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コンサル就活で学生時代の専攻は問われるのか?

こんにちは,もりおです。
今回は,新卒時のコンサルティングファームの就職活動において,学生時代の専攻がどの程度合否に影響を及ぼすのかを考えたいと思います。

結論

 まず結論から述べてしまえば,ほとんどのファームにおいて学生時代の専攻は問われることがありません。
 …はい,終わりです。というわけにはいかないので(笑),もう少し話を続けたいと思います。
 では,なぜコンサルファームで学生時代の専攻が問われることが少ないのでしょうか。以下に理由を挙げていきたいと思います。

理由

理由①専門性枠人材は中途採用が中心であるため

中年の男性社員

 そもそもの前提として,コンサルファームが新卒人材に求める要素として「専門的な知識・経験」の優先順位は低くなっています。優先順位が高い要素については後述しますが,専門的な知識・経験は中途採用人材に期待されることです。
 また以前の記事でもご紹介したように,専門性というのはそれを武器にクライアントへの営業(=プロジェクトの獲得)を行うための素地になるものです。
 多くのファームでは営業ノルマが発生する中間管理職層(マネジャー)以上で専門性が問われるようになりますが,新卒からこの地点に達するには5~8年ほどがかかります。
 よって,専門性の高い人材は中途採用でマネジャー以上として採用し,新卒人材については入社時点での専門性はあまり考慮せずにマネジャーに昇格するまでに仕事の中で専門性を身につけてもらうという仕組みになっているのです。

理由②入社後の本配属は数年後に決まるため

万能ビジネスウーマン

 前項で述べたような事情から,新卒人材については専門性をそれほど重視せずに幅広く人材が募集されます。そして,新卒人材は特定の業界やサービスにフォーカスすることなく様々なプロジェクトを経験し,入社数年後にマネジャー以上の将来的キャリアを見据えて自分の専門性を決定し,それに合ったユニットに本配属となります。
 新卒人材は入社後に様々なプロジェクトに関わるため,ファームとしても採用時点で大学時代の専攻にのみこだわる必然性がないというわけです。

③就活でより重視されるポイントがあるため

グループディスカッション

 前項で述べたように,新卒人材の特徴は,入社後に特定の業界やサービスに囚われることなく様々なプロジェクトに関与する点です。この特徴を踏まえて新卒採用は実施されるため,専門性よりも以下のような能力が重視されます。

・論理的思考ができるか
・突然の問いにもある程度納得感のある答えを返せるか
・ビジネスへの関心が高いか
・クライアントを不快にさせないコミュニケーションが取れるか

などです。
全体として,どんなプロジェクトにも共通して求められる論理的思考能力や状況にキャッチアップする能力,コミュニケーション能力が問われているという印象です。
こうした能力を見極めるためにコンサルファームではケース問題やフェルミ推定を課したり,時事問題について面接官と議論を行ったりといった選考方法を採用している場合が多くなっています。

例外

 さて,ここまで「学生時代の専攻(=専門性)はコンサル新卒就活に関係ない」という話をしてきましたが,例外的に新卒時点で専門性が非常に重視される場合もあります。
 それは,「業界特化型ファーム」の場合です。業界特化型ファームとはその名の通り,特定の業界にクライアントを多く持つコンサルファームのことです。
 例えば「〇〇総研」と名のつく大手シンクタンク(野村・三菱・日本),特に三菱総研の場合は官公庁をクライアントとするプロジェクトが非常に多いと言われています。こうしたシンクタンクの新卒採用においては,公共政策系の大学院の出身者が非常に有利となっており,表向きは「学部・学科不問」となっていても,実際にインターンや採用面接に呼ばれた学生を見るとそうしたバックグラウンドの人ばかりということが珍しくありません。
 他にもZSアソシエイツのような製薬業界をメインのクライアントとするファームでは薬学部の大学院出身者が圧倒的に有利となります。こちらもシンクタンクと同様の事情と言えます。
 コンサル業界を志望される大学生の方が業界特化型ファームへの応募を検討する場合,こうした事情を踏まえ,ご自身の学部・学科・研究内容ときちんと照らし合わせておかないと思わぬ苦戦を強いられることになりかねないので注意が必要です。
 こうした業界特化型ファームは募集人数もかなり少ないため,現在の専攻とは合わないけれどどうしても入りたいという場合は,例えば新卒時点ではある程度の人数を採用する戦略ファームや総合ファームに入って該当業界のプロジェクト経験を積み,経験豊富な中途人材として再チャレンジする選択肢も視野に入れておくのは悪くないと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。
 
 補足ですが,最近では事業会社の採用面接でもケース問題やフェルミ推定を課す場合が出てきているようなので,転職を考えている企業がこのような選考を行う可能性がある方は,以下の書籍を参考に対策することをお勧めします(東大生シリーズ2冊をこなしてから3冊目に取り組むと良いです)。

 私もこうした選考方法に非常に苦手意識があったのですが,これらは地頭というより単に慣れの問題なので,対策すれば誰でもある程度の水準に達することができます。
 より重要な能力面や人物面等のアピールポイントに目を向けてもらえるよう,事務的な対策をしておくのは重要だと考えます。

 それでは今日はこの辺で!
最後までお読みいただきありがとうございました!! 




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