。私たちが商品として買うのは、痛みや悩みがなくなるものか、気持ちよくなる・便利になるもののどれかです。それ以外は買いません。それは個人相手でも、企業領域でも同じです。快楽を提供するのもアリですが、キャリコンには余り合わないので、痛みというお悩みを出しましょう。

お困りごとを解決する、解決までいけなくても何らかのお役に立てられれば、その価値が高くなります。

ここまでやってペルソナのお悩みをあなたがまったく解決できそうもない、お役に立てそうもないなら、今の段階ではそのペルソナを助けられる商品が作れないので、ペルソナを変えてまた考えてみましょう。ここはあくまで想定なので、何度でもやり直せます。とても面倒だと感じますが、いざビジネスが走り始めてから変えるのは大変ですので、今のうちに悩みましょう。

そうそう、ここで悩む方向けに、一番簡単な「誰に(WHO)」「何を(WHAT)」の作り方を公開しちゃいます。それは、過去の自分を救うことです。過去の自分の悩みを現在の自分が解決する、タイムマシンで過去の自分に戻り、お悩みを聞いてみてください。きっと、今のキャリコンのあなたなら、過去の自分の悩みを傾聴して受容できるはずです。そして、過去の自分と同じ悩みを持つ方を助けていく。それが価値になります。

BeforeとAfter

あなたがペルソナのお悩みを解決できたら、それも問題だけでなく原因やその真因まで解決できたら、もしくは何らかのお役に立てられるのであれば、ペルソナはどうなりますでしょうか?

お悩みがなくなったら「何となくスッキリしました、ありがとう御座います」なんてキャリコン終わった後の感想で一番あるあるではなく、その方の理想の結果が出るはずですよね。

ペルソナのお悩みは、こんな質問で浮かび上がります。

「あなたの最大の不満は何ですか?」「あなたは何を避けたいのですか?」「あなたは何を最も望んでいますか?」「あなたをどうすれば助けられますか?」

そして、

「あなたは問題が解決した後、どんな結果を得られましたか?」「あなたは原因がなくなった後、何を感じられていますか?」

という質問で、ペルソナが望んでいる理想の結果が浮かび上がります。

Beforeとafterをハッキリ見せる、そしてその方法を手段やソリューション、メソッドという商品として説明する必要があるんですね。BAS法というもので、有名なのはライザップのCMです。

「ブーンチッ、ブーチッ、ブーンチッ、ブーチッ」「チャッチャラーチャラー、チャッチャラーチャラー」そして、「結果にコミットする」ライザップの文字。これがBefore→After→Solution略してBAS法です。

ライザップのコンセプトと商品の流れ、素晴らしいです。ここまで洗礼されていなくても、あなたの商品となるSolutionを買うと、どう悩みが解決して理想の状態になるのか、考えてみましょう。それも、できれば箇条書きでシンプルに。

私たちはついたくさん言いたくなりますよね、キャリアコンサルティングを受けるのにどんなメリットがあるのか、どんな気持ちになるのかを。シンプルに、誰にも伝わる言葉で、専門用語をなるべく使わずにBAS法で説明できれば、それがあなたを一言で言い表すコンセプトとなります。

ここを複雑怪奇に説明すると絶対顧客に伝わらなく、選ばれませんのでご注意あれ。

コンセプト確認3つの質問

キャリコン×◯◯×◯◯と何回も出ていますが、これが事業領域やターゲット層を絞った、あなたを言い表すコンセプトです。このコンセプトはシンプルであればあるほどよく、ニッチであればあるほどいい、コトラーの競争戦略でいうニッチャーです。

ニッチであればあるほど遠くの人にも響いていき、商圏が広がります。私たちスモールビジネスでは、ナンバーワンを目指すリーダー戦略やチャレンジャー戦略を採らず、狭い領域でオンリーワンを取りに行くニッチでいきましょう。

まず、ニッチなコンセプトでオンリーワン市場のナンバーワンを獲る。そうしたらちょっとずらしたコンセプトで隣の領域へ展開する。一点突破、全面展開です。

一点突破して頭1つ分抜けると、他の人から紹介を貰えることが多くなりますので、セールスやマーケティングが苦手な方はまずニッチな領域でナンバーワンを目指すコンセプトを作ってきましょう。ニッチ=リッチです。

ニッチ過ぎて見込客が誰もいないような死の海的コンセプトはNGです。もし、自分が考えたコンセプトがNGかどうか判断したい方は、あなたのコンセプトをシンプルに一言で言い表した単語をGoogle検索してみましょう。検索結果100件以下ではほぼ誰も知らない、見込客がいないのと同義なので、コンセプトを見直すのが無難です。

コンセプトが固まったら、それが選ばれる理由になっているか、オンリーワンになっているか確認するために、次の質問に答えてみてください。

「あなたは何を提供する人ですか?(興味喚起)」「なぜあなたはそれができるのですか?(実績、ミッション・ビジョン)」「それが私に何のメリットがありますか?(ベネフィット)」

これらの答えがすらすらでてくるコンセプトであれば、あなたは間違いなく選ばれます。次回は、BeforeをAfterに変えるSolution、商品作りについて説明していきます。

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