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ありえへん、一時帰国の顛末 その2


また少しご無沙汰してました。
その後、私たち家族は何とか無事に居住国へ戻ってまいりました。
しかし、今回ほど日本を離れ難い気持ちになったことはありません。
あともう少しだけ長く滞在したかった…(泣)




予想もしなかった567再感染という事態に見舞われ、大幅に予定が狂ってしまった今回の一時帰国。

私はなかなか熱が37度4 、5分から下がらず、持病の咳喘息も出始め、もしもの時のために残っていた吸入薬を持参していたもののそれも3日で尽きて、夜も眠れないほど咳が止まらなくなってしまい、これじゃ帰りも長時間に及ぶフライトは無理かもしれない…と不安が募り出しました。
全額負担も覚悟し近隣の病院へ問い合わせるも、うちでは吸入薬は処方出来ない、感染者を受け入れる体制がない、などの理由で何軒もの病院に断られ、病院ジプシーとなり途方に暮れていたところ、薬剤師の友人のアドバイスで発熱外来のある病院へ最後の希みをかけたら、もう感染後5日以上経過してるので一般診療でOKと言っていただき、何とか吸入薬も処方してもらい、ホッとしました。
喘息は精神的なものも影響したりするので、安心したら徐々に咳も治まってきました。



そんな散々な滞在の中で、数少ない楽しみの一つだったのが、栗を味わうこと!
こちらの国では栗は育たず、食べる習慣もないので、一時帰国中の今こそ食べねば!と言う事で、外へ出られるようになってからは、コンビニデザートからパティスリーまで、色々なモンブランを食べ比べました。


いろいろなパティスリーのモンブラン
左上はコーヒーのケーキ



中が栗ペーストや栗生地、メレンゲなど何層にもなっているもの、洋酒入りの濃厚なもの、和栗を使った優しい甘さのものまで、一口にモンブランと言ってもいろいろ工夫された味わいがあり、どれも美味しゅうございました。
さすが美味しいもの天国・日本!



今回の帰国では友人達に沢山助けてもらったものの対面では会えず非常に残念でしたが、最近感染したばかりで抗体ができた自分は恐らく大丈夫、と言う30数年来の付き合いになる親友とは、唯一会うことが出来ました。

吉祥寺で待ち合わせ、井の頭公園を散歩。
井の頭公園は、学生時代からの思い出がつまった懐かしの場所です。
その頃とくらべると吉祥寺の街もだいぶ変わり(私が学生の頃はまだヒッピーの生き残りみたいな人も見かけて、アングラな雰囲気もある街だった)、今はファミリーの多いお洒落な街になりましたが、今でも帰国すると近隣に滞在するのでよく訪れる街です。

青空の広がる秋晴れの井の頭公園
どこからかギター演奏が聞こえてきたり
のんびりとした雰囲気は昔のまま


後日、家族とまた訪れた吉祥寺では、井の頭公園内にあるテイクアウト専門のカフェで、栗ソフトクリーム、栗フレーバーの秋ラテをいただき栗三昧。猫ドーナツも可愛いらしく美味しかった。


この日も23度とこちらの国では真夏の暑さ
栗の味がしっかりしていて美味しかった
栗ソフトクリーム

丸くなった猫の形が可愛らしい
猫ドーナツ・チョコ味


おまけに友人から、栗羊羹に栗かのこ、栗ペーストなどのお土産まで貰って、こちらに戻ってからも当分、栗を味わえる喜びでいっぱいです。
ほんと、有難い。


大好物の信州・小布施の桜井甘精堂の栗菓子
包装紙の模様や文字も洒落てる


他にも日本の大っきくて味の濃いイチジク、カボチャの煮付けやお菓子なども味わい、食い気一杯の滞在となりました。


そして、居住国へ戻る前夜のこと。
色々あった一時帰国だったけど、最終的には、ほっこり穏やかな気持ちで日本を後に出来るかと思いきや、最後にまだ一波乱残ってました…。

美容室で切ってもらった髪形が気に入らないと拗ねて、深夜1時に風呂場に鍵をかけ、立て篭もる息子。
当日のフライトに備え、早く眠りたいのに眠らせて貰えない夫と私。

オ・マ・エ
いい加減にしろや!!

