匂い菫をあなたに
匂い菫、またの名をスイートバイオレット。
ひっそりと可憐に咲くその花は、シェイクスピアの「夏の夜の夢」の中では、花びらを搾ったしずくを眠っている者のまぶたに垂らすと、目覚めて最初に見た相手に恋をする媚薬(惚れ薬)として登場する。
魔法にかけられたかのように
あなたに惹かれ
まるで失った恋を煩うように
あなたを想い続ける私たち
どんな媚薬を私たちにふりかけ
あなたは去ったのだろうか…
匂い菫の花を摘み
砂糖漬けにしたことがあった
氷の粒のような砂糖に
コーティングされた花びらは
光にあたるとキラキラ輝いていた
美しく咲いていた時のまま
保存された花を
ときどき紅茶に浮かべては眺めた
甘く密やかな香りが
鼻孔をくすぐり
花の蜜はゆっくり溶けていった
匂い菫の花言葉
・
高尚
・
控えめな美しさ
・
奥ゆかしい
・
秘密の恋
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