人生、転職、やり直しゲーム 第1章
【俺は、会社を休めない】
「でも…たまには早く帰ってこれないの?
勘太郎は、非才と似ていて、癇癪持ちだから、
一緒にいて疲れるの…」
「無理だよ。
分かっているのに、
忙しい朝にごちゃごちゃ言うな。
そもそも、
飯くらい作ったらどうだ?
お前は、お湯も沸かさないよなぁ。
掃除も全然やらねぇし、
俺が稼いだ金で生活してんだから、
そのくらいしろよ」
「頭が痛いから、無理だよ…」
「俺だって、腰が痛い!
お前ばっかり、楽しようとすんな!」
俺は、幸恵の身勝手さに腹をたて、
床に落ちていた勘太郎の歌う電車のおもちゃを
投げつけた。
ガツン!
「ギャァ!」
幸恵の目にヒットした。
床に落ちた電車のおもちゃの
スイッチが入り歌が流れた。
「♪汽車、汽車、しゅっぽ、しゅっぽ…」
「うわぁぁぁん」
勘太郎が目覚めて、不愉快な声で泣き出した。
「うるせぇぇぇぇ!」
俺は、勘太郎に、落ちていたアザラシのぬいぐるみを投げつけ、
部屋のドアをバタンとデカい音をたてて閉め、
車で
会社へ向かった。
暑い…俺は車のクーラーを強めた。
俺の車のレーダー探知機「カウンターハンターネズミ捕り」
に反応があった。
「パトカーが近くにいます、ご注意ください」
おっと、また、スピード違反で捕まる所だった。
俺は、車のスピードを緩めた。
ここから近い山中には、
最近、ヤクザが始めた
産業廃棄物処理場がある為、
たまにパトカーが見回る事がある。
俺は用心して、会社に向けて車を走らせた。
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