今流行ってるらしい、フェードカットという刈り上げスタイルを何度も試みては、思い通りの仕上がりになったためしがない息子。
じゃあ、今回日本で私が髪を切りにゆくついでに一緒に行こうか?と誘ったら、珍しく行くと言うので初めて同じ美容室へ行ったのでした。
私はいつも一時帰国の時に髪を切ったりヘアケアするようにしてます。
日本人美容師さんのテクニックの高さを知っているので、あちらの国の店には行きたくない。
あちらの美容師には、毛量の多いアジア人の髪は手に負えないのです。次の日に見ると左右の長さが違ってたり、前髪のラインがガッタガタだったり、だいたい悲惨なことになる。それなのに技術に見合わないほど値段も高いのて、尚更行きたくないのです。

しかし息子は、日本のヘアサロンのテクニックを持ってしても、結局不満なのでした。もう何処へ行っても満足することなどないでしょうね。
フェードカットにはハイフェード、ミッドフェード、ローフェードがあり、自分がしたいのはローだ!と主張する息子。

知らんがな!!

だいたい私からしたら、角刈りか、GIジョー(例えが、古い…)にしか見えん!
そんなマッチョな髪形を希望しといて、前髪の長さがミリ単位で気に食わない、とか小さな子みたいに泣き叫び、もう学校へ行かない!と騒ぐ、中二病真っ只中の息子…。

あーっ!
ほんっと、めんどくせぇー!!

ごちゃごちゃ細かいことばっか抜かしやがって!
見た目ばっかりで、中身が空っぽなその頭を
後ろから蹴り飛ばしてやりてぇー!!

ゼェゼェ…ゲホゲホ…
また咳が酷くなってきた…。


今回の一時帰国は、初っ端からずっと息子に翻弄されているのだ。
言いたくはないが、567感染も恐らく抜糸に行った病院ではないかと思われ、そもそも親の言うことを聞かずに帰国を前にして怪我したわけで…。

それなのに滞在最後の日まで自分のことしか考えてない息子(怒)
当分、息子と旅行するのはごめんだ!と思いました。

体調が完全に回復していない夫も流石にウンザリしたらしく、私も夫も付き合いきれないので息子の事はもう放っておいて、深夜2時頃に就寝。
構ってもらえないと分かると諦めたのか、息子もいつの間にか風呂場から出て来て朝はベッドで寝てました。
もぉほんと、いちいち疲れる。

戻りのフライトは夜遅く、それまで長時間何処かで時間を過ごさねばならず、当日は寝不足でフラフラの状態に。
疲れがピークに達した夕方には、カフェのテーブルにつっぷして、ぐーぐー眠ってしまいました。
私は飛行機の中では普段ほとんど眠れない方なのですが、今回は爆睡しました。
おかげで、あっという間に到着時間になった感じです。




こちらの国へ戻って来た晩に、ヨーロッパはサマータイムが終わり冬時間となり、時計の針が1時間戻ったので、今は時差ボケに時間変更も加わり体内時計が狂いまくりです…(苦笑)
体がどの時間に合わせたらいいのか、混乱してるのだと思います。
サマータイムは健康面や精神的にも影響があり、ヨーロッパでは何度も止めにする、と言われてるものの未だ続いていて、私もサマータイム廃止には賛成です。
人間の体はスマホやパソコンの時計みたいに自動修正されないので、すぐには調整できないのです。

今のこちらの気温はすでに零度以下の初冬で、日本とは20度以上もの差。
日本では暑い暑いと連日半袖Tシャツで過ごしていた夫と息子も、ダウンジャケットを着ています。
秋晴れの青空から、薄曇りの暗い空へ…。
雪が降り積もるまでは、ひたすら光の届かないグレーの世界です…。



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