人生、転職、やり直しゲーム 第1章

【幸恵(さちえ)】



俺は、2つの携帯のアラームで目が覚めた。

1つはプライベート用。

もうひとつは、

俺の務める会社、「パワハラパレス」から

支給されたGPS機能付き携帯電話。



腰が痛い。

横で、妻の幸恵と3歳の息子、勘太郎(かんたろう)が寝ていた。



俺はよろよろと立ち上がり、

勘太郎の使用済みオムツが溜まった袋から

漏れる臭いを嗅ぎながら、

洗面所で、顔を洗い、ついでに髭も剃った。

カミソリの刃にオレンジ色の錆びがあり、

よく剃れない。

底の縁に黒いカビがついたコップに

水道から水を汲み、

歯ブラシで歯を磨いた。



「ねぇ、非才(ひさい)。

今日も遅いの?」

幸恵が目覚めたようだ。



「ああ」

俺は、窓のカーテンレールに掛けてあるハンガーから

ワイシャツを手に取り、袖を通した。



「たまには、勘太郎の世話してほしいんだけど…」



「そんな暇ねぇよ」



「あたし、頭が痛くて…アトピーも痒いし、辛いの」

幸恵は、ガリガリと爪の音をたてて腕をかいた。



どう答えよう?


(選択肢によって、
進む先が変わります)





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【俺は会社を休めない】に進む


